麻雀はいすくーる・手役派学級(10)

第10局 ラス前

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【 放課後。廊下を歩くタンヤオと足立。生徒指導室のドアが少し空いており、中から話し声が聞こえる 】

学年主任『では、明日から箱下先生のクラスは、私が受け持つ、ということですね。』
生徒指導『急で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。』
【 廊下で聞き耳を立てている二人は、顔を見合わせる。 】

【 教室では、三好と一瀬が何切る談義中。それを見守る帯島全と一色混。 】

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東1局 東家 8巡目

三好『345のサンショクのイーシャンテンじゃん。(🀈2m)切りでしょ?』
一瀬『受け入れ枚数はたしかに(🀈2m)切りが多いし、サンショクも残りますわ。でも、(🀈2m)を切ったあとの(🀜4p)や(🀝5p)ツモでテンパイをとるのですか?』
三好『あ、うぅ。』
一瀬『このカン(🀓4s)がネックになって、サンショクどころか和了も逃しかねません。テンパイになる(🀈🀋🀎258m)以外でもマンズ引きは良形になることを考えれば、カンチャン外しが打倒です。』
三好『じゃぁ、ソーズが両面だったら?たとえば(🀒🀓34s)とか?』
一瀬『え、、、その場合は、(🀈2m)切りを選択します、ね。』
三好『でしょー!なんだかんだ言って、サンショクも好きなんじゃん!』
一瀬『好きとか嫌いとかじゃ・・・』

【 教室に、慌ただしくタンヤオと足立が入ってくる。 】
タンヤオ『みんな!箱下先生がクビになるって!!』
帯島全『おい!待てよ!何だよ、それ!!』
一色混『どういうことだ?』
足立『さっき、学年主任生徒指導が話をしているのが偶然聞こえてしまったんだ。明日からこのクラスの担任は学年主任が受け持つらしい。』
三好『明日から・・・先生!!』
一瀬『三好さん!!待って!』
一色混『僕らも行こう!』
帯島全『南夫西矢北斗。悪いが、校舎に残っているクラスの奴らを集めてきてくれないか?』
風間東『わかった!』
一色混『白彦くん發郎くん中太くんたちには、グラウンドと体育館の部活に参加しているクラスメイトに声を掛けて欲しい。』
元白彦『ああ。すぐに駆けつける!』
一色混『すまない。よろしく頼む。』

【 生徒指導室に向かって走り出す、三好、一瀬、一色、帯島、タンヤオ、そして足立。 】

(続)

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