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【特許法】第97条 放棄 〜「急な放棄、許可が要る」
今回は、第97条 放棄 について取り上げたいと思います。
■語呂合わせ
第97条 放棄
急な放棄、許可が要る
(解説)
急に捨てたくなっても、勝手に捨てちゃいけません(笑)
実は、許可が要る、というところがポイントです。後で触れます。
■内容
特許権等の放棄に関する条項です。利害関係の大きい相手に対しては、捨てる前に許可を得ましょう、という内容です。
放棄に関する他の条項としては、38条の5(仮専用実施権者が居るときの出願放棄)、34条の2第7項(仮専用実施権の放棄)があります。合わせて覚えておくと良さそうです。
これと合わせると、以下のような感じです。特許権の放棄なのか、実施権の放棄なのかを、区別して見ると良いと思います。
誰が 条文 放棄対象 許諾先
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(登録後)
・特許権者 97① 特許権 質・者、専・者
・専用実施権者 97② 専 質・者、通・者
・通常実施権者 97③ 通 質・者
(出願後登録前)
・出願人 38の5 出願 仮専・者
・仮専用実施権者 34の2⑦ 仮専 仮通・者
★ポイント
・許諾ルート ≒ 強い者順
特許権者→専用実施権者→通常実施権者
↓→→通常実施権者
(仮専、仮通も同様)
・登録前は質権を設定できない
・特許権者(or出願人)は、通常実施権者(or仮通常実施権者)の承諾なく放棄できる。(登録後の訂正や移転は許諾必要)
通常実施権者、弱いですね・・・。
■条文
(特許権等の放棄)
第九十七条 特許権者は、専用実施権者又は質権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、その特許権を放棄することができる。
2 専用実施権者は、質権者又は第七十七条第四項の規定による通常実施権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、その専用実施権を放棄することができる。
3 通常実施権者は、質権者があるときは、その承諾を得た場合に限り、その通常実施権を放棄することができる。
参考 38条の5
(特許出願の放棄又は取下げ)
第三十八条の五 特許出願人は、その特許出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その承諾を得た場合に限り、その特許出願を放棄し、又は取り下げることができる。
参考 34条の2第7項
(仮専用実施権)
第三十四条の二
・・・
7 仮専用実施権者は、第四項又は次条第七項本文の規定による仮通常実施権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、その仮専用実施権を放棄することができる。