創作系オタクのIDOLY体験レポート
注意
※ こちらは2024/5月上旬の記事です。各システムに変更が入る可能性もあるため、来店の際はかならず公式アカウントで最新の情報をご確認ください
カフェはカフェでもコンセプトカフェ
遡ること一年前。『ロロナのアトリエ』をはじめとするアーランドシリーズのアトリエ作品、『BLUE REFLECTION』、アニメ『花咲くいろは』など繊細で可憐な美少女たちのデザインで知られるイラストレーター、岸田メル先生プロデュースのカフェがオープンしたことを知りました。自分はかねてよりメル先生が描かれるイラストのファンだったため当然お店にも興味はあったのですが、コンセプトカフェという未知のジャンルに気後れしました。
ざっと情報を見る限り、女オタク御用達のコラボカフェとは大分趣が違う。どちらかといえばキャバクラやガールズバーに近い形態だと認識したのですが、その根拠も龍が如くという体たらく。私が桐生一馬や八神隆之のようなオーラやコミュ力を備えていたならば前情報ゼロで果敢に飛び込めたのですが……
取材記事やレポートを読んだ時点で「自分はIDOLYの客ではない」と判断してしまいました。今思えば女性声優のライブをはしごしていた時点でかなり適性があるほうなのですが、当時は敷居の高さを強く感じてしまい、来店を見送りました。
──そんな自分が一年後に改めて来店を決意した理由も、やっぱりメル先生でした。Skeb依頼で先生が描いてくださった創作キャラのイラストが本当に素敵で、機会があるならば一度直接感謝をお伝えしたかったのです。
でもIDOLYはあくまでコンカフェ。メル先生ではなく先生がプロデュースした女の子たちが主役です。メル先生がお目当てだったとしても郷に入っては郷に従え、まずは一度お店に行ってみることにしました。それで肌に合わなかったら諦めもつくだろうと。
IDOLY(コンカフェ)のシステムを学ぶ
IDOLYに事前予約のシステムはないので、直接飛び込んでみるしかありません。お酒のメニューが豊富なお店だし、夜より日中のほうが落ち着いていそうだなーと予想して、ほぼ開店凸の12時過ぎに訪問しました。
若干入店に気後れする薄暗い階段を昇ると、そこにはうってかわって華やかな光景が。客が挙動不審な女ひとりでも、キャストの女の子は明るい笑顔で朗らかに迎え入れてくれます。やさしい世界!
料金システム
さて、肝心のお店システム。資料として渡されるのはX(旧Twitter)に載っている4枚の画像がすべてで、あとはフードメニューの紙がプラス1枚入っていたくらい。コンカフェ知識ゼロ人間にはちょっと理解が難しかった部分について、まったり営業(=お客さんが少ない状況)だったのを良いことに根掘り葉掘り質問させてもらいました。
まず、コンカフェはお店に滞在すること自体にお金が発生します。カラオケやネットカフェと同じシステム。それに加えて30分ごとに1オーダーの注文ノルマがあります。ここがちょっと慣れない部分かも。
IDOLYは入店した時点で1時間分のチャージ+2オーダーのノルマが発生するので、安価に抑えるなら1時間以内で会計して退店する必要があります。入店時間をレシートに書いてくれるので自分でタイムキープしましょう。
アミューズメント
ざっくりまとめると『キャストの女の子を撮影できる権利』です。お手紙だけちょっとイレギュラーなんですけど、ひとつずつ書いていきます。
◆チェキ
撮影直後に名刺サイズの写真が出てくる富士フィルムのカメラ。ひと世代昔の人間はポラロイド写真と呼んでいたアレです。で、その場で撮影を行ったチェキが貰えます。料金はキャスト1名あたりの価格なので、自分が一緒に入ったツーショでも、キャストおひとりの写真でも同じ1000円です。1枚のチェキにキャスト2人をおさめる場合は2名分の料金(2000円)が発生するので、お間違えのないように。
◆お絵描きチェキ
撮影までは通常チェキとまったく同じ。+500円で、キャストが撮影したチェキに描きこみを入れてくれます。所要時間およそ10分くらい。ポスカで華やかなフレームが描かれていく様子は眺めているだけでもかなり楽しいです。お絵描き中はキャストがずっと自分の席にいるので、1対1で確実にお話できる時間を貰える権利と考えてもよいかもしれません。
◆写真撮影/動画撮影
こちらは自分のスマホでキャストを撮影できます。自分(客)が居てもいなくても料金は同じ、キャストが複数入るならその人数分料金が発生、のルールはチェキとおなじ。撮影した写真/動画はSNSへアップOKなので、チェキ現物不要/高解像度のデータが欲しい場合はこちらがよいかも。
◆Tiktok
Tiktokと縁のない人生を送っているため説明できることが殆どないのですが、ルールは上述の『動画撮影』と大体同じだと思います。
◆お手紙
キャストにお手紙を書いてもらえる……のではなく、自分が持参したお手紙(ボイス台本)をキャストに読んでもらえる権利だそうです。具体的な秒数は失念してしまったのですが、1オーダーで読んでもらえる時間は決まっているのであまり長文をしたためても読み切れないとのこと。追加オーダーを重ねれば全部読んでもらうことも可能ですが、良識の範囲内で。
『おはなしする権利』を買う
入店すると、キャストのだれかがシステム説明と最初のオーダーを取るところまで対応してくれます。初回入店時はメンバーズカードの作成も。以降キャストの女の子全員にその名前で呼ばれることになるので、あらかじめ決めておくとよいです。
問題はそのあと。お客さんが少ないときはキャストが各席を回って誰かしらお話してくださる状態ですが、お店が賑わってくるとそうもいかなくなってきます。「他のお客さんの接客をしているキャストに話しかけるのはタブーっぽい?」「 注文はどのタイミングですればよい?」「混雑時にフードを頼むのは迷惑?」などなど、難易度の高い空気読みタイムが発生しがちです。このあたりの対応は既にコンカフェ界隈で定石がありそうなのですが、あくまで自分と同じ『コンカフェ未経験でキャストのこともまだわからない』人に向けて、自分はこの形が過ごしやすかったよという例を載せておきます。
スペシャルドリンクを注文する
IDOLYのキャストはみんな可愛らしくて素敵なので、推しがいないうちは最初に案内してくれたキャストを捕まえてしまえばよいのです。自分のオススメは初手でスペシャルドリンクを注文すること。
通常のドリンクより割高ですが『あなたの前で』と書いてある通り、お湯を沸かすところからプランに含まれているので混雑時でもある程度付きっきりでお話できます。その流れでアミューズメントの注文もできるとスムーズです。サービス料だけでなく、紅茶は専門店並に種類が多いし、コーヒーは豆から挽いてくれるので味のほうもちゃんとスペシャルです。
お絵描きチェキを頼む
システム説明の項目でも触れた通り、キャストがポスカでチェキに描きこみをしてくれている間は安心してお話ができます。なんなら無理にお話しなくても大丈夫です。一所懸命絵を描くキャストを眺めているだけで充分楽しいので……。お絵描きチェキはキャストごとに個性が出やすいのでそういう意味でもオススメです。さながらトレカ集め。
注文が迷惑ってことは(たぶん)ない
店が賑わってくるとつい地蔵になりがちですが、何もオーダーせずただ座っているだけの客より、注文を入れる客のほうが良客なのは間違いないので、通りがかりのキャストに声を掛けてしまって大丈夫です。対応が難しい場合はそう言ってくれると思うので、客側は遠慮せずいきましょう。その代わり、注文後の待ち時間は大人しくおりこうさんに待ちたいですね。
結果:想像よりだいぶ楽しかった
まだたった3回来店しただけの超初心者がこんな長文を書き連ねている時点でお察しですが、はじめてのコンカフェ体験は想像していたよりだいぶ楽しかったです。ほかのお店には行ったことがないけれど、IDOLYのシステムはコンカフェ界隈の中ではちょっと異端のようで、だからこそ楽しめたのかもしれない。飲み物もレーズンバターも美味しいから飽きないし。
何より、右も左もわからない初来店時に手厚く接客していただけたのがすごく大きかったです。初来店はまったり営業時をオススメしておきます。
メル先生がいるIDOLY
メル先生がお店に来るのは数か月に一度くらいなのかな……と勝手に想像していたのですが、Xを見る限り一か月に数度はいらしている気がします。キャストの面談もすべてメル先生が担当されているそうで、本当にガチでプロデュースをしていらっしゃるし、なんなら普通に接客もしている……
というのも、はじめてのIDOLY体験から数日経たずにメル先生来店チャンスが訪れたので、当初数か月スパンで考えていた野望がわずか数日で達成できてしまったのでした。
私は先に普段のIDOLYを知ってからメル先生にお会いしようと決めて、結果としてそれで良かったと感じていますが、『メル先生がお店にいるIDOLY』は(良い意味で)それほど特別なものではないのかもしれません。本当にしっかり先生のこだわりが込められたお店なんだなあと実感できて、一層好きになりました。
1周年おめでとうございます
これを書いている2024年のGWは、ちょうどIDOLY1周年のお祝い週でした。お店を知ってまだ1ヵ月も経っていない新参者ですが、これから先もこの素敵なお店が続いてゆくよう、いちファンとして応援しています。