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エアラインパイロットに必要な免許の種類✈️
こんにCHICKEN☆ といぷー🐶です!
本日は、カナダでエアラインパイロットになりたいと考えている方向けの記事です。”フライトスクールのウェブサイトを見てるけど情報が多すぎて結局自分はどの免許を取る必要があるのか分からない”という渡航前の自分の混乱を思い出したので、もし同じ様な方がいれば多少の手助けになるのではないかなと思います。
将来的にB777やB737、A320などカナダで旅客機のパイロットになりたいと考えている方はフライトスクールに通い先ずは下記の4つのLicense&Ratingを取得する必要があります。その後、就活を経てエアラインに採用されてからは自分に割り当てられる機種のType Rating(特定の航空機を操縦できることを証明する資格)を取得する流れが一般的かと思います。
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*主にフライトスクールの学生期間中の話にフォーカスしているのでその後必要となるIATRA(型式証明)やATPL(定期運送用操縦士免許)などは割愛します。また情報に誤りがある場合はコメントにてサポート頂けると大変助かります。
(1) PPL(Private Pilot License:自家用操縦士免許)
(2) CPL(Commercial Pilot License:事業用操縦士免許)
(3) Multi Engine Rating(多発飛行証明)
(4) Multi-IFR
(Multi Engine Instrument Flying Rating/ Group 1:多発計器飛行証明)
*厳密には(1)PPL取得前にSoloフライトで必要なSPP(Student Pilot Permit:学生パイロット許可証=仮免的なもの)を取得しますが、これはAchievementって感じがせず普通に申請したら取れるので次回書きます。
さて、早速最初から見ていきましょう。
(1)PPL(Private Pilot License:自家用操縦士免許)
車で例えると、普通自動車運転免許です。皆さん日本国内なら好き勝手に友達を車に乗せてドライブに行くかと思いますが同じ事です。この免許があればVFR(Visual Flight Rule:有視界飛行)と言うルールの元でカナダ国内なら友達と好き勝手に飛行機を飛ばせる訳です。でも人を乗せてお金を取ってしまうと白タクと同じで違法になります。職業としてのパイロットでお金を稼ぎたい場合はどうしたらいいのでしょう。
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(2)CPL(Commercial Pilot License:事業用操縦士免許)
そうです、お金が稼ぎたいならタクシーを運転出来る普通二種免許が必要になります。そしてそれに相当するのがこの免許です。人や物をお金を頂いて運ぶ責任が伴いますので普通自動車免許よりも高度な知識と経験が要求されます。いきなりタクシー免許を取れない様に、PPLを取得して初めてCPLの訓練に進める訳です。
これも多少のInstrument訓練(Hoodと言うサンバイザーみたいなものを被って外を見えなくし、コックピット内の計器の情報を頼りに飛ぶ方法)はありますが、まだVFR(有視界飛行)という基本外を見て飛ぶルールの元で行います。ここで、必要条件も揃って無事にCPLを取得したとします。
そうすると、事業用の免許をゲットしたので早速パイロットとして働きたいと思いそうですが、まだType Ratingを必要としないレベルの単発機しか飛べない上、天気が悪い・視界が悪い等の理由で飛べないという事が起こります。当然視界がゼロになる雲の中には入れませんが、大陸や都市間を移動する中で雲を突っ切らないで完結する事もそうそうないでしょう。つまりはCPLまで取得した”だけ”ではパイロットとして働く事はほぼ不可能な訳です。じゃあ、どうしたらいいの? の答えは(4)になりますがその前に(3)にも寄って行ってみて下さい。
*因みにPPLとCPLの免許はエンジンが1つしかないSingle Engine Aircraft(単発機)で取得します。CPLの訓練にはNight Rating(夜間飛行証明)が含まれますので一般的にはCPL免許取得=Night Rating取得となります。
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(3)Multi Engine Rating(多発飛行証明)
ここで、じゃあいつになったらエンジンが2つ以上の旅客機を操縦出来る様になるの? と言う疑問も同時に湧くと思います。そう、まさにこのRatingこそが多発機を操縦する為に求められる証明なのです。自家用車やタクシーを運転出来る免許があっても大型のバスやトラックはまた別物なのと同じです。
因みにLicenseとRatingって何が違うかと言うと、Licenseが飛ぶ権利を与えてくれる免許で、RatingはそのLicenseに更に追加で特権を付与してくれる証明みたいなもので(他にもSeaplane Rating, Instructor Ratingなど沢山あります)、普通自動車免許・普通二種免許を持ってて大型一種・二種免許を持つことで、”基本車を運転出来る(License)+大きい車も運転していい(Rating)”的な感覚なのと似てる気がします。
*順番的にMultiはPPLの後に取得することも可能です。各人の金銭状況とゴールによってトレーニング内容が前後する可能性があります。
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(引用元:PROIFRのWebsite)
(4)Multi-IFR
(Multi Engine Instrument Flying Rating/ Group 1:多発計器飛行証明)
そうだ、ここまででMulti Engine Aircraft(多発機)を飛べる様になったけどまだ雲の中飛べなかったですよね…。そこで必要なのがこのIFRというRatingです。ざっくり言うとコックピット内の計器をひたすら監視して適宜必要な措置をとる事で雲の中でも安全に目的地まで飛べる技能があるという内容の証明になります。ここまで終わるとフライトスクールでのトレーニングもお終いです。バンクーバー近郊だと難しいかもしれませんが、カナダ北部や東部ではMulti-IFRまで取得したらちらほら貨物機などの仕事にありつける可能性が出てきます。
訓練の流れとしては先にVFRルールの元でMulti Engine Ratingのフライトテストに受かり免許を取得し、そのままMulti機でIFRの訓練を行います。それ故、Multi-IFRは2つの違うRatingですが1つのセットみたいな考え方をする場合もあります。
*IFRにも4つ種類がありますが、旅客機のパイロットであればGroup 1が必要になりますので難しく考えずGroup 1=Multi-IFRで訓練費用の見積もりをしてみて下さい。
Group 1: Multi-Engine
Group 2: Center line thrust
Group 3: Single engine
Group 4: Helicopter.
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(引用元:PROIFRのWebsite)
ここまでざっくり説明してきましたが、基本は(1)(2)(3)(4)の順で訓練をしていきます。インストラクターになりたい人はInstructor Ratingの訓練も必要ですが、これはマストではありません。僕の場合は総合的にメリットが大きいと判断したのでインストラクターの道に進む事にしました。なお、僕の例だとPPL⇨CPL⇨Instructor Rating(⇦イマココ! 先にインストラクターとして働き、フライト時間とMulti-IFR訓練費用を少しでも稼ぐ予定)⇨インストラクターをしながらMulti-IFR取得を目指す流れで動いています。
次回について
今回でどのような免許を取る必要があるか理解して頂けたら嬉しいです。無駄を省いた分かりやすさを意識したあまり、僕にしては珍しく真面目な回になってしまったのが悔しいですが、次回はPPLのトレーニング内容、フロー、費用、期間、事前準備などがイメージ出来る記事を学生兼フライトスクール職員の視点から見ていきたいと思います。フライトスクールが提示している見積もりの考え方を良く理解しないと実際に掛かる費用とのギャップに苦しむ可能性もあるのでその辺も解説していきたいと思います。
僕のフライトに関するnoteでは、基本的にこれからカナダでパイロットになりたいと考えていて情報収集を行なっている方、またその親御さんにも子供の挑戦がどういったものなのかイメージしやすい様な記事を発信していけたらと思っています。やはり1,000万円近い大きなお金を自分だけで用意するのは難しいですし、仮に親御さんがスポンサーとなって多少の金銭的援助をして頂ける場合にイメージやビジョンの共有をしていく事はサポートしてもらう側の大切な義務です。そんな時にこのnoteを皆さんの親御さんにも見てもらえることで少しでも役に立てたら嬉しいです。
じゃね👋