麻雀はいすくーる・手役派学級(15)

オーラス・4本場(最終話)

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今回の主な登場人物
・役満(やく みつる)理事長。雀闘力 48,000。

役満『やかましい!!!これはいったい、何の騒ぎだね?』
鳥降『理事長。』

【 緊張感の走る校長室。一色混や帯島全、タンヤオたちも駆けつける 】

役満『何の騒ぎか、と聞いているんだ!!!』
鳥降『ここにいるのは先日報告させていただいた箱下先生の生徒たちです。箱下先生解任の撤回を嘆願されました。私としましては、その気持ちを汲んで続投させたい、と。』

【 校長室入口でガッツポーズをする、一色たち 】

役満『鳥降さん、それはなりません。そういった要求を飲んでいたら、組織としての形態が崩れてしまいますぞ。』

【 ガッツポーズを下ろす、一色たち 】

鳥降『私もそう思って突っぱねるつもりだったのですが、この子たちは中々の猛者ぞろいです。この国の未来を背負う若者の言葉に耳を貸すのも、長い時間を生きたものの責務ではないでしょうか。』
役満『ほほう、面白い。鳥降さんほどの剛の者に、そこまで言わせますか。では、君たちの力量を、私に見せてくれたまえぇ!!!』

元白彦『俺たちに行かせてくれないか?』
元發郎『みんなすでにボロボロだし、ここまで見せ場も無かったしな。』
元中太『ああ、見せてやろうぜ!俺たちのジェットストリームアタックを!』

【 理事長の強烈な一撃 】

元白彦『Die・』
元發郎『散・・』
元中太『減・・・』
役満『この程度かぁ!!!』

一色混『強すぎる。頼りになる元くんたちなのに・・・』
帯島全『あのジジィ、化け物か?堅物メガネ!俺たちで行くぞ!』
一色混『でも、元くん無しでは・・・』
帯島全『それでもなんとかやるしかねぇだろ!』
??『!ここで何をやっている?生徒会はどうした?』
??『全~。今日、新曲合わせるっつっただろ~』

三好『純兄ぃ!!』
一瀬『清さん!!』
鳥降『おお、これは珍しい組み合わせですね。理事長、いかがでしょう。この二人は学内でも随一の実力を持つ二人です。手合わせをしてみては?』
役満『いいでしょう。我が校の教育成果を身をもって体感する、いい機会だ。遠慮はいらん。かかってくるがいい!!』
一色清『なるほど。そういうことですか。わかりました。』
帯島純『え?、お前それでわかんの?どんだけ頭いいのよ??』
一色清『100%はわかっていないが、理事長に勝てばいい、ということくらいは何となくわかった。』
帯島純『まぁな。かわいい弟たちの為に、お兄ちゃんズでいっちょ頑張りますか。』
役満『なかなかの雰囲気を持っているのう。楽しませてくれよ?』

~ バトルスタート ~

帯島純『えー。なにこの爺さん。化け物じゃん。』
一色清『ちょっと想像以上だな。』
三好『!二人を助けないと!』
帯島全『ああ。だが、あの二人の闘いの手助けになれる奴なんて・・・』
タンヤオ『足立くんは?足立くんはどこに行ったっすか?』
一色混『足立くん・・・教室にはいたが、見てないな。』
タンヤオ『どうしたんすか・・・』
盃一香『私が行くわ。』

一瀬『盃さん、あなたボロボロじゃない!無理しないで!』
盃一香『でも、このままじゃ・・・(涙)』
三好『一香ちゃん・・・』
??『一香を泣かせたのは誰じゃぁ!!』

【 校長室の窓ガラスが割れ、一人の男が現れる 】

盃一香『お兄ちゃん!!』
盃香二(さかずき きょうじ)『一香ぁ、大丈夫かぁ??怪我してないかぁ?あぁ、血が出てるじゃないか!!誰だ、俺の大切な妹にこんなことをした奴はぁ!!』
盃一香『お兄ちゃん!!血が出たのは、窓ガラスが割れたせいだよ・・・』
生徒一同『(・・・お兄ちゃん???)』
盃香二『一香すまない。お兄ちゃんがもっと早く来ていたら・・・誰か一香を、保健室へ。』
七条『私が連れて行く。』
盃香二『ありがとう。大切な妹なんだ。頼む。』
盃一香『お兄ちゃんは?』
盃香二『一香を泣かしたヤツを、ぶっ飛ばす!!!』

~ オーラス ~

役満『あっと言う間にオーラスじゃの。先ほどの者たちに比べればやるようじゃが、鳥降さんが言うほどのものでもないわ。これでは学校の方針も考え直さなければならんな。』

帯島純『せっかく香二が来てくれたけど、逆転にはちょっと足らないかな~』
一色清『!誰か闘える者はいないのか?』
一色混『いま、みんなが足立くんを探しにいってますが、間に合いそうにありません。』
盃香二『くそぉ!!ここまでかぁ!!!』
??『みんな、道を開けて!!』

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vs役満理事長

平塚『ロン!32,000。』
三好『和穂ちゃん!』
平塚『はぁ、間に合った・・・』
一瀬『平塚さん、ありがとう。本当にありがとう。』
三好『ずっといなかったけど、どうしてここに居るの?』
平塚『・・・駅に着いたら、、、足立くんが来て。「学校に戻って、みんなの力になってあげてくれ」、って・・・』
一瀬『足立くんが?』
平塚『うん。「足立くんも・・・」って言ったら、「警戒されてしまう僕よりも、平塚さんの方が適任なんだ」って言って、いなくなっちゃった・・・』

七条『箱下先生が居たわ。』
帯島全『なにぃ!!』
一色混『どこに??』
七条『保健室。』
対馬『みんなで、迎えに行こう!』
箱下学級一同『おおーーー!』

【 保健室。いびきをかいて寝ている箱下。 】

帯島全『てめぇ!!なに気持ちよさそうに寝てんだよ!!!』
三好『!暴力はダメ!!一色くんを止めて!!』
一色混『いや、暴力を許可する。幸いここは保健室だ。存分にやりたまえ。』
一瀬『ええ。私にも手伝わせてくださいませ。私たちがどれだけ苦労したと思っているのかしら(怒)。』
箱下『何だよ、おまえらぁ。昨日、寝てないんだから、寝かせてくれよぉ。』

【 ふたたび校長室 】

鳥降『どうでしたか?いまどきの若者は。』
役満『いやぁ、熱い気持ちが蘇ってきました。彼らの今後の活躍が楽しみですなぁ。』
鳥降『足立くん。君には損な役回りをお願いしてしまって、申し訳なかったね。』
足立『本当ですよ。明日からいじめられたらどうするんですか。その時はみなさんを訴えますからね。』
役満『はっはっはっ。あんなに気持ちのいいやつらが揃ってたんじゃ、そんなことにはならんじゃろ。』
足立『大学への推薦の件、よろしくお願いしますね。』
鳥降『了承した!』
役満『さすがに抜け目ないのう。』
鳥降『それにしても、来年開催される「U-18 4ヶ国麻雀対抗戦」が楽しみですな。』
役満『上級生は居なくなるのは残念じゃが、このまま箱下先生の指導で力を付ければ、ぶっちぎりの優勝も夢じゃないのぉ。』
鳥降『ええ。私達の長年抱いた夢を、彼らがきっと、叶えてくれるでしょう。楽しみで仕方ありません。』

箱下潜 賞与・50%減≫

盃香二 停学3日≫

(終)













エピローグ
【 数年後 】

小林『永い永いオフシーズンも終わり、いよいよ本日、Mリーグ開幕です。記憶に新しい世界大会での日本チームの大活躍。それにより大幅にチーム数が増えた今年のMリーグ。選手数の増加による再編ドラフトを経て、フレッシュな顔ぶれが並びます。解説には前年度MリーグMVPのTAKA☆HARU選手にお越しいただきました。よろしくお願いします。』
TAKA『ただいまご紹介にあずかりました、前年度MVPのTAKA☆HARUです。』
小林『多、、、失礼。TAKA☆HARUさん。今シーズンもいよいよ始まりますね。特にこの開幕戦ですが、各チームの先発選手が発表された時にはSNSが大いにざわつきました。』
TAKA『そうですねー。世界大会でも活躍した若手を代表するメンバー4人で、同じ学校の同じクラス出身。しかも、Mリーグ始まって以来の夫婦対決まで実現しちゃって。ま、僕は夫婦対決?とやらはやったことないんだけど。平和主義者だから。平和主義者だからね?あとはタキヒサヒサタキ?どっちだっけ?ま、あれにも負けない新たなバチバチのライバル対決も楽しみだし。ここだけの話、実はあの若手二人、裏ではすげー仲良し。どっちかっていうと、女の子二人の方が裏では・・・』
小林『さぁ、対局開始時間が迫ってまいりました。Mリーグ20XX開幕戦、選手入場です!』

(完)

ご愛読ありがとうございました。
最後まで読んで下さり、ただただ感謝でございます。
読んでくれたあなたと、いつか同卓できますように。
-いぬかもめ-

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