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今日死のうと思っている方へ #トイアンナマガジン

これは、今日死のうと思っている方への手紙です

17歳の8月23日、私は自殺を決行しました。人生の何もかもがうまくいかなくて、この世は真っ暗でした。学校ではひとりで、親とは包丁を向け合うくらい仲が悪かったのです。

自分で言うのもなんですが、自殺についてはよく準備したほうだと思います。『完全自殺マニュアル』がボロボロになるまで読み、首吊りか電流を流して死ぬのがベストと結論付けました。

ある方が死ぬまでに残した日記「終わる世界」で自殺がいかに惨めで、自己満足にすぎないかも予想して、首を吊りました。

死なないで、なんて無意味なことは言いません

こんな経験があるからといって、「あなたの気持ちが分かる」なんて、おこがましいことは言いません。死にたい理由はひとそれぞれです。私にわかるのは"今のあなたに「死なないで」と言うことの無意味さ"くらいです。

だって、死にたいときは、今日も明日も真っ暗で、1分1秒がつらくて、死ぬ以外の選択肢が閉ざされているのですから。

「死」という大きな化物にとりつかれ、線路へ飛び込め、縄を首にひっかけろ、薬を飲め、手首を切れと引きずられているのに、まるで自由意志で、考えが至らないから自殺しようとしているだなんて誤解されて「死なないで」と無責任な一言を放つ人にはうんざりです。

お伝えしたいメッセージは「死なないで」ではありません。あなたが高確率で「死ねない」ということです。

私はこのとおり、首を吊ったのに生きています。いまの家屋にはつるしても耐えられる場所もなければ、紐もそうありません。

ドアノブにひっかけて……なんてよく言いますが、あれで成功する人間はあまりいません。どうせ死のうとしようが、大半は生きてしまうのです。そして生きた先には、後遺症が待っています。

私は首の骨を折らずに済みましたが、飛び降りや首吊りでは骨を折ってしまうことがままあります。そうなると生還しても、後遺症を背負います。

こんどは自殺すらできず、介護されて暮らす人生が待っています。果てしない人生を、要介護で暮らす覚悟は、ましてや憎む相手に涙を流して糞尿を始末してくれと乞う人生は、さらなる地獄ではないでしょうか。

これは自殺未遂により、膀胱直腸障害という、自力で排泄が出来ない後遺症を残した方のお話です。行動を起こす前に、読んでおくべきリスクです。

私の知人に、電車に飛び込んで手足が吹き飛んだ人がいます。今も痛みに耐えるしかなく、ほとんど動けない体で、それでも、人生は続きます。

元データをなくしてしまいましたが、既遂に至るまでひとは平均10回程度、自殺に失敗するようです。あなたは死んでもいい。私に止める権利はありません。

でも、死ねるのでしょうか。うっかり生きたとき、10回も成功するまで後遺症もなく戻ってこられるのでしょうか。

10回も死のうとする前に

以前、同じように自殺を考える方へ国が留学費用を出してくれる「トビタテ!留学JAPAN」を案内しました。

留学なんて、意識が高そうに見えるでしょう。しかし国によっては語学力不問で、高校生から応募できます。私も、悪化した親子関係から逃れたい一心でイギリスの高校へ通った人間です。

語学力も無く、英語の勉強は本来しんどいもの。けれど「あんな地獄にいるくらいならマシだ」と猛烈に集中できました。そんな逃げ方もあります。

引きこもっていて、高卒までの資格を得られなかった人も「高認」という試験を受けると高卒相当となり、大学受験ができます。すごい人だと、小学校から引きこもっていたのに18歳から1年勉強して高認取得された方を知っています。だから、学校を休んだりしても大丈夫、大丈夫。

人生は、やり直しがきくのです。逃げても生きていかざるをえないのがこの世の最低なところですが、立ち上がる元気がいつか出てきたときには、それなりにハシゴもあります。

とにかく話を聞いてもらいたいときは

とにかく話を聞いてほしいのに、いのちの電話がつながらない。つながったのに嫌なことを言われた(私の経験談です…)ということもあります。なかなか無料相談でよいサービスを期待するのは難しい現状があります。

いわゆる「いのちの電話」などはみんなが調べて電話するので、どうしても相談がパンクしやすいのです。そこで、さまざまな団体を知ってから、相談するのもありです。

この先はシェルターといって「虐待などで悩んだとき、問答無用で駆け込める安全地帯」を提供していたり、メールやLINE、電話などで相談に乗ってくれる団体を紹介しています。

リンク元の「NPO法人仮り暮らし」さんも、千葉でシェルターを運営されています。

未成年の方が入れるシェルターも、下のリンク先に並んでいます。

なんとかバイト代だけでも貯められそうという方には、オンラインでカウンセリングができる「cotree」や「うららか相談室」というサービスがあります。1回5,000円程度でカウンセリングは受けられます。

カウンセラーさんは人によって技術差や相性があるので(美容師さんみたいなものです)初回から救われるとは限りませんが、ばっちりな相手が見つかると命綱になります。

私はいまでもたまに、「うららか相談室」を使っています。誰かが話を聞いてくれて「あなたがこう感じるということは、こういう理由があってじゃないでしょうか?」と分析してもらえるだけで、ストレスは減るものです。

また、自分が不快なことを言われたとき、しかも自分が限界のときに言われたら、そのままガチャ切り(通信を切断)しちゃいましょう。

いいんです。相手も仕事ですから。あなたは今、大変なんです。だから迷惑をかけていいんです。かけた迷惑は、元気になってから誰かへ優しくすることで返せればいいんです。

このタイミングで「必ずいいことがあるから生きろ!」とか言われるの、最低に苦痛じゃないですか。そういうの、聞かなくていいです。善意のふりをした「生きろ、なぜなら私は今幸せだからだ。どうだ幸せに見えるだろう?」なんてマウンティングを受ける義務は、あなたにありません。

逃げる勇気は、本当に勇気です

ここまで、ひとまずの逃げ方の話をしてきました。私は、生きるために逃げるのは、勇気ある、立派な行動だと思っています。

少なくとも死に引きずられて下手な自殺にチャレンジしてしまい、後遺症を一生背負っていくくらいなら。確かにあなたは死んでもいい。でも生きてもいいし、逃げていいんです。逃げて、逃げて、いつかエネルギーを蓄えて死という化物に襲われなくなったら。

その時は、私と一緒に世界を変えましょう。

待っています。

読み物のご案内と、最後に

これは、自傷行為を繰り返していた方の日記です。この方も、最期は自傷行為から血管が弱って望まぬ形で亡くなられたと拝見しています。

精神科病棟へ入院してもなお、生き延びていった実在の話もあります。


これらの本を読んでも思いますが、この世は最低ですね。そして、最低な世界を蹴飛ばしてもいいんです。あなたが世界から追い詰められたからといって、あなた自身まであなたを、追い詰めなくてもいいんです。

「死んでもいいよ」って、風の中から声が聞こえると楽になるけれど、「生きてもいいよ」って声がするところまで、走って行ったっていいんです。そのために誰かを捨ててもいいんです。親でも、友達でもいいんです。

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9月1日は、毎年学生が最も自殺する日とされています。そんな日に少しでも、走って逃げ出せるひとがいますように。

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