水島新司と片山まさゆき
今日、水島新司先生が漫画家の引退宣言を発表されました。私は子供の頃から先生の漫画で野球の楽しさを覚えたと言っても過言ではありません。おかげで、野球部の友人とアンダースローでキャッチボールをして遊ぶ、立派なサッカー少年に育ちました。
先生の作品で一番好きなのは『大甲子園』です。
大甲子園をwikiより引用
『ドカベン』の続編で、主人公・山田太郎の高校3年の夏を描いた物語である。それまで、『男どアホウ甲子園』『ドカベン』『一球さん』『球道くん』『野球狂の詩』などの野球漫画、特に高校野球漫画を数多く描いてきた水島新司が、それらの漫画の登場人物たちを一同に介して一つの漫画の中で試合をさせてみたい~
複数の漫画の主人公が一堂に会するだけでも凄いのに、漫画の掲載誌が違っていたりするのもまた凄い。
チャンピオン掲載→ドカベン・ダントツ
サンデー掲載→男どアホウ甲子園・一球さん・球道くん
マガジン掲載→野球狂の詩
まるでスーパーロボット大戦ですな。いや、スーパーロボット大戦はロボットゲーム版の大甲子園なのかもしれません。
私が大甲子園で一番好きなシーンは『高校野球に悔いあり!山田、プロで会おう by 不知火守』です。大甲子園だけ読もうとすると、序盤に出現するこの言葉に撃たれてドカベン沼に落ちていく仕組みになっています。ぜひ、ご一読下さい。
本題
一つの競技をテーマにして多種多様な作品を様々な雑誌で世に送り出している漫画家を、私はもう一人だけ知っています。ここからは、片山まさゆき先生へのファンレターになります。
ぶっちゃけてしまうと、片山まさゆき先生版・大甲子園が読みたいのです。
私は図書館で麻雀を覚えてから『ぎゅわんぶらあ自己中心派』を知り、『スーパーヅガン』を単行本で読みました。最初は麻雀をテーマにしたギャグ漫画を描く方なんだと思っていましたが、『ノーマーク爆牌党』を読んでから認識が一変します。「この人ほど麻雀の可能性を信じて、愛してる人はいないかもしれない」、と。一部の作品を紹介させてください。
ノーマーク爆牌党
もはや、麻雀漫画界の伝説。私は麻雀の聖書だと思っています。赤坂ドリブンズの園田賢選手は、こう言っています。
僕に麻雀の師はいないけど、あえてあげるとすればノー爆。感動! https://t.co/G0MZApVSoE
— 園田賢 (@sonodaken) July 27, 2018
個性的なキャラ。思わず発したくなる名言。そして何より、美しい牌譜の数々。
鉄壁・爆岡の二人を中心に物語は進みますが、「脇役」と言ってしまうにはあまりにも惜しすぎるキャラたちが作品を彩ります。当然です。麻雀は二人では打てません。特に前述の「名言」「美牌譜」に関しては主役たち以外のものが豊富。
八崎真悟からは名言が止まりません。「リードは守るもんじゃなく、広げるものだ」「麻雀にあるのは流れなどではなく意思だけだ」「全然オッケー」などなど。
超有名なこのセリフ↓
当大介は名(迷?)牌譜クリエイター。その牌譜の美しさは是非、作中で体験していただきたいです。迷点数申告の「中国四千年幻の役満!」や「フリテンじゃないよね これ」が生まれた局の闘牌シーンは、本当に美しい。
もし、一話だけ無料公開が許されるなら「第63話 全員ワンチャンス」を選びます。ノーマーク爆牌党ファンの方なら冒頭1ページを見ただけでその気持ちが解ってもらえると思います。漫画史に残る素晴らしい回です。
牌賊!オカルティ
ノーマーク爆牌党では「デジタル」という言葉が麻雀界に持ち込まれます。これが最初かどうかは解りませんが、少なくとも私が目にしたのは初めてだと思います。
もちろん、「ツキ」や「流れ」を排除した戦術は以前からありましたが、その戦術が「デジタル」と表現される時代が来ます。そして片山先生は自ら「デジタル」と「オカルト」をテーマに、名作『牌賊!オカルティ』を作ります。
オカルトシステムの使い手・刈人と、デジタルのカリスマ・梨積、どちらにも属さない主人公・夏月を中心に濃密な闘牌が繰り広げられる作品。
個人的に好きなオカルトシステムは、「No.54 アンコスジのペンチャンは(リーチを)撃て!」です。他にも多種多様なオカルトシステムがあるので、きっとお気に入りのシステムを見つけることができるはずです。
この作品もキャラが彩り豊か。
デジタルクルーズリーダーの梨積港のカッコよさにしびれました。今でこそ「スーパーデジタル」といえばU-NEXT Piratesの小林剛選手の異名ですが、作中の無頼堂もスーパーデジタルを自称します。梨積・無頼堂の二人を見て、デジタルにも色々あるんだな、と考えた記憶があります。
他にも好きなキャラはたくさんいるのですが、おバカキャラの眉椿も好きでした。一度、眉椿が上下の無い牌ばかりを集めて和了ります。(国際公式ルールでもないのにこんなことやらないだろ)と思っていたのですが、最近、放送対局でお見かけしました。マジか!すげーな!!!
リアルタイムで見てた時は「推不倒」とか一切気が付かなかったヨ。
— いぬかもめ (@toijuichi3) November 26, 2020
ただただ、「ツモって!」としか願ってなかったヨ。 pic.twitter.com/YXVnMNfIyU
(オカルティの画像が無いのをお許しください。ただいま、貸し出し中です・・・)
打姫オバカミーコ
言わずと知れた片山まさゆき先生の代表作。私は「ノー爆が麻雀の聖書」であるならば、「ミーコは麻雀の教科書」だと思っています。最近、再度映像化され、劇場公開も間近。もっともっともっと多くの人にこの作品は読んで欲しい。麻雀の楽しさがギュっと詰まった作品だと思います。同じ世界観を共有する『満潮!ツモクラテス』も楽しい作品です。これを読まないと我鷹さんの魅力を知らずに終わってしまうので、もったいないですよ!
これ以上は映像化もする作品だし色々控えめにします。
控えめにしたいのですが、どうしても溢れだしてしまう言葉だけ綴っておきます。
私は、馬杉寧香を愛しています。
他にもたくさん
簡単に長編3作品を紹介させていただきました。
私の中では、この3作品の麻雀プロ団体は以下のようなイメージなんですよね。
ノーマーク爆牌党(満強位戦)・・・最高位戦日本プロ麻雀協会
牌賊!オカルティ(シャインリバー)・・・日本プロ麻雀協会
打姫オバカミーコ(JMP)・・・日本プロ麻雀連盟
理由は、シャインリバーのデジタルタイプの若手がトップリーグで多数を占める感じとか、JMPの女流選手の境遇とかロンロンっぽいやつとか格闘倶楽部っぽいやつとか、満強位戦の・・・などなどです。
2016年にAbemaTVで放送された「麻雀プロ団体日本一決定戦」。あれ、凄く熱くなったイベントだったんですよね。「参加者の消耗が激しいので、2年か4年に一回の開催予定」とは藤田社長の言葉。コロナじゃなければ、今年あったのかなぁ、という思いはあります。もし開催されないのであれば、満強位戦vsシャインリバーvsJMPの争いが見たくありませんか??八崎vs夏月vs我鷹とか、熱くなりませんか???
もちろん前述の3作品だけではありませんし、麻雀は3人じゃ打てません。他の作品にも素晴らしいキャラクターがいっぱい出てきます。
講談社でも多数の名作。
「理想雀士ドトッパー」「まんちょくスナイパーとどめ」
ルポ物として読み応え抜群。レジェンドもMリーガーも出てるよ。
「夢リーチファイター素人伝説」「オーラ打ち 言霊マンボ」
二頭身キャラが愛くるしい。
「ミリオンシャンテンさだめだ!!」「雀賢者ポッチカリロ」
他にも「運王」「プレイスファジストマネー」「雀術師シルルと微差ゴースト」たくさんあります。妄想が止まりません。妄想が止まらなくて、実際に物語を作ってしまったことがあるくらいです。でも、それはここには書けません。まだ、片山先生が実際に描く可能性がある限りは・・・
片山先生・・・!!
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漫画が読みたいです・・・・・