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【実案法】訂正の機会が1回だけの理由

実案は無審査登録で、登録後も訂正できます。ですが、訂正の機会は1回だけです(1項訂正、実14条の2第1項)。なぜでしょうか。

実案は無審査登録なので、訂正の機会を多く許すと、請求の範囲が広過ぎる出願が増える。結果、第三者監視負担が増大する。

訂正の機会が全くないと、先願主義(実7条)なので全く瑕疵のない出願を求めることになり、出願人に対して酷だ(特39条と同じ)。

なので、そのバランスを取ったという理解です。

追記
請求項の削除は、何度でも出来るもよう(7項訂正、実14条の2第7項)。

実用新案法

(明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正)
第十四条の二 実用新案権者は、次に掲げる場合を除き、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正を一回に限りすることができる。
一 第十三条第三項の規定による最初の実用新案技術評価書の謄本の送達があつた日から二月を経過したとき。
二 実用新案登録無効審判について、第三十九条第一項の規定により最初に指定された期間を経過したとき。
2 前項の訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
一 実用新案登録請求の範囲の減縮
二 誤記の訂正
三 明瞭でない記載の釈明
四 他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。
3 第一項の訂正は、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面(前項第二号に掲げる事項を目的とする訂正の場合にあつては、願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面)に記載した事項の範囲内においてしなければならない。
4 第一項の訂正は、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものであつてはならない。
5 特許法第四条の規定は、第一項第一号に規定する期間に準用する。
6 第一項の訂正をする者がその責めに帰することができない理由により同項第一号に規定する期間を経過するまでにその訂正をすることができないときは、同号の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその訂正をすることができる。
7 実用新案権者は、第一項の訂正をする場合のほか、請求項の削除を目的とするものに限り、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正をすることができる。ただし、実用新案登録無効審判が特許庁に係属している場合において第四十一条において準用する特許法第百五十六条第一項の規定による通知があつた後(同条第三項の規定による審理の再開がされた場合にあつては、その後更に同条第一項の規定による通知があつた後)は、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正をすることができない。
8 第一項及び前項の訂正は、実用新案権の消滅後においても、することができる。ただし、実用新案登録無効審判により無効にされた後は、この限りでない。
9 第一項又は第七項の訂正をするには、訂正書を提出しなければならない。
10 第一項の訂正をするときは、訂正書に訂正した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面を添付しなければならない。
11 第一項又は第七項の訂正があつたときは、その訂正後における明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面により実用新案登録出願及び実用新案権の設定の登録がされたものとみなす。
12 第一項又は第七項の訂正があつたときは、第一項の訂正にあつては訂正した明細書及び実用新案登録請求の範囲に記載した事項並びに図面の内容を、第七項の訂正にあつてはその旨を、実用新案公報に掲載しなければならない。
13 特許法第百二十七条及び第百三十二条第三項の規定は、第一項及び第七項の場合に準用する。

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