麻雀はいすくーる・手役派学級(9)

第9局 裸の王様

≪「第8局 「メンゼン」は「面前」じゃなくて「門前」」へ

・老川混(おいかわ こん) 豪快。ボクシング部。ライト級(アマ)。
・一色混(いっしき まじる) スーパーライト級。
・帯島全(おびしま ぜん) ウェルター級。
・対馬和馬(つしま かずま) クルーザー級。
・七条奈々子(しちじょう ななこ) 七段。

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南場南家 1巡目

担任『この手牌が「チャンス手」に見える人ー?』

【 手を上げたのは、帯島・一色・対馬・七条・老川の5人 】

担任『思ったよりいるなぁ。8種から国士無双って、結構厳しくない?』
帯島全『国士は「まぁ一応視野にはいれとくか」みたいな感じだな。目指すのはチャンタやホンイツ、あとはトイツ手ってとこかな。』
一色混『言いたいことは分かるが、鳴いた時に1翻のチャンタと2翻のホンイツとを同列にするのはどうかと思う。』
足立『たしかにメンゼン進行はちょっと厳しいかもね。ボクはこの手にはあまり魅力を感じないかな。』

【 多くの生徒が足立に賛同している 】

帯島全『ま、せめて役牌を重ねたいところだな。そうなると字牌には手をかけられない。とりあえず、(🀎8m)切りになるか。』
一色混『そこに異論はない。方針が食い違うのは鳴き判断か。』
帯島全『(🀒🀖3・7s)チーは、少しためらうな。』
対馬『ポン!からなら、仕掛けてもいいと思う!』
一色混『対馬くん。それは(🀏9m)からでもポンならする、ということかな?』
対馬『ポン!この手の本線はホンロー・トイトイだと思う!老川くん、君はどう思うのか、聞かせてくれ!』
老川『鳴くさ。ヤオチュウ牌は場に出やすいからな。ガンガン前に出てプレッシャーをかけるのが俺のスタイルだ。』
帯島全『ホンロー・トイトイ狙い?トイツはまだ3組だぞ?正気か?』
老川『あぁ?』

担任『帯島老川。これはケンカじゃないぞ。』
老川『わかってるよ、先生。このヤンキーと違って俺はボクサーだ。ケンカはしねぇよ。』
帯島全『テメェ!!』
担任『おまえらはよく似てるくせに、絶対に相容れないんだな。』
老川・帯島『似てねぇ!!』
生徒一同(そっくり・・・)

一色混『帯島全の言いたいこともわかる。3トイツの形から鳴き進めるということは、「最終形が裸単騎になるのもいとわない」ということかな?』
老川『ああ。裸上等!!3フーロ2シャンテンとか、最高だな!!』
帯島全『カウンターを喰らわなければいいがな。』
老川『満貫濃厚の相手にパンチを合わせられるかどうかだな。カウンターのコツは、タイミングと勇気(ハート)さ。素人が簡単に打てるもんじゃないぜ。』
一色混『・・・なるほど。チャンタのみやホンイツのみの裸単騎はプレッシャーにもならないが、放銃時満貫になるヤオチュウ牌は、簡単には捨てにくいか。』

七条『だからといって、考え無しに鳴くのはどうかと思う。1つ鳴くたびに、牌の重なる可能性は下がっていくのだから。』
老川『七条の言いたいこともわかる。だが、ホンロー・チートイだと6400でホンロー・トイトイだと8000になるんで、どうしてもな。』
七条『それだけでチートイツがトイトイに劣るとされるのは納得できない。守備力は確保されてるし、何よりギリギリまで国士を追えるし。』
対馬『僕も、トイトイの方が優れているとは思わない。それぞれの役に、それぞれのいいところがある!!』
七条『ならば、対馬くんは場に1枚目の(🀂西)をスルーできるの?』
対馬『ポン!!』
生徒一同(どっち?)

(終)

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