オーストラリア旅37日目前編(4/9)
目を覚ますと、暗い機内の中。
飛行機に乗ってからどれくらい時間が経ったのだろう。
腰やお尻が痛むし、熟睡できない。
昨日は共にオーストラリアを旅した仲間と別れて、ひとりでメルボルンからシドニーに飛び、いま羽田空港行きの飛行機にいる。
コロナパンデミックにより緊急帰国を余儀なくされ、泣く泣く購入した約10万円の帰りの便だ。コロナにより欠航やキャンセルが相次ぎ、普通なら25,000円で買えるチケットが4倍もした。
「森林火災の絵を描く」という目的も充分に達成できないまま初めての海外ひとり旅がこんな形で終わり、金銭的、精神的な負担もあり酷く落ち込んでいた。
(↑唯一描けた森林火災の絵(メルボルン近郊))
でもさすがはANAの飛行機だ。
機内食やサービスは豪華だし、新作の映画は見放題。
「アナと雪の女王2」「パラサイト」など見たかった映画を夢中で見た。
オーストラリア政府の対応は日本と大違いで、感染拡大を防ぐ制度やルールを設けて早めに効果的な対応を進めていた。
そんな日本に数時間後到着するのは、色んな意味で嫌だった。
でもこんなご時世だから仕方がない。
色んな複雑な想いを持ちながら、「ジョーカー」を見て着陸を待っていた。
自分の過去や現実に苛まれ、どんどん狂っていくジョーカー。ここからどんなクライマックスを迎えるのだろうか。
(Google画像から引用)
そんなとき着陸のアナウンスが入る。
タイミングが悪いが、仕方なく降りる準備を始める。
ゴーーーと音を立てて降下し、ドシンッと大きく揺れながらいよいよ羽田空港に到着したようだ。
「日本に帰ってきたんだ。。」
安心感と喪失感を感じながら機内スタッフの指示を待つ。
しかしなかなかアナウンスがかからない。
やっとでかかったと思ったら、「もうしばらくお待ちください」という指示。
どうやらコロナ感染拡大を避けるために、平常時より時間がかかっているらしい。
いつまで待たされるか分からないが、また続きからジョーカーを見始めた。
完全に狂ってしまったジョーカー。結局意味が分からないまま終わってしまった。
最初のアナウンスから1時間以上経ってようやく降りる準備が整ったようだ。
蜜を避けるために、時間をかけて前の列から順番に降ろされる。
随分と待ちくたびれたところで、ようやく自分の番がやってきた。
今度こそ荷物をまとめて席を立つ。
蜜を避けるために前と後ろで距離を開けるよう指示される。まったく大変な時期に帰国してしまったものだ。
これから先どうなるか分からない不安を抱えながら約1ヶ月ぶりの日本の地を踏みしめた。
中編に続く、、https://note.com/toirosan/n/nf9b21fa0468c