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【特許法】審査請求の追加手数料を払わなかった場合 2通り
審査請求後の請求項追加補正で、追加手数料を払わなかった場合にどうなるか、です。
審査請求手数料は請求項の数に応じてかかるので(特195条別表)、補正によって請求項が増えると、出願人は追加納付が必要になります(特195条3項)。
追加料金を払わなかった場合は、2通りに分岐。
①審査請求したのが出願人の場合
→審査請求却下(特18条1項)
②審査請求したのが第三者の場合
→出願却下(特18条2項)
②が出願却下になる理由は、第三者が審査請求手数料払ってるので、審査請求を却下するのは酷だというもの。
「できる」なので、裁量。方式なので、主体は審査官ではなく長官。
参考:LEC佐藤卓也先生のyoutube
江口裕之『改訂6版 解説特許法』p145
■考察1
個人的には②が釈然としないです。
第三者が審査請求をする動機を想像するに、登録後に権利行使されそうな出願に対して早く白黒付けたいという話では。とすると、出願人にとっては、勝手に審査請求された挙句に出願却下になるのはムゴい話。補正却下ならまだ良いのではなかろか。
理由付けとしては、手続をした人によらない理由によって手続却下するのは妥当ではない、と理解するしかなさそう。
■考察2
追加した請求項だけ審査されないのでは何故ダメか?と思ったのですが、当然そうなりそう。上位請求項が追加されたとして、下位請求項のみを審査することはできない。
■考察3
追加手数料を払わないと丸ごと取下げ…って似たような話がどこかにあったなと思ったら、マドプロでした。国際分類の数に応じた追加手数料。払わないと、追加分だけが放棄ではなく、出願そのものが放棄とみなされる(マド8条(2)(ⅱ)、(3))。
(手続の却下)
第十八条 特許庁長官は、第十七条第三項の規定により手続の補正をすべきことを命じた者が同項の規定により指定した期間内にその補正をしないとき、又は特許権の設定の登録を受ける者が第百八条第一項に規定する期間内に特許料を納付しないときは、その手続を却下することができる。
2 特許庁長官は、第十七条第三項の規定により第百九十五条第三項の規定による手数料の納付をすべきことを命じた特許出願人が第十七条第三項の規定により指定した期間内にその手数料の納付をしないときは、当該特許出願を却下することができる。