35歳を待ち構える「明るい闇」 #トイアンナマガジン
35歳。転職年齢の限界と言われる年でもあり、女性にとっては高齢出産扱いになる年齢でもあり。まあまあ暗いイメージが伴う年齢に、もうすぐなる。
ところが、思ったより、熟女の入り口は明るかった。レジに割り込んでくる変な人を無視できるようになり、仕事のミスにも動じなくなる。ミスを起こさない憧れの大人にはなれなかったが、不始末の尻拭いはできるようになった。つまり、全般的に強くなった。
10代のびえびえ泣いていた私が目の前にいたら、伝えてやりたい。あの時泣いていた自分は、慢性的な肩こりと引き換えに、強くたくましくなったぞと。二日酔いは夜まで続くし、ついに焼肉でカルビを食べられなくなったけれど、これはこれで幸せだぞと。
なぜこうも熟女の入り口が明るいかというと、自分の未来がある程度見えるからなのだと思う。今の私は1日何時間くらい働けるかを知っていて、どれくらい頑張ると倒れるかを知っている。
フリーランスとして年商いくらが限界か見えてくるし、家庭を持つか、そういう未来が分かってくる。かつての「自分が何者かわからない、何者になるかもわからない」不安はどこにもない。私は無事に、おばさんとなった。
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