【レポ】松城ゆきの記念ライブ(Ba.恵美直也)渋谷JZ Brat
2020年9月4日、渋谷JZ Bratで行われた松城ゆきのさんの1stCDリリース・限定プレ記念ライブへ行ってきました。
松城ゆきの(vo)
藤原昌生(p)
久保田響(key)
佐橋佳幸(g)
恵美直也(b)
田中栄二(ds)
JZ Bratでライブを観るのは2回目。
前回(2018年11月)は胸骨に響くほど低音が重くて、音響の良さが記憶に残っています。
…というわけで、ベーシストじゃないただのベース好きとしては会場に入ってまずベースを確認。
前回と同じ、キャンディーアップルレッドのジャズベース。
これ↑はスタッフさんに確認して、開演前に撮影したもの。
演奏中のお写真は、松城さんのツイートを。
JZ Bratのイベントページを拝見すると、松城さんはシャンソニエと紹介されていました。
で、ベース好きとしては「シャンソンか…」って感じだったんですよね。
シャンソンって「だいたいルバートでベースの影薄い」みたいなイメージがあったもので。
ですが実際のセットリストは、1曲目から歌謡曲!って感じの私好みな曲調で(2部のMCで松本伊代さんのカバー曲だと説明がありました)ベースラインも濃くて大満足でした。
まずその1曲目。
いきなりロングトーン…というか「ローーーーングトーン」って感じのベースから(アーカイブを確認したら4小節弱)。
ちょっと高めのジャズベースらしい音で、低音要素も適度な輪郭もあって抜けの良い、私好みな音色がたっぷり聴けました。
そして重いグリスから低音でリズムを刻むという高低差。
1部は特にグリスのカッコ良さが際立ってたんですが、特に特にこの曲のグリス(曲中も)が記憶に残ってます。
最後の方のバラード(戀←恋と読む)の、転調前のグリスも圧倒されるぐらいカッコ良かった…!
叶わない恋心を描いた曲で、ベースラインも前半はじっと抑えた感じで。
2番ではドキッとする和音が入る演出はあるものの、それでもまだ耐えているというか秘めているというか。
そこから転調後の高揚感がドラマティックで…いやぁ聴き入りました。
2部は音色がさらに良くなった感じ。
低音弦が重くなったのと同時に、高音弦も濃くなった…みたいな。
(配信だとアタック音が強く出てるようで現場とは違って聴こえました)
フレーズは、1部の男っぽいカッコ良さから、2部では柔軟というか自由みが増したような。
2部最初の2曲が軽快な曲だったから、特にそう感じたのかもしれません。
シャンソンやミュージカル曲では主にサムで弾いていて、コントラバスっぽい雰囲気を感じました。
ハッとしたのは、ミュージカル曲ではドラムじゃなくてボーカルに合わせているように感じたこと。
…って私は弾かないので完全リスナー視点ですが。
恵美さんのベースって「歌伴」らしくもあり、でも徹しすぎてないところが(ベースラインだけでなく)曲全体もカッコ良くしてるというか。
その割合というか塩梅が歌謡曲とミュージカル曲で違って、それがまたちょうど良いという。
恵美さんを知ってもう2年以上になるので変な表現ですが「いいベーシストだなぁ」ってよく思います。
松城ゆきのさんの歌を聴いて最初に感じたのは「シャンソニエって書かれてたけどミュージカルも似合いそう」という。
美女と野獣のベルとかレミゼラブルのファンティーヌみたいな、メゾソプラノてきなお姉さん系ヒロイン役が似合いそうだなぁと。
そんなことを思いながら聴いていたので「夢やぶれて」の前奏でびっくりしました。
あ、2部のMCで「10歳でアニーに出た」って仰っていたので、本当に元々ミュージカル畑の方なのかも。
そうそう、松城さんのMCが絶妙でした。
きっと普段はフリートークでガンガン回してるんだろうなぁ~というポテンシャルが感じられる安定感と、ファーストアルバムリリースイベントという主旨をしっかりくみ取って初々しさを出す感じ。
あの場所であの観衆の前で1ミリも緊張してないどころか、ステージを楽しんで生き生きされていたのが素晴らしかったです。
特に(詳しくは書きませんけど)田中栄二さんを褒めるくだりが最高で…。
栄二さんの反応も面白かったんですよ~。
褒められる心の準備ができてない時に褒められて、いつもの飄々とした感じじゃなく本気で困ってる感じがレアでとても良かったです。
JZ Bratのスタッフさんなんですが、1部でオーダー取ってくれた女性の程よいフランクさが居心地の良さを増してくれました。
ビールの量を訊いた時、私のお酒好きを察したのか彼女がそうなのかは分かりませんが、バチッとアドバイスしてくれたのが嬉しかったです。
本当に素敵なライブでした。
同じ時間を過ごした皆さん、ありがとうございました。
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記:2020年9月8日