本屋さんならではの「嬉しい出会い」の話を聞いてほしい
先日、最寄りの本屋さんに出かけた時のことです。
その本屋さんは毎週末に寄るぐらい愛用しているので、どのあたりの棚にどんなジャンルの本を置いてあるのか、だいたい把握しています。
ただ、その前情報のおかげで「よく眺める棚」と「全く近寄らないジャンルの棚」が極端に分かれているのも、正直なところです。
先日行った時はNHK出版の本を探していたので、雑誌の棚の近くを通りました。
その時、雑誌『BRUTUS』の最新号とバックナンバーが、合計6号分ぐらい平積みされていたのが視界に入って、思わず足を止めたわけです。
年末恒例の「本」特集号は読了済み。
名作映画に関する特集や、温泉×食という提案にも惹かれたものの。
ひときわ目を引いたのが、「写真」を取り上げた一冊でした。
手にとってパラ見するだけで、ただただ美しいものから思わず二度見せずにはいられない強烈なものまで、印象的な写真がたくさん並んでいます。
これはおうちでじっくり読みたい。
探してたNHK出版の本も置いてなかったことだし、買って帰ろう。
そう思った直後に、ふと。
雑誌よりも写真に関する本が読みたいかも。
と考えて、普段は行かない芸術系ジャンルのエリアへ向かいました。
率直に言えば、写真関連の棚はそんなに大きくないお店です。
ざっと全体を見てもピンとくる一冊を見つけられず。やっぱりさっきのBRUTUSを買おう、そう思って振り向いた時でした。
写真の棚の真向かいにある、デザインに関する棚。
そこに置いてあった本の背表紙が、不意に視界に入ったんです。
プロダクトデザイナーの秋田道夫さんの『自分に語りかける時も敬語で』という一冊でした。
初めて知った本です。
グレーとレモンイエローの配色がきれい。
中身をパラパラめくってみると、どうも箴言集のような一冊らしい。
発行元の「夜間飛行」という出版社名にも、心惹かれるものがありました。
なんだか背筋が伸びそうな一冊かも。
ということで、こちらの本を買って読んでみることにしました。
こういう出会い方って、オンライン書店の検索では決してたどりつけない、リアル書店ならではですよね。
興味の外側どころか、意識の外側と呼んでも過言ではない範囲にあった一冊。
それを「偶然視界に入った」という理由で知る機会を得たこと、素直に嬉しく思います。
一週間を乗り切る活力にしたく、今日から読み始めました。
読み終わったら今度は、写真特集のBRUTUSを買いにまたあの本屋さんに行こうと思ってます。
今日も良い日になりますように。