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Mリーグ2021-22を振り返る

優勝シャーレを掲げていたのは、2人だけだった。
沢崎選手は、この瞬間をどんな想いで見ているのだろうか?堀選手は、隣に座っているのが最高顧問であることに気付いているのだろうか?ともあれ、今シーズン、もっとも優勝に相応しいチームだと感じたのは間違いない。KADOKAWAサクラナイツさん、優勝おめでとうございます!

ちょっと今シーズンを振り返りたくなった。今シーズンの(僕なりに)印象的だったシーンを引用しながら、Mリーグロスに突入しようと思う。
この記事を書いているのはただのドリブンズファンなので、多少偏った視点になることをご容赦いただきたい。

伊達朱里紗の衝撃

10/22 第1試合
トップ目で迎えた南3局。ツモり四暗刻を聴牌しているところに、5mをツモった場面

下家の岡田選手からはリーチが、対面の亜樹選手からは強烈な押し気配が漂っている場面。5mは二人に通って無い。結論から言うと、この5mは岡田選手(5200点以上確定)の当たり牌である。そして、伊達ちゃんはここで北切りを選択する。
もちろん、何を引いても降りるつもりが無いのであればそもそもリーチをしている局面だ。ダマにしてるということは降りも有り得るのだが、新しくチームに加入したプロとしても若手の選手。名刺代わりに四暗刻を和了りたい気持ちがあってもおかしくないし、たとえ放銃になっても責めることはできないだろう。
しかし、トップ目から落ちるかもしれないリスクと、16000オールの加点、和了れる確率などを考慮して導き出したと思われる選択は、どんぴしゃのビタ止めとなった。
伊達ちゃんは、Mリーグ初トップと、強烈な名刺を手にすることになる。

そして、このシーンを見て僕は下記のようなことを呟いた。

5m止めが正解か不正解かはわからないけど、選択肢として持ってることが凄い

これを見た友人から

あのプレーでトップ取れた事が素晴らしい! って思うのは軽い?

といった言葉をもらう。これを見て、「感想ポイントが違うのは当たり前だと思うし、感想に軽いも思いも無いよな~」と思って返答をしたが、色々考えるきっかけになった。

僕は、麻雀観戦の醍醐味は『選択』に詰まっていると考えている。麻雀の結果は偶然に左右される部分が大きく、だからこそ未来が見えない状態で導き出す思考を想像するのが楽しい、と。
一方、友人の言葉を受けて『良い結果に直結した選択を楽しむ』のも有効な方法だな、と考えられるようになった。以前は『神目線』や『結果論』を苦手としていたが、どうせだったら結果のついてくる選択を称賛する方が効率がいい、と気づく。『この選択面白いなっ!!』と思っても、良い結果が付いてくるのは稀で、効率が良くない気がしているのは確かだ。

それでも僕は、今後もこの効率の悪い応援方法を続けると思う。『雀風的に、効率好きでしょ?』とか言われそうだけど。たとえ5mが当たり牌じゃなかったとしても、「凄い!!」と思いたいのだ。

村上淳の苦悩

11/9 第1試合
4連続箱ラス中であることを象徴するかのような苦しい配牌だったのを跳満に。

『第35、39期、42期最高位、第5、9回クラシック優勝、第2期、4期新輝戦優勝、第8回日本オープン優勝、第14回モンド杯優勝、第10期モンド王座、2018四神王座、2018四神王者』の村上淳選手が、絶不調だった。
上の画像はこの半荘もラスなら5連続ラスのタイ記録となってしまう場面で成し遂げた和了。インタビューを見ながら、「ずんたん、泣くなよ、絶対泣くなよ」と思っていたが、やはり泣いた。やめてくれ。こっちももらい泣きしてしまうじゃないか。

応援選手の『選択』を楽しんでいると、こんな絶不調の時でも楽しめるのがありがたかった。成績が良くなくても楽しむことができるのは、結果が偶然に左右されやすい麻雀ならではだと思う。
そもそも4連続ラスぐらいなら珍しいことでもない。雀力の低い僕の経験と一緒にしちゃいけないけど、フリーで7連続ラス引いたことがある。親しい常連客に「どうやったら7連続ラスなんて引けるんだよ?普通3ラス位で帰るだろ!」って言われたけど、「うるせぇ。それでも麻雀は楽しいんだよ!」って言い返した。今でもその気持ちに変化は無いし、それは観戦してる時も同じである。

鈴木たろうの葛藤

2/8 第2試合
1人だけトップ争いから離れた点数状況。ラス前の親番で、早いテンパイが入る。

高目三色で3巡目テンパイ。当然のリーチ。僕はこの時、めちゃくちゃワクワクしていた。当然「9mをツモって裏ドラ乗ったりしないかなー」、というのもある。でもそれ以上に、「6m、ツモ切るんじゃね?」というワクワクだ。

僕は放送対局を牌譜化してしまうほど、たろさんの麻雀のファンである。「この点数状況やチームポイントなどを考えると、満貫未満のアガリを良しとしないんじゃないか?とはいえ、押してくる相手を放置するのも怖いから、ロンはするのかな?巡目によってもだいぶ判断が分かれそうだな。」と妄想が止まらなくなる。たろさんは対局後に検討配信も見れるので答え合わせもできるのがありがたい。結果は流局だったが、6mをスルーしたかどうかはインタビューか検討配信で確認できそうだ。

ただ、インタビューで元気が無いように見えた。たしかに痛い敗戦だったけどいつもと違う気がしたし、多くの視聴者もそう感じたようだった。

たろさんのYouTube検討配信が始まった。「お疲れさまでした!今日の麻雀も楽しかったですよ~♪」とコメントしてみた。たろさんの反応は「楽しかったか~僕はちょっと・・・う~ん。ちょっと見てみましょう」とあまり本意じゃないみたいだった。

その後、検討配信の中でインタビュー時に元気が無かった理由に触れている。「負けて笑ってるのもあまり良くないかと思って」みたいなことを言っていた。

そうかー。僕は、負けても笑ってていいと思うんだよな。だって、負けるたびに落ち込んでたら麻雀打ってもしんどいだけだもん。負けたらさ、「相手が強かった!でも、次はこっちが勝つ!!」でいいと思うんだよね。それが許されるのが麻雀というゲームのいいところじゃないかな。

配信では僕みたいな意見の人も何人かいて、たろさんも終盤では「なんか、笑っててもいい気がしてきた」となってた。元気づけるつもりが、なんだか気を遣わせてしまったかもしれないけど。やっぱ、笑ってるたろさん、かわいいんだよな。あ、6mはツモ切りするつもりだったみたい。

Mリーグ2021-2022を終えて

たしかにね、疲れて帰ってきてレモンサワーを飲み干し、ごちゃごちゃ細かいことを考えながら対局を見た後に検討配信まで見て、俺、馬鹿じゃねぇの?って思う事はあるけれど。やっぱり、選手の思考を想像するのは楽しいんだよね。
僕自身は麻雀が上手じゃないし、強くなりたい、なんて気持ちも皆無。でも、放送対局のおかげで昔より何倍も麻雀が楽しくなった。見て楽しいし、打って楽しいし、語っても楽しい。Mリーグ2021-2022を見て再確認しました。
俺、麻雀がめちゃくちゃ好きだわ。

(終)



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