【特許法】ドラマ「それパク」と特許法の関係を考えてみる
日テレで、知財ドラマ「それってパクリじゃないですか?」が放送されています。芳根京子さんと重岡大毅さんの名演技もあり、とても面白いです。
ここでは、バックナンバーの記録を、特許法との関係を考えながら残してみようと思います。
私は録画で見ているので、実際の放送とは時間差があると思いますが、順次残していきたいと思います。
■第1話 冒認出願
・感想:実際には、こんなにうまく証拠が取れることは稀では?と思いました。秘密情報管理大事。
・特許法:74条1項(移転請求権)、123条1項6号(冒認出願の無効理由)。関係の深そうなものとして、49条7項(冒認出願による拒絶査定)。
■第2話 商標権侵害
・感想:お茶とチョコレートで区分商品・役務が違いそうだが、なぜ問題になるかがわからずでした。むしろ不正競争防止法の話な気がしましたが、あまり突っ込まずにおきたいと思います。
■第3話 文言侵害
・感想:侵害調査としては馴染み深い話と思いました。「屁理屈も理屈」という話は、「カイジくん、違法も法だよ」を思いました。ムチャクチャやなあ。
・特許法:2条3項(実施)、70条1項(技術的範囲)、72条(利用と抵触)。
■第4話 取るべきではない商標
・感想:10年以上前だったかと思いますが、2ちゃんねるのキャラクター「ギコ猫」が商標出願されて炎上したのを思い出しました。
■第5話 著作権と特許のクロスライセンス、特許の拒絶理由通知と分割、営業秘密としての秘匿
・感想:調整とは何か、わかるようで難しいと思いました。物事がうまく進むようにすること?いざというときに頼れる関係を作っておくことな気もしました。
・特許法:50条(拒絶理由通知)、29条2項(進歩性)、17条4項(手続補正書)、17条の2(補正)、44条(分割)
■第6話 大学との共同開発
・感想:PBP(プロダクトバイプロセスクレーム)の話かな、と思いながら見てましたが、違いました。パネリストによる官能評価をデータとして使えるのは知りませんでした。それにしても、2週間でまとまるというのは相当な特殊ケースなような気も。新規性喪失の例外に頼るのは理想ではないですね。日米以外では適用できないようですし…。
・特許法:30条(新規性喪失の例外)。関係の深そうなものとして、36条4項1号(実施可能要件)、36条6項1号(サポート要件)、36条6項2号(明確性要件)
■第7話 NPE(パテントトロール)と死蔵特許
・感想:特許の悪用ですね。商品に特許と書いてあると、つい良い物と思ってしまう。身に覚えありです…。せめて、番号照会はしようかなと思います。
・特許法:187条(特許表示)、188条(虚偽表示)。関連:民703条(不当利得)または民709条(不法行為)による損害賠償。民訴6条(特許侵害訴訟に関係)
■第8話 NPEの続き
・感想:熱い回でした。移転登録が、発明者本人の同意の上だと言い張ったら、どう決着したのか…
・特許法:17条4項(手続補正書)、98条1項(移転の登録)、36条1項(願書)
ともさかりえさんが言っていた、出願人名義変更届、手続補正書(以下リンク、特定承継)
■第9話 著作権と契約、特許権侵害
・感想:契約書があれば安心ということはなく、ビジネスがうまく行くかは別問題。実際には相手との関係や、心証が付いてきます。事前に一言入れておくというのも、調整の一つですね。特許の持ち合い、
特許の持ち合いが、モナカの外側とアンコの関係というのは、解りやすかったです。先使用権の話は、次回への布石…?次回は、無効の抗弁(104条の3)の話と予測。
・特許法:72条(利用と抵触)、79条(先使用権)。スーパー早期審査は、条文外。
■第10話(最終話) 冒認出願(2)
・感想:前回の予想は、ハズレでした(笑)。あと、PCに管理パスワードの付箋が貼ってあったのが情報流出に関係しているのかなと思いましたが、これも違いました。
短所も見方を変えれば唯一無二の長所、というのはいいですね。
なお、「冒認」とは、掠め取るという意味のようです。知らなかったです。
・特許法:49条7項(冒認出願による拒絶査定)、123条1項6号(冒認出願の無効理由)。
また、「弁理士も法定に立てる」…弁理士法5条1項(侵害訴訟の補佐人)
■おわりに
全体通して、あれこれ考えながら見ることとなり、勉強になりました。本物の特許庁で撮影していたようで、見たことなかったので、おもしろかったです。
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