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【レポ】亀田誠治さん&バンアパ原さんの話を聴いてるたなしんさんが「好きなことだけで食べて行ける」と断言した意味
2020年7月31日、池袋駅前にある音楽スクール「JINO's School of Music/ 日野JINO賢二音楽スクール」でオープンキャンパスが行われました。
トークテーマは「2020フリーランスミュージシャンサバイバル術」。
ユーチューバーとしても活動しているプロベーシストのたなしんさんをゲストに迎え、ベースマガジン(リットーミュージック)のプロデューサーである近藤 隆久講師が司会進行する、トークセッションです。
今回のオープンキャンパスの内容はオンライン配信され、アーカイブも残っています。
いつまで公開されるか書かれていないので、皆さんお早めにご視聴を!
▼亀田誠治さん「食うことが音楽の目標じゃないでしょ?」
さて、今回のオープンキャンパスでたなしんさんが話したことを書く前に、紹介したい動画が二つあります。
まずは、亀田誠治さんが出演された「音楽だけで食っていけない場合の考え方」という動画。
「ミュージシャンとして生活することを目標としている20歳」からの質問に答える内容で動画は進み、たなしんさんが「みんな食っていけるかどうか心配なんだと思う」と亀田さんに振ります。
そこで亀田さんがこう答えるんですね。
「食っていけない部分は、好きなパッションがあるんだったらば、音楽を止めない範囲でバイトでもして補っていけば良いと思う」
そして、画面(質問者)に向かってこう問いかけます。
「“食う”ことが音楽の目標じゃないでしょ?」
そこから、亀田さんの結論へ。
「奏でるのが楽しいから音楽やるわけじゃん?
それに食うことが伴ってくると最高なんだけど、そうじゃなくたって、音楽が好きなら、まずは音楽を止めないことが大事。」
▼バンアパ原さん「音楽を職業にする呪いだな」
二つ目は、the band apartの原昌和さんが出演された「音楽を職業にすることの呪い」という動画。
バンド活動休止中のたなしんさんが「これからどうしようかなって思ってます」と言ったのを受けて、原さんがまず「音楽なんていつでもできる」って答えるんですね。
そして、たなしんさんの「やりたくなった時にやればいいですか?」というボヤっとした質問に対して少しぶっきらぼうに「そうだろ」と。
その後(編集でカットされているから私の勝手な想像ですが)たなしんさんは「音楽で生活していくことの不安」を伝えたんじゃないでしょうか。
原さんがこう話します。
「“音楽を職業にする”っていう呪いだな、それは。
クリエイティブなものは、基本的に職業にならないって考えた方がいいよ。
例えば、絵を書くのは楽しいから描いてるわけで、この絵がいくらになるか考えて描いてるわけじゃない。
音楽も本当はそうだよ。
金を儲けるのと音楽で稼ぐってのは、全く別の頭で考えないと。」
この後、音楽を作るアーティストと、それを商業にするレーベルの役割分担の話になります。
そして、原さんがこう言うんですね。
「金儲けのために音楽を始めるっていう…何の仕組みも分からない時に始めちゃうのを斡旋するのは非常に危険なことだと思う。
呪いにかけてるみたいなもんだね。」
これも編集でカットされているから私の勝手な想像ですが、原さんは「無知なミュージシャンに対して音楽だけで食べて行けると励ますのは危険」と警鐘を鳴らしたんじゃないかと。
▼たなしんさん「2020年の今はフリーランスで誰でも生きていける!」
最後にたなしんさんの発言を意訳して載せますが、ニュアンスや流れは、アーカイブを視聴してくださいね。
59分25秒、たなしんさんがこんなことを話し始めたんです。
「俺も困ってましたよ、2月以降どうしようかと。
バンドが休止して、それでお金もらってたんで、もうゼロですよ収入が。
コンビニでバイトしようかぐらい考えていて。」
私は亀田誠治さんや原さんの動画を見てますから、たなしんさんもきっと「音楽だけで生活することに固執しなくて良い」って結論になるんじゃないかと予想しながら聴いていました。
そりゃそうですよ。
亀田誠治さんが「食うことが音楽の目標じゃないでしょ?」と言っているのを、バンアパ原さんが「音楽を職業にする呪いだな」と言っているのを、目の前で聴いてるたなしんさんですから。
で、たなさんさんの結論がこれ(アーカイブの1時間5分40秒から)。
「フリーランスで絶対食っていける!
フリーランスで誰でも生きていけると思ってる!」
えぇぇぇぇ???
そっち?
好きなことで、音楽で、誰でも食べて行けるって励ましちゃうの?!
▼アーカイブにも残っていない現場だけの話
あまりに驚いたので、オープンキャンパスの配信が終わってから質問してみたんです。
フリーランスっていう言葉の捉え方かな?もしかしてバイトをしなきゃいけないことも含めてフリーランスって言ってるのかな?と思って。
「亀田さんや原さんが『音楽だけで食べて行くことにこだわらなくて良い』と言ってる動画も見ました。
たなしんさんの言うフリーランスというのは、バイトとかそういうお金を稼ぐためだけの時間も含めた意味ですよね?」
それに対するたなしんさんの返答がこちら。
「時代もあるけど、俺は2020年の話をしていて、今は絶対できる!
バイトをしなくても絶対できる!
それにみんな気づいてなくない?と思ったから俺は断言した。
断言されたらみんな『えっそうなの?』と思って調べるでしょ?
調べたらできる!」
くり返し書きますけど、あの亀田誠治さんが「食うことが音楽の目標じゃないでしょ?」と言っているのを、バンアパ原さんが「音楽を職業にする呪いだな」と言っているのを、目の前で聴いてるたなしんさんですよ?
そのたなしんさんが「バイトしなくても好きなことだけで生活できる」って断言するのはすごくないですか?
しかも原さんには「始めちゃうのを斡旋するのは非常に危険」とまで言われてるんですよ?
でも、ちゃんと最後まで読んでくださいね。
たなしんさんが断言したのには意味があるんです。
「断言されたら調べる。調べたらできる。」までがワンセットですから。
たなしんさんのマネをすればできるとは言ってないですよ~。
▼私はできない
どんな結論やねん(笑)。
でも、これが今回のオープンキャンパスを受講した私の正直な感想です。
いや、本当はね、もっとポジティブっていうか「たなしんさんの言う通りだと思う!私もできそう!みんなもできる!」って書きたかったんけど。
でもそれは私の立場じゃやれないし、書いたらウソになるから書きたくなかったんです。
私は妻で母で家庭を運営していますから、やっぱり自分が思う必要な収入を得るための「たいしてやりたくない仕事」もやります。
もちろん、やりたいことだけでそれと同じぐらいの収入を得られるようになったらそれがベストですけどね。
じゃぁ今回のたなしんさんの話は響かなかったのかというと、違います。
ものすごく響きました。
どういうことかというと「私は生活(将来含む)に不安がある状態では好きなことを楽しめない」ということに改めて気づいたんです。
だから「私はできない」は「私は好きなことだけで食べて行くという覚悟ができない」ということです。
もう3回目になりますが、また書きます。
亀田誠治さんが「食うことが音楽の目標じゃないでしょ?」と言っているのを、バンアパ原さんが「音楽を職業にする呪いだな」と言っているのを、目の前で聴いたたなしんさんが「バイトしなくても好きなことだけで生活できる」って断言した意味。
それは、こういうことだと思うんです。
生活の不安を突破するだけの勇気と、好きなことだけで食べて行くという覚悟があれば、自分の好きなことだけで生活を成り立たせるだけの収入をどうやって得るか調べて実行するはず。
そういう人ならフリーランスでも生活していける(ネットで調べたり収益化できる2020年現在の話)。
少なくとも私はそう感じましたし、だからこそ私にはできないという結論になったわけです。
たなしんさんは具体的な方法や注意点もきちんと話してくれています。
パッションだけじゃなく計算も、熱量だけでなく客観性も、勢いだけでなくおもてなし精神も、しっかり伝えてくれています。
…いや、アーカイブの内容は書きませんよ?
だって、本当に知りたい人は自分で見るから。
さらに深く知りたいなら、たなしんさんやJINO's School of Music/ 日野JINO賢二音楽スクールに連絡するから。
そういうことだと思うんですよね。
「努力した人が成功するとは限らないが、成功した人は努力してる」みたいな精神論じゃなくて。
もっとシンプルな話で「蒔かぬ種は生えぬ」みたいな。
ググったり、DMしたり、質問したり、プレゼンしたり、交流したり、そういうひとつひとつの行動が結果につながる。
そして、それを続けられるのは「好きであること」が根っこにあるから。
ということだと感じました。
たなしんさん、近藤さん、オーナーの星川さん、受講者の皆さん、とても有意義な時間を、ありがとうございました。
記:2020年8月6日