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【Bass】ベーシストの手の楽しみ方

※カバー写真:愛読しているベースマガジンより

突然ですが、質問です。

ベーシストの右手と左手、どっち見てます?

…。
えぇ、そうですよね。
そんなこと訊かれても「は?」というのが普通の反応だと思います。
でも、この記事を読んだ後なら質問の意味が分かるようになっています。
1万字ぐらいありますが、お付き合いください。

というわけで(?)私は、ベーシストの手元を凝視しながらベースラインを聴くという鑑賞スタイルで音楽を楽しんでいます。
ですが、この時にぶつかる問題が「右手と左手を両方見たいけど残念ながら私たちの目はワンセットしかない」という事実なんです。
そこで、右手と左手のどっちを優先して見るかという、永遠のテーマみたいな質問をしてみたわけです。

▼ ガイドライン

で、私のガイドラインとしては次のような感じ。
※右利き前提

基本は右手でフレーズが動くところは左手
左手の方がスライドとか動きが華やかで面白いんですけど、どちらかというと右手のリズムやタッチを見る方が好き。
右手が好きというよりも「重要」に近いかもしれない…。

ピックの時は左手の優先度が上がる
指弾きが好きということもあるのですが、右手の優先度が下がるというよりは左手の優先度が上がるイメージ。
ピックでも、ダウンよりオルタネイトの方が左手の優先度が上がります。

右手は覇気で左手は意思
ベースマガジンで「右手はエンジンで左手はサスペンション」というのを読んだことがあります。
似たようなことを考える人もいるんだな…と嬉しくなりました。

…というような話をですね、ここから1万字ぐらい語ります。
目次を用意しましたので、覚悟のある人はぜひ読み進めてやってください

左手:グリス

私は基本的に右手を見るのですが、グリスの時は左手の優先度が勝ります。
グリスって、奏法を目で楽しむというジャンルの最高峰だと思うんですよ。

ベースの奏法を遊園地の乗り物で例えたら、グリスってジェットコースターじゃないですか。
ウォーキングは回転木馬かな…いや…イスが回りながら広がるやつかな…と例え芸を広げると楽しすぎるので置いておいて。
だからグリスを見ながら聴くって、ジェットコースターの搭載動画を見てるみたいな高揚感とか臨場感が得られるんです。

しかも、グリスにも色々あるじゃないですか。
野球の守備の返球に例えると、ショートからファーストのシュバッって感じのグリスもあるし、ライトからドーンと返ってくる感じのもある。
ボールが弧を描いてるのを見るのが楽しいのと同じぐらい、グリスの左手を見るのは面白いんです。
左手が空気をまとってるというか、呼吸も引き連れていくというか、そういうグリスを音と共に目でも楽しむのが最高に楽しいんですね~

でも…あまりにも多いっていうかずっとグイングイン動いてるタイプのグリス(スライド)はキャッチボールみたいな軽さになっちゃうんですよね。
もちろんそれがパリピっぽい軽さとして曲やバンドに似合ってる場合もありますし、ぜんぜんディスってるわけじゃないんですけど。

でも私の好みとしては、ここぞ!というかベーシストの意図で入れてほしいなぁと思うんですよ。
一例ですが、ニールセダカの「雨に微笑みを」って4回サビが出てくるんですけど、その最後の直前にだけグリスが入ってるんですよ…!
そういうのがよくあることかは分からないんですが「ここぞ!感」ある構成が好みすぎて、拝みたい気持ちになります。

左手:ポジション

まず、私は太くて重い低音が好きなんです。
でも高低差もあってほしいんですね。
その結果、一番太い4弦(E弦)をメインに使って高低差を出す感じの演奏が好みだなぁと分かってきたんです。

そしてさらに、ここからが今回伝えたいことなんですけども。
基本的には4弦とか3弦の太い弦で高低差を出して、アクセントみたいに1弦や2弦の細い弦も使われると嬉しいんですね。
えーっと、基本的には横の動きで音が太いまま高低差をだして、時々は縦の動きで高低差も出すっていう…。

それを左手の動きを見ながら聴くと、音に重さがあるみたいに感じられてすごく楽しいんですよ~
あぁ…伝わっているでしょうか…。

太い弦のまま高低差をつけると音は重いままで、それはそれで好み。
だけど細い弦を使うと「軽くなる」というよりは、「重さが消える」とか「重力が少なくなる」みたいな感じでフワッとさせられて楽しいんです。
ベースラインに浮遊感が出る…みたいな。

私は弾かないので分からないんですけど、基本的に4弦×20フレットの中で同じ音程のポジションが…開放を入れたら5個ぐらい…?あるんですか?
それのどこを押さえるか、どの太さの弦を押さえるか、っていうのを音の重さを感じながら見るのがすごく楽しいという。

うーん。
文字の限界を感じますね🙈

ポールマッカートニーとか細野晴臣さんとか、こういう「ポジションによって音の重さを楽しめるようなベースライン」を弾いてるイメージだったので、参考動画を探したんですが見つからず…ううむ。
でも、皆さんには何となくでも伝わっていることを祈っています☆

左手:ハイポジションから一気にロー

最初の方で「グリスは遊園地の乗り物に例えるとジェットコースター」って書きました。
今回のハイポジションからの一気にローを例えるなら「フリーフォール」です。
ジワジワ昇っていって、ちょっと止まって、真っすぐ落ちるアレ。

これはもう…左手の見栄えとしても、ベースの高低差としても、最高の落差じゃないですか。
細い弦のハイポジションから太い弦のローポジションに向かって、指板の端から端まで左手がブワッと動いて、音がドーーーーン!
めちゃめちゃ沸き立ちますよね。
ねっ!(興奮)

ジワジワと音が高くなっていって、ハイポジションで音を溜めてる感じ。
この時点で「来るぞ」感があるというか、低音を待たされているような。
必殺技を放つ前に気をためてるみたいな。

だから、私にとっての主役は低音ドーンの方で、その前の高音のフレーズは前フリみたいな。
あ、前フリがあってこその主役だし、その高音が映えるにはその前に長い前フリとして低音があったりするんですけどね。
いやもう…ベースラインは弾いてないところも含めて、私にとっては全部主役なんですけどね…!

あと、これは完全に想像なんですけど。
「ハイポジションから一気にロー」のハイポジションの最後の方って、ベーシストの意識もローにいってるような気がするんです。
細かく書くと、意識→視線→手…の順にローへ移動するみたいな。
聴きながらそんな細かく見てるわけじゃないんですけど、何となくそんな感じの順番があるような気がするんですね。
その順番によるタイムラグが「ドーン」に至る前のタメになってるような。

えー、そして今回も今回とて参考動画が見つからないという…。
ジョーオズボーンとか、こういうのありそうなんですけどねぇ。
リーランドスカラーは何回も紹介してるから他の人にしたいし。
ライブ動画でグッときてるのに、いざ探すと見つからないんですよね。
でもそれがベースの神髄…とか言って自分の記憶力のなさを煙に巻く🙈

左手についてはメンタルてきなことも語りたいのですが、終わらなくなりそうなので(照れ)右手にいきたいと思います~

右手:タッチ

ここまで左手の見どころを興奮ぎみに語ってきたのですが、こんなに面白い左手よりも右手を優先して凝視しています
もちろん両方いっぺんに凝視できればいいんですけど、本当に残念なことながら私たちの目はワンセットしかないので…苦渋の選択です。

で、映像作品でも右手を優先しますが、右手の醍醐味を味わえるのは実際のライブだと思っています。
その、実際のライブで味わえる右手の醍醐味の中で最高なのが「タッチ」なんですね。
これを普通の人()が聞いたらちょっと気持ち悪いかもしれないんですけど、ベース界隈では「右手のタッチ」ってごくごく普通の表現ですよね?
だから安心して語ります~。

ほら、よく「パッシブだとタッチが伝わる」って言うじゃないですか。
今でこそ私も知識として知っていますが、だいぶ長い間そんなことは知らずに「これはタッチが伝わる」と感じていたんです。
この感覚をムリヤリ言葉にすると、指の動き→弦の揺れ→音っていう一連の流れに皮膚感覚があるというか。
測れないぐらいのタイムラグがあるような。

対してアクティブの場合は、指の動きや弦の揺れに関係なく音がひとつの作品としてできあがってるというか。
関係ないこともないんでしょうけど…パッシブに比べて影響が少ないというか。
三位一体になってるような。

これを肉眼で目の前で凝視できると、すっごく感動するんですよ。
私はベースラインを聴くのが大好きなんですが、ベースの音って元をたどれば弦の揺れじゃないですか。
その振動をピックアップが拾ってベースラインになるという。
だから、弦の揺れが分かる近さで聴けることがまず幸せ
さらにその弦を揺らす右手の動きを見られることが幸せなんですね。

ぜんぜん悪口じゃないんですけど、だからアクティブとかエフェクターとかは残念だなぁとかもったいないなぁと思ってしまうんです。
…とか言って、芸能人格付けチェックみたいにパッシブとアクティブの聴き比べがあったら間違えるかもしれませんが🙈

奏法とかリズムを語る前に、タッチと弦の揺れの話で終わってしまいましたね。
でも私にとっては右手最大の醍醐味なので、ぜひ皆さんもアンプ直パッシブにしてほしいと思いまs…じゃなくて、ぜひ皆さんもタッチに注目してほしいと思います☆

右手:ワンフィンガー

なんかこう…分かんないんですけど「ワンフィンガー」っていうタイトルだけでニヤッとしちゃう感じないですか。
私はものすごくニヤニヤしちゃいます。

特にワンフィンガーの音が好きというわけじゃないんですけどね。
でもワンフィンガーだと、どんなに左手がメロディアスでも確実に右手を凝視してしまうという…吸引力?レア感?
そういう魅力がワンフィンガーにはあると思うんですよ。

で、ワンフィンガーといえばジェームスジェマーソンなんですけど、なんせ映像がないという。
私が知る限りだとこれ。

しかも、最後の方でちょっと写ってるだけなんですけどね。
それでも「親指でミュートしながらワンフィンガーで弾いて残りの指はフェンスの上」っていう写真で見るあのスタイルが動いてるということに感動しちゃいますよね。

そして、私の中のワンフィンガーといえばジェリーシェフ。
1970年の「エルヴィスオンステージ」を見倒しているからでしょうか。
けっこう高低差のあるラインなんですけど、ジェリーシェフは右手しか見てないかも。

特に「ふられた気持ち」の初めの方。
ピックで和音?を鳴らしてからワンフィンガーになるところ(0:40)で毎回必ずニヤけてしまいます🙈
これは立ち位置もカメラワークも最高なので、ぜひ見て頂きたいです。
右手にピンスポ当たってるとか…どれだけ私好みなのかと…!

ついでにお時間あったら「サスピシャスマインド」もぜひ。
そこまで職人感あるプレイなのに、最後のこの曲ではっちゃけるというか荒ぶるというかオラオラ感を出すというか、そういうところがたまりません!
(余談ですが…私はオールディーズというジャンルがすごく好きで特にエルヴィスが大好きです…)

こういうワンフィンガーを通してるベーシストもいいんですが、そうじゃない人のワンフィンガーも探求心をかきたてられてイイんです。
リーランドスカラーのこれとか。

ベースラインのみならず、ワンフィンガーで音色にも恒常性を持たせることによって、たまに違う音が入る時のドキッと感を増してるのかなぁ…とか考えながら右手を見るのがすごく面白くて。

あと、ワンフィンガーのことを突き詰めていくと、ピックもワンフィンガーなんじゃないかっていう。
そう思わせるプレイでいえば、ジョーオズボーンとかバンアパの原さんとか…あぁ…もっと語りたいけどまたの機会に…!

右手:奏法の違い

さて今日はツーフィンガー、明日はピック、明後日はスラップとプル、あっそしたらドッペケとかスリーフィンガーはその次の日…。
みたいに書くと延々続きそうなので、今回はひとまとめに「奏法の違い」としてみました。

例えば、松井常松さんみたいに「ピックでダウンで8分」みたいな固定スタイルというかイメージ?がある人とか。
奏法とは違うかもしれないけど、あきらかにあきらさんみたいに「右肩ストラップありき」っていうビジュアル重視の人とか。
そういう貫くカッコ良さってありますよね。

もちろんそれもカッコいいんですけど、私は決めたスタイルを貫くカッコ良さより迷い悩みつつ進むカッコよさに惹かれるというか。
つまり、色んな奏法を駆使してくれるベーシストが好きなんですね~

そのどこが好きなのか分析してみると…。
1曲の中の一部分だけピックだったりスラップだったりすると「なんでそこだけそれにしたんだろう」ってワクワクするとか。
前に見たライブでは指弾きだった曲が今回はピックだったりすると「前回と今回で奏法を変えたのはなぜ」って探求心をかき立てられるとか。
深みというか、掘り下げどころというか、ベーシストの創意工夫を知りたくなるのが楽しいんですね。

でも勇気を出してご本人に訊いても「え?そんなのしてたっけ?」とか「なんとなく」っていうパターンもありますけどね(照れ)
ご本人の正解は関係なく、自分の中のワクワクが楽しいというか。
もちろん奏者の意図と自分の考察がピタッと合ったら「おぉぉ~私すごい!」となって嬉しいですけど(←すごいのは意図を感じさせたベーシスト側です)

で、これに関してはぜひぜひ知ってほしい記事があるんですよ。
ポングさんっていうジラウド使いのブロガーさんなんですけど、この記事で「奏法の言語化の限界を超える」みたいなチャレンジをなさってるんです。
もうめちゃめちゃ面白い!

私も文章を書く者として、ベースの音を言葉で表現するということには取り組んできましたけど、この発想はなかったです。
面白すぎてジェラシーって感じ。
ちょっとだけ引用させて頂くと…

「指弾き」「2フィンガー」(中略)そんな淡泊な一言で終わらせてよいのか
音が細い人の場合「指先曲げひっかけこすり横弾き」なんて感じの弾き方をしているんじゃないかと想像します。

こんな感じで後半へ向けてどんどん濃くなっていきます。
ぜひぜひ。

というわけで、名前がついている奏法の違いだけでなく、角度とか深さとかそういう違いでも楽しめるので、本当に右手は見どころいっぱいなんですよねぇ~(デレデレ)

右手:指の形状


「ベーシストの手の楽しみ方」っていうテーマ自体たいがいアレなのに、副題が「右手の指の形状」って…
なんかもう…救いようがないほど変態で本当にすみません。
でもベース界隈で変態は褒め言葉なので、これは自画自賛の一種です🙈

さて、実は以前からベーシストの指が好きだということは書いてきたし話してきたんです。
でもね、別にディスってるわけでもマウンティングでもないんですが女性ファンが言いそうな「〇〇さんの指って長くて白くてキレイ💛」という視点ではないんです。

ベーシストの指は人体というより楽器

という視点なんですね(さらり)
ドラムのスティックとか、バイオリンの弓とか、そういうカテゴリです。
だって、ピックの形状ってめちゃめちゃ気になるじゃないですか。
形だけじゃなくて、材質とか厚みとか固さとかも含めた形状。
ということは右手の指の形状って音色や演奏に影響しますよね、きっと。

でも実感としてのデータが少ないというか。
映像だとなかなか指の形状まで分からないので、音との関連はライブで研究するしかないんですよね。
でもライブへ行き始めたのは2018年後半から…。
というわけで、研究途中というか入り口なので特に熱いテーマなんです。

で、以前は「指は太い方が良いに決まってる」と思い込んでたんですけど、ここ数年の実感としてそんなこともないかもと。
それぞれの良さがあるというか、キャラクターが違うというか。

でも、ベーシストの指に興味があるのってわりと普通ですよね?
私が愛読するベースマガジンでも、見開きでベーシストの手の写真が掲載されてましたから(実物大・カラー)
「これにベースキッズは自分の手を乗せて『うわぁデケぇwww』とか喜ぶんだろうなぁ」と微笑ましく思ったり。
5弦特集号の表紙は弦と指だけの写真で「この指はどなただろう…」とすごく気になったり。

あと、かなりディープというかサイコパスみのある話なんですけど。
そして何の話やねんという入り方なんですけど…
相撲の新弟子検査の身長測定のために、頭にシリコン入れたって逸話とか。
ピアニストで弾きたい曲があるのに指の長さが足りないから、付け根を切ったって武勇伝とか。
ありますよね?
そういう…なんていうんでしょう…人としての大切な何かよりプレイヤーとしての思考が勝っちゃうみたいな話が好きなんです。
だから某ベーシストが仰った「全部の指を親指に整形したい(意訳)」みたいなお話が本当に大好きで、ニヤニヤの向こう側みたいな表情になります。

右手:ワクワクするリズム

タイトルを「ワクワクするリズム」としたんですが、それだけじゃないんですよね。
「右手を見たくなるようなリズム」「早いリズム」「ソウルとかファンク系のリズム」「小気味いいリズム」みたいな。

うーん…改めて思うんですけど、文章という手段って「伝える」という意味ですごく…うーん…足りてないんです。
言語や世代によってはそもそも言葉が通じないし、同じ国の同じ世代でも読み手のスキルというか知識によって理解されなかったりしますし。
だけど芸術はすごく「伝える」ことに向いてると思うんです。

でもでも例えば、演奏を引き継ぐとか残す時は、映像や音源だけじゃなく楽譜を使って記録しますよね。
だけど、楽譜は完璧じゃない。
でも、共有するための苦肉の策というか最善というか、なんとかこの音楽の良さを伝えたいと思って譜面にしたり文章で書き残したり。

…という長い言い訳をしておきまして。
リズムの面白さを言葉にするってめちゃめちゃ難しいんです。
でも、右手の見どころとして「リズム」は欠かせないんですよ…!!

で、例えばなんですけど。
「フィフスディメンションのアクエリアスのレッザサンシャインインに変わった後」
と書いて、分かる人は「はいはいはいwww」みたいに共感してもらえると思うんですね。
でも知らない人とか、知っててもベースラインを覚えてない人は「ほー」ぐらいだと思うんですよ。

だから、まぁ聴いてください。

…そうですね、無理せず音源や映像を貼ればいいんですね。
そういう時代ですもんね。
文章と芸術の良いとこ取りをすればいいわけです。

この↑音源でいくと、2:18ぐらいでベースラインがガラッと変わります。
音源だけなので「右手の見どころを想像する」という感じで…。
変わる前も右手は楽しそうなんですけど、変わった後の惹きつけられる感じすごくないですか?
ジョーオズボーンだからピックなんですけど、それでも吸引力のあるリズムだなぁと。

映像でも何かないかなぁと思っていたら、ここ数日でありました。
私が司会をする7月16日のトークイベントに出演者されるベーシストのSNSと映像は全て拝見しようと思っていて、毎日少しずつ追っています。
その中で見た、吉田のりおさんのライブ動画。

2:30ぐらいで曲調がガラッと変わった後ですね。
それより前の部分とは、音数もリズムもぜんぜん違うから分かりやすいと思います~。
なんかこう…右手の覇気が増すというか。

というわけで、リズムがいいと右手が見たくなるという話でした☆

両手:左の意思と右の覇気

これは、私だけじゃないかもしれないんですが。
「ベーシストの手元を見ながらベースラインを追う」ということを何年もやり続けていると、音を消してもなんか伝わるようになってきたんです。

皆さんがベース本体の写真と説明文で「だいたいこういう音だな」って予想できるのに似てるかもしれません。
ちなみに私はこれ↑できないんですよね。
ハムバッカーがどうとかアルダーがどうとか書かれていても、どんな音かピンときません。

でも、音がなくても弾いてる手元だけでなんとなく好みかどうか分かるんですね。
これを分析したら、こうなります。

左手の意思・右手の覇気

つまり、動画だけで左手に意思を右手に覇気を感じると、音がなくても「これはたぶん好みの演奏だな」って思うんですね。
猟銃とかライフルとか長い銃を撃つ時、左手で方向を決めて、右手で引き金を引きますよね。
射撃を見るのが趣味な人なら、それを見ただけで弾道とか予測しそうじゃないですか。
そういうイメージですね(サラッと言う)

どちらにしても私の勝手なイメージなんですが、左手の意思というのは運指へのこだわり…みたいな。
弾きやすさよりも弦の音色でポジションを決めていたり、グリスなら速さとか幅をコントロールしてる感。

右手について「覇気」って書くと激しい曲をイメージするかもしれませんが、バラードでも同じです。
「カッコいい」という意味の英語に「クール」も「ホット」も使うように、どんな曲調でも右手に濃さがあるというか。

そしてこの「左手の意思・右手の覇気」をより感じるのが、アンプ直パッシブなんですねー。
好みが一貫しているというか、全部がつながりますねー。
アクティブだと、左手はともかく右手の覇気が見えづらくてちょっと残念…もったいない…と思ってしまうのです。

でね、ピックにも「覇気」はあるんですよ。
さっき例えた英語の「かっこいい」を使うと、指弾きはホットでピックがクール…みたいな。
指弾きは拳で殴るような、ピックは金属バットで殴るような。
熱の距離感が違うイメージですね。

って普通に楽しく書いてますけど、皆さんポカーンとしてないですか…。
「わかるwww」って感じで聞いてくれてますか…。
目の前で喋れたら反応が見られるんですけど、文字だと分からないからポカーンだったらごめんなさい🙏(にこにこ)

両手:右手と左手の切り替え

ここまでベーシストの左手と右手の見どころを語ってきましたが、そもそも冒頭で書いた「両手を同時に凝視できない」という問題があります。
私たちの目は残念ながらワンセットしかないので、仕方ないですね。

そこで、今まで書いてきたような見どころに合わせて、左手と右手のどっちを凝視するか瞬時に判断するコツ?をお伝えしておきます。
以下は、この記事の冒頭にも書いた私のガイドラインです。

1.基本は右手
奏法の違い、リズム、タッチ…などリズム楽器としてのベースを味わう

2.フレーズが動くところは左手
グリスやスライド、高低差、ポジション…などメロディ楽器としてのベースを楽しむ

でね、これを瞬時に判断するには「経験」しかないんです。
ほんの一例ですけど、ボーカルなどの上物が音を伸ばすと「あっベースライン動きそう」みたいな。
間奏から大サビに行くところで「あっグリス入りそう」みたいな。

カバー曲だったら、元のジャンルとか原曲を弾いてるベーシストのプレイも判断材料になります。
ざっくりした分類ですけど、ソウルとかファンク系なら右手狙い、ポールマッカートニーとか細野晴臣さんみたいにメロディアスなベースラインの曲なら左手狙い…みたいな。

耳で音を聴くだけでなく、目でも手元を楽しむために、脳を使ってベースラインを予測する
という、ものすごく集中力が必要な鑑賞方法です。
集中しすぎてドライアイになったり、呼吸を忘れて見入って息苦しかったり、というのは私の実体験です(照れ)

で、この右手と左手を見る切り替えをできるだけスムーズにするための「神アングル」があります。
参考画像を貼っておきます(ムーンクライムを弾いてる夫です)

ケニー

・ヘッドの外側からブリッジの方向
・フレットが全て見える角度(この写真は少し急角度すぎます)
・左手越しに右手を見る

この角度で見られるライブはそうそう無いと思いますが、座席を選ぶ時にベーシストの真正面より少し右(ヘッド側)にするとか…お役に立てたらなぁと。

というわけで最後ギュッと詰め込みましたが、ベーシストの手元の楽しみ方はこれで完結です。
ものすごく沼の深い部分もあったと思うんですが、難しい話ではなくて楽しい話ですからね~。

地下2会について

これは地下2会で書いたコラムの転載です。
プロベーシスト集団「地下室の会」を応援する「地下2会」というFacebookページを私が会長として作りました(照れ)
会を立ち上げた2020年4月7日から、毎日21時にベース関連のコラムを書いています。

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地下2会の投稿は連載って感じで、このnoteにまとめるのが単行本って感じですね。
早く読みたいなぁと思ってもらえたら、地下2会のトップページ↑で「いいね!」を押すと、投稿がFacebookのタイムラインに表示されます。
よろしくお願いします。

【宣伝1】流しのベース談義というイベントを月1回やります

【宣伝2】ベースの音が聴こえるようになる方法という動画を作っています

記:2021年1月5日(2020年6月に書いた地下2会の投稿から転載)

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