就活の「ゴール」について考えたい

就活は私達23年卒の頃よりもかなり早期化していると聞きます。
我々の頃はクリスマスまでに内定が出たらまあまあ早いと思っていたのに、
今年はどうやら早い人だとハロウィンの頃には内定が出て、クリスマスに終活!なんていう人もTwitterの情報や後輩の話でちらほら見たり聞いたりします。

ところで就活のゴールについて考えます。
就活の一旦のゴールは「内定承諾」だととらえることが一般的でしょう。
それでは、満足して内定承諾を得られるというのはどういうことでしょうか。

まず、就活の実際から考えてみましょう。
就活で、まずは内定承諾の前に内定=選考を勝ち抜くことが必要になってきます。そして内定について、「優秀な人」が複数内定をつかみ取り、その中で選んでいくというイメージも持つと思います。ここで優秀な人を定義すると文章が長くなってしまいますので書きませんが、皆さんが思っている「外見的に優秀な人」で大体あってます。まず前提として、これは本当です。
学生が優秀で稼げる魅力的な会社を選びたがるように、企業もそうします。

では一方で、「優秀な人」は必ず満足な形で就活を終えられるか。これに対してそうとは言い切れない気がします。先ほどそういった人は複数内定を持つケースがあると云いましたが、その中に彼らが本当に行きたかった企業があるかどうかはわからないからです。

では、行きたかった可能性のある企業に行かなかった・ないしは行けなかった場合その理由は何なのかを考えてみます。

まず最も考えられる理由は「その企業には不合格となってしまったから」です。単純にその人と企業がミスマッチを起こしていたことが考えられます。
次に考えられる理由は「その企業以外に内定が出て、何らかの理由で選考をあきらめたから」です。何らかというほとんどは単純に就活が嫌になった、ほかのことをやりたいなどがあるでしょう。

以上の理由から、就活が優秀な人が必ずしも納得して内定承諾を取っているかどうかはわからない、という主張を理解いただけると嬉しいです。

少し話がそれそうなので、いったん話を「内定承諾」という観点に戻します。
先ほどまで、①就活の早期化が進んでいること、②「優秀な人」でも納得感のある就活が必ずできてるかは分からないという話をしました。
そこで一つの問いを立ててみます。就活のゴールは何なのでしょうか。

近年(というよりもずっと前かららしいです、すごいね)では就活は早期化しているとずっと言われ続けています。一方で早期退職もずいぶん問題になっているようです。

確かに就活の良いロールモデルとして、「就活を早期から始め、対策を講じたうえで早期内定で複数社を持ち、その駒の中から選ぶ」というものがあります。
大学4年生、つまり最終学年には卒業研究があります。さらに学生としての活動は多くの人はこの1年間が最後です。思いっきり遊ぶ時間や何かをやり遂げるための十分な時間を早期内定で確保できます。
さらに早期内定を出している企業は、優良で、有名で、今後の成長性の高いものが多いです。そういう意味で「優秀な会社に受かり、有意義な学生生活を送った~さん」というレッテルが付与されます。
これはコミュニティの中のアイデンティティ形成という側面で、一時的に大いに役立つでしょう。

一方で大学生という期間だけでなく、人生という長い期間で考えるとどうでしょうか。一般に最初に入社した会社で、今後のキャリアプランが大まかに決まっていくと云います。もちろん、最初に入った会社で自分が思うようにできればそれは大変すばらしいです。ただ、反対に自分が思うようにできないとなってしまった場合はなかなか修正は大変なようです。
第二新卒という転職がありますが、今現在ではまだまだ厳しい市場のようです。

ここまで読むと、就活のゴール=就活に時間をかけて一社を決めることだという主張に聞こえるかもしれませんが、そうではないです。
それよりも。就活のゴールは人によって異なるという主張をしたいのです。
よく「内定ブルー」という言葉を聞きます。つまり本当にこの会社に決めてよかったのかという感情が就活を終えた後に沸くと言われるようです。
これは就活を「勝ち抜く」ことのみを考え続け、自分が「本当に何を望むのか」をうやむやにしながら意思決定をしてしまった場合に起こるケースが多い気がします。

そういう筆者はこれをやり切れたかということについては正直わかりません。もちろん社会的地位もいらないわけではないし、できるだけ安泰な暮らしをしたい気持ちもあります。
実際に選考を受けるときはその気持ちが少しうやむやになり「優秀な自分」を見せなければと躍起になっていた時もありましたが、ある程度時期が過ぎたときにそれは無駄なことだと気付き、入社先を選ぶときには自分の本心に直接聞くようにしていました。

昨今、Twitter就活やSNS就活なんていう言葉があります。GD練習やOBの方と気軽につながれて、情報を得やすくなっているという意味では非常にいいことだと思います。一方で情報過多になってしまい何を自分のものとすればいいかわからなくなるようです。自分自身がどんな人間で、どんな基準でこの就職活動を乗り切ればいいかがわからなくなることがあります。

自分の目指すものは何なのか。ある会社に入社することなのか。もっと先の起業などを見据えているのか。人によってさまざまだとは思いますが何かしらの軸を持っていたいですね。


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