異性を憎みながら、異性と結婚する人たち #トイアンナマガジン
男を憎む。女を憎む。実は、こういう人たちは少なくない。小さい頃に異性から虐められていたり、性犯罪の被害にあったり、あるいはモテなかったりすると、相手を憎みだすことがある。
正論が通じない「異性への憎しみ」
正論を言いたがる人はよく、こんなことを言う。
「男を、女を丸ごと憎むなんてバカバカしい。イジメにあったのなら、イジメっ子だけを憎めばいいのに。なんで異性を丸ごと憎むんだろう」と。
それは正しい。正しいけれど、相手をまるで理解していない。人は心が幼いうちに傷つけられると「こういう集団は丸ごと敵だ」と考えてしまいがちなのだ。男、女に関わらず「属性」で相手をまるっと敵認定してしまえば、自分の心を守れる。
【自分が悪かったのではなく、この集団は敵なのだ】と思い込む現象は、こうして起こる。こういった考えが精神的に幼いのは間違いないが、だからといって彼ら・彼女らに傷つきがなかったわけではないし、そうなった事情はある……というところまでは、思いを馳せていいはずだ。その後、賛同するかはさておき。
異性を憎む人がSNSで煮詰まっていく
異性を丸ごと「敵」にしたい人は、Twitterを始めとするSNSで集まり、賛同しあい、さらに煮詰まっていく。似た被害経験を持つグループ同士でさらに被害経験をシェアしあうから、「やっぱり男/女は敵だ、劣っている、期待するだけ無駄だ、バカなんだ」などなど、憎しみをつのらせていく。
ここで問題なのが、「別に世間の大半の男女は、異性を憎んでいない」という事実を忘れがちになることだ。何事もなく生きてきた人にとって、属性を丸ごと憎むこと、蔑むこと自体があまりない。
だからといって、異性を崇拝しているわけでもない。「個人の好き嫌いはあるけれど、男/女について、なんとも思っていない」というのが、普通の人たちだ。
だが、それが異性を憎む人には許せない。なぜあんなに憎い、おろかで、自分から税金や資金を搾取するだけの人間がウヨウヨいるのに、みんなは「目を覚まさない」のか? と、憎しみを発信して、周りを説得したくなるのだ。
まともな人は「異性を憎む人」から距離を置く
だが、憎しみをばらまく人間は、そういった「まともな、普通の人たち」からは異質に見える。そして、まともな人から静かに距離を置かれてしまう。
そうすると、残された友人は同じ「異性が憎いグループ」しか残らないから、孤立を深めながらカルト化していく。それがいま、Twitterの異性をバッシングするアカウントで起きていることだ。
さらに……矛盾して見えるかもしれないが、異性を憎む人たちは、結婚や恋愛を通じて「憎いはずの異性を征服しようとする」傾向がある。
なぜ、憎んでいる、蔑んでいるはずの相手と恋愛・結婚をしたがるのか? その背景には、
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