カタシロ、心が飛ぶぞ
世界の隅っこでぼくと握手!
月拠といろです。
※こちらの記事にはディズムさん作TRPGシナリオ「カタシロ」のネタバレ、名越先生、shu3さん、蘭たんさん、ハッチさんのセッションのネタバレを含む可能性があります。
こちらのシナリオは非常にネタバレに弱いシナリオです。
内容をまだ知らない方、これからセッション予定がある方は内容を見ないでください。
カタシロ、誰がやってもエモくて且つプレイヤーの中身が見えるグロさがあるの沼だ…!
TRPGセッションを視聴するのは割と好きな方なのですがカタシロだけは何故か見たことなかったのと、自分で遊ぶ機会もないだろうなと思って心理学系の先生である名越先生のアーカイブを見ました。
プレイヤーは記憶を無くし病院で目を覚ます。
そこに居た医者曰く「3日間君を対話を通して治療しよう。3日後には必ず家へ帰すよ。」と。
自分は一体誰だったのか、医者と名乗るものは信じていいのか…?
というのがざっくりとしたシナリオの流れ。
流石名越先生、思考実験の類に詳しくGMさんから解説を譲られるような場面やその時代の背景まで含めた情報も紹介したりしていて聴いていて楽しかったです。
ただ聴いてるうちに思ったんですが、これPC(プレイヤーが操作するキャラ)を通して遊んでる人の中身を引きずり出しているようなそんな感覚を覚えました。
先生はセッション中「僕は人に順位をつけるのが嫌いだった気がする」「僕の本能的な内側は〇〇しろって言ってる気がする」みたいな、
〜な気がするって発言をしていたと記憶してるんですがそれってプレイキャラではなく先生本人の気持ちなんじゃないかなって。
また蘭たんの「自分を見て欲しかった」とかshu3のどこか引いてフラットに物事を見ていたり、ハッチの言葉の重みをすごく大事にしているところとか。
元々がプレイヤーに近いキャラで、という指定があったみたいですが
それはもうPCじゃなくてその人自身としてNPC達と触れ合っているんじゃないかなと。
それが僕にすごい刺さったんです。なんでかわからないけど。
もしかしたら僕はそういう内面を深く知るっていう行為に神聖なものを感じていて、だからこういうのがグロい!って思ったのかも。
でもそれ故に気持ちの嘘がなくて、ラストのエモに繋がるんですよねきっと。
思いっきりネタバレになるんですがこのシナリオのゴールって多分大まかに2つで、息子娘ちゃんに自分の体を渡すか、渡さずに帰るか。
でもそこに至るまでにその人となり、感じ方、それがいっぱいあるの最高に人って感じですよね。そこに個性が強く出るような。
多分このシナリオは普段見えない内面に強く触れるものなんじゃないかなって僕は思ってて、だからこそ長く見ていた蘭たんをはじめとしたナポリの方々のセッションに強く反応してしまいました。
僕はセッションアーカイブを見る時、こういう選択肢を取るだろうなと想像するんですが想像から大きく外れたような場面もあって
認識のすり合わせをしているようなそんな気分になりました。
あー僕はこの人のことこう思い込んでたんだなって自分に突きつけられる感じ。
すごいグロいです。気持ち悪くなる。
でもこれは出会えてよかった気持ち悪さです。だってそれに気づけない方がもっと認識が歪んでいくような気がするので。
だからこのシナリオ、仲の良い友達同士とかもっとこの人のこと知りたいなっていう時にセッションみたりお互いに遊んでみたら良いんじゃないかなって僕は思いました。
すごい浅い感想かもですが。
すごい長くなりましたが最後に各思考実験への僕の答えと考えを書いておこうかなと思います。
これを読んでるあなたが持っている僕への認識、どのくらいズレているのか考えて読んでみると面白いかもしれないですね。
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●1日目→囚人のジレンマ
・黙秘する
共犯ということは何かしら同じ目標を持って犯罪を行なったと思うから仲間を捨てたくはない。仲間であるなら相手も黙秘をしてくれると思うから。
どうしようもない理由があったとしても罪を犯したならそれは償うべきだとは思う。でも刑期が長くなるのはちょっと嫌。でも仲間を売るのはもっと嫌。
たまたま居合わせただけの間で、普通に自分たちが悪いのであれば自白すると思う。
●2日目→テセウスの船
・乗り手と周囲の認識が合っているならそれはテセウスの船と言える。
船自身に意識があるかはわからないから僕は乗り手、キャプテンの意識を船の心臓部として考える。自分自身が「テセウスの船だ!」と認識していて且つ周りの人間も「あれはテセウスの船だ!」と認識していたら例えそれがボートだったとしても本物になるんじゃないかな。
だから条件によってテセウスの船は複数にもなれる。
内側と外側、両方の認識が合っていればそれは本物だと思う。
●3日目→臓器くじ
・くじの存在を許せる
KPさんによってこの条件があったり無かったりしていたのですが「臓器移植は人を殺すことのみでしか成立できない」という条件があるのであればくじは許せると思う。
くじの存在がなくて自分の友人や大事な人の臓器移植をするために人を殺してこいって言われた時、僕はそれをきっと拒否できないし同じような人はたくさんいると思う。
だったらくじ制にした方が殺人事件に遭う可能性は下がるよね、という考え。
大切な人がくじに選ばれてしまった時代わりになれるように健康に気をつけるように自分がやれば良いだけだし…
●ラスト
・体を渡す
先生の技術力があれば自分と同じAIとかを作るのってできるだろうし、それが入る僕そっくりのロボットを作ることも可能なはず。
テセウスの船での考えをわかってくれる人ならわかると思う。今の僕が入ってる体の耐用年数は確定3年程度らしいけど、僕の考えを持つAIと僕にそっくりなロボットが作れるなら僕はほぼ永遠になれる。
今の僕とAIの僕の命は繋がってないけど記憶が同じだから僕としての意識は同じ存在として繋がっていくと思う。あとは周りのみんながAIの僕をどう感じるか次第かな。
だから3年の命でもいいよ、それで友達が救えるなら。
おわり。