見出し画像

【レビュー】メイキングオブモータウンの感想・生み出すことと聴き伝えること

2020年10月6日、新宿シネマカリテで映画「メイキング・オブ・モータウン」を観てきました。
ピンポイントですが完全ネタバレしている部分もありますので、まっさらな気持ちで観たい人はここでストップ。
あらすじなどは公式サイトで確認してみてください。

私らしくザッと説明してみるとこんな感じ。
・モータウンという有名なレーベルを築き上げた軌跡が描かれたドキュメンタリー映画。
・歌手と作家陣の才能と、ベリーゴーディのプロデュース能力で、数多のヒット曲を生み出していく手法を本人たちが解説。
・レアな映像とアーティスト本人たちの証言(思い出話)がふんだんに使われている。

実は、観に行くつもりなかったんですよね。
予告編や公式サイトに「伝説作りのノウハウ」とか「最初の10秒が勝負」とか書かれてあったから。
そういうアレなら「ASAYAN」でつんく♂さんがモー娘。を育ててるのをリアルタイムで追ってたし~(私はハロプロ好きです)

実際にメイキングオブモータウンを観た後も、そういうノウハウの部分については想定の範囲内というか。
マイケルジャクソンのオーディション映像とか、スティービーワンダーがステージで曲を作った映像とかも、レアと言えばレアだけど…ぐらい。

念のため、モータウンやオールディーズは大好きです。
出てきた曲はだいたい…というかたぶん全曲?知ってました。
ちなみに、使われていた中でいちばん好きなのはフォートップスの「I Can't Help Myself (Sugar Pie, Honey Bunch)」。

なのにレア映像にあまり感動しないというのは、私にとってモータウンってもう世界史みたいなんですよ。
昭和51年(1976年)生まれなので、もちろんモータウンはリアルタイムじゃないし、ビートルズは中学校の音楽の授業で知りましたし。

じゃぁ感動しなかったかというと、感動したんです。
それは、「マイガール」ができた瞬間のエピソード
(あ、ここからネタバレしますよ)

ベリーゴーディとスモーキーロビンソンが当時を思い出しながら
「こんな曲は売れるわけないと揉めていたら、ジェマーソンが…ドゥ~ドゥドゥッってあのベースラインを弾き始めて…
って話すのに合わせて、マイガールが流れるんですよ~!
鳥肌~~~~!!!

なんていうんですかね、さっきも書いたようにモータウンは私にとって完全に歴史なわけです。
その歴史の1ページに居合わせた人が、2020年現在も生きていて思い出話を語るってすごくないですか?
え?タイムトラベラー?みたいな。
っていうかスモーキーロビンソン本人なわけですから、当たり前っちゃ当たり前なんですけども。

いやぁ…もう頭皮も鳥肌が立って髪の毛が逆立つみたいなゾワッと感がありました。
ここでこんなに驚くのって世代なんでしょうか。
会場には60~70代っぽい人も多かったので、ぜひリアルタイムで聴いていた人がここをどう感じたのか知りたいですね。

ここからは完全にベース好きの余談なんですけど。
せっかくジェマーソンの話をしたのに「そしてあのギターの有名なリフが生まれたんだよ」みたいにまとめてて、そっちか~い!とガクッとなったり。
そういえば、クイーンの映画でもメンバーが喧嘩してる時にジョンディーコンが「地獄へ道づれ」のベースラインを弾き出して仲裁?してたなぁ…と思い出して、やっぱりベーシストはイイなぁと思ったりしました。
はい、余談おわり。

そして、最後にハッとしたのはエンドロール。
こんなところでハッとするのは私だけだと思うんですけど、よくある「〇〇に関わった全ての人に感謝します」みたいなテロップが出てたんですね。
その最後が「聴いてくれたリスナーたちに感謝します」だったんです。
いや、すごくよくある記載なんですけど、この映画だからこそハッとしたというか響いたというか。

当たり前かもしれないけど、聴き続けてくれる人がいたから曲が次の世代にも受け継がれてきたんだなぁと。
もちろん聴き続けられる名曲を生み出したアーティストもプロデューサーもすごいんですけど、それと同じぐらいリスナーの存在が曲を守ってきた。

リスナーが「この曲イイよ」って友達に貸したり、演奏してみたり、SNSで発信したり。
意図していなくても、そういう「伝える」という役割を担っていて。
名曲は、生み出すことと伝えることがセットで生き続けてるんだなぁと。

これからも私なりに、ベースラインを愛して伝えていきたいなぁと改めて思いました(安定の着地)

【宣伝】ベースの音が聴こえるようになる方法という動画を作っています

そんな長い動画(8分)見ていられないよ!って人はTwitter用の30秒動画↓だけでもぜひ!

記:2020年10月16日

いいなと思ったら応援しよう!