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日めくりフィン語辞典 : tuulikello = 風鈴

暑い夏。けれどエアコンが苦手。そこで例年通り窓辺に風鈴をかけている。ときおり風が吹いて、「リン」と音を鳴らす。それだけで涼しく感じられるのはどういうことだろう。けして暑さに強いわけではないけれど。暑さは気からとでもいうのだろうか?

それなら音楽にも同じような効果があるはず。フィンランドの音楽だったら涼しく(あるいは寒く)感じられるのだろうか。きっとそんな気がする。フィンランド音楽の世界への窓口といえば、ピアニストの舘野泉さん。ウェブサイトで評伝のブックレビューを公開しているので、ぜひご覧ください。

とはいえ今年の夏の暑さはかなり堪えた。どこかのタイミングで「モルック」(先日、函館で世界大会も行われたフィンランド発祥のスポーツ)をしたいと思っていたけれど涼しくなるまで延期することにした。その代わりといってはなんだけれど、なんとモルックの映画が9月14日から公開されることを知った。

さて、そろそろ今回のフィンランド語学習をはじめよう。

フィン語の正字法が既に極めてフォネチックである以上、書かれてある通り読めばいいのであつて音標文字をつける必要もない位である。

アルファベットの次は、発音。フィンランド語は知らない単語でもある程度ローマ字読みで読むことができる。しかもアクセントが常に第一音節にあるのでわかりやすい。

だが、地名や国名について、以前から気になっていたことがあった。

・ストックホルム = Tukholma(とぅくほるま;×s)
・フランス = Ranska(らんすか;×f)
・デンマーク = Tanska(たんすか;d → t)

あれ? なにか足りない・・・・。すると、こんな説明があった。

本来のフィン語では二つの子音が第一音節の頭、語頭にくることはない。
また本来のフィン語では b, d, g の有声音が語頭にくることがない。

足りないと思っていた単語は古い借用語(上の例ではいずれもスウェーデン語由来)であり、フィンランド語化する時に省略、無声音化(p, t, kに変換)されていたのである。

また「リン」と風鈴が鳴る。まだ夏は終わっていないよとでもいうように。「チリン」ではなく「リン」と。フィンランド語は、ガラスの風鈴のような澄んだ音がする。

tuulikello = 風鈴

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