保険営業の生産性向上について
保険営業はとても非生産的です。
見込顧客の発見が仕事の9割とも言われており、見込顧客が足りない方が大半です。
1週間、一生懸命に見込顧客を探して、新規アポが数件という世界です。
保険営業で成果の出ている人は、ある意味で”見込顧客の発見に長けている人”とも言えます。
長年、成果を出している人は見込顧客の発見のプロです。
ほとんどの保険プランナーはこれができません。
良い方で優秀であっても業界を去ることになります。
フルコミ系の保険会社は、自社で広告宣伝やマーケティングを行わず、個々の営業にそれを委託するかわりに、青天井の報酬制度を用意しています。
この制度の恩恵があるのは、上位1,2割のプランナーです。
見込顧客の発見ができなくても、それ以外の部分で良い方・優秀な方はいます。
彼らに活躍の場を提供したのが、保険の窓販ビジネスです。
固定給+ボーナスの仕組みで、プランナーは保険ショップでお客さまを待っていれば、会社が広告宣伝やマーケティングを行い、集客をしてくれます。
窓販は平日と休日の来店数に大きな差があり、平日は閑散としていて、1日に数人来訪があるかどうか、土日は来店が多い傾向があります。
平日も社員をシフト配置していますので、全体の効率としては低くなってしまいます。
そのため、窓販でも平日は訪販化しているところもあります。
とはいえ店舗なので、来客があるかもしれないので、スタッフが待機しています。
昔流行った窓販も、いまやコンビニや歯科医院のように増殖して、レッドオーシャン化してしまい、出店ペースは落ちています。
店舗数を絞っていくところもあります。
ブランディングのために、主要エリアにアンテナショップを置き、他は統廃合という動きもあります。
ドコモショップの700店舗閉鎖のニュースがありましたが、保険ショップも同様の動きがあるのではと思います。
保険の場合は無形財ですので、家やクルマのようにモデルルームに行ったり、試乗する必要もありません。
家だって、バーチャル内覧や、クルマもテスラのようにオンライン注文ができるようになっています。
ユーザーは保険ショップに行くのは面倒だし、訪販プランナーと家や近くのカフェで会うのも面倒と思い始めていると考えます。
できればオンラインで効率よく相談したいのです。
Amazonをみてポチるまではいかなくても、オンラインでプランナーにチャットやZoomで相談して決めたいはずです。
わざわざ忙しい平日にリアルで会ったり、土日の貴重な時間に来訪を受けたくないと思っています。
若い世代のお客さまはデジタル接点でないとリーチできない層も増えていると思います。
保険ショップには行かないし、訪販プランナーの来訪も受けないのです。
こういったユーザー層にアプローチできる接点を持てていない保険代理店やプランナーが多いように思います。
すでにオンライン上では保険代理店の陣取り合戦がされています。
広告やコンテンツ、SEO、様々なメディアや企業とのアライアンス。
現状では個社の広告宣伝やマーケティングが主ですが、少し前の自動車査定や引っ越しの一括査定・見積りのように、今後はそれらの会社を集めての一括相談サービスが加速するかもしれません。
「あなたの保険はいまいくら?、大手保険代理店10社から比較」
といったサービスが出てきて、web広告やマーケティングをとりまとめるようになるかもしれません。
ユーザーが保険証券のアップロードないし詳細を入力すると、その会社の提携先10社の大手保険代理店から次々に提案がきて、ユーザーは一番提案が良かった会社に保険をリプレイスするというイメージです。
私は昔、自動車査定のこういったサービスの当時業界最大手の会社のマーケティング部長をしていました。急成長をして上場できました。
ただ、保険は難しいビジネスで、ユーザーはニーズがあまり顕在化していないので、車を売りたい、引越し会社を選びたいというような強い動機がないため、難易度が高いです。
そもそも保険に入りたいという人は少なく、見直しをしたい人も少ないです。保険証券だって、家のどこか奥にしまっていて、パッとは出てきません。ましてや広告をみて、保険証券をポンと入力したり、保険証券を見ずに情報を正確に覚えている人はほぼいません。
でもお金の課題は色々と持っていて、子供の教育費やリタイア後の資産形成で悩んでいたりします。
訪販だけでは厳しい。窓販だけでも厳しい。個社や個人で広告を出しても厳しいとなると、どうすれば良いのか。
それは、お金に関する意識や課題を持っているユーザーを大量に集めているマッチングプラットフォームを活用することです。
金融リテール営業では顧客獲得単価は数万円がかかると言われています。
保険ビジネスの生産性向上の最大のキーは、見込顧客をいかに大量に、効率良く、ローコストで発見し、面談率や成約率を上げていけるかにかかっています。
見込顧客を個社や個人で探すのはあまりに非効率です。
時代は次のフェーズに移行しつつあり、見込顧客はプラットフォームに大量にいますので、見込顧客は自身で発見しなくても良い時代になってきています。
見込顧客を発見せずに済むかわりに、ユーザーには、数多くのプランナーの中から自身を選んでもらうことが重要になってきています。
考えるべきは、見込顧客にどうやって、自社やプランナーを選んでもらえるか、その情報発信やブランディング、プランナー同士のコンペに勝つための競争優位性を持つことです。
プランナーのUSP(ユニークセリングポイント)が大事になってきていると考えます。
これからの時代で成功できる保険プランナーは
プラットフォームをフル活用し
大量の見込顧客に
スピーディーにアプローチをし
情報発信やブランディング、自身の個性や強みを発揮し
セールス ライティングスキルを向上させ
プランナー同士のコンペに勝てる優位性を持ち
面談率、成約率向上のPDCAを回せる
お客さまから高い評価を得て、ご紹介が頂ける
そんな科学的な営業ができる方が成功していくと想定します。
上記を徹底的に行うことで、MDRT、COT、TOTをクリアしていくことができるのではないでしょうか。
訪問ゼロ、会食ゼロ、ストレスも少ない、そんな営業の時代になってきています。
あなたは営業のDX、できていますか?