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積読かわりに読んだよ:『企業変革のジレンマ~「構造的無能化」はなぜ起こるのか』 2024年11月1本目

こんにちは。あなたの積読、代わりに読んでゆるゆる読みやすいよう噛み砕くレビュ―シリーズ。今回は『企業変革のジレンマ~「構造的無能化」はなぜ起こるのか』を取り上げます。

先月『ビジョナリー・カンパニー』シリーズをコンプリートした達成感はありつつも、あまりのページ数の多さに「もうええでしょう」感があります。そこで今回は心機一転、新進気鋭の日本人経営学者である、宇田川元一さんの著作です!

『ビジョナリー・カンパニー』は大著ですが、読みながらどうしても「日米の企業文化は異なるのでは?」という違和感が常にありました。その点、日本の本はすっと腑に落ちやすいものが多く、本著もまさに納得感のある一冊です。

この本のテーマをざっくりまとめると

この本のテーマは「企業変革」ですが、以前このコーナーでも紹介した森岡毅さんが成し遂げた「USJのV字回復!」のような劇的な変革を念頭に置いてはいません。

宇田川さんが本書で想定しているのは、喫緊の企業再生が必要なほど業績が悪化してはいないものの、大多数の従業員が働くことの楽しさを感じられず、かといって何を変えれば良いのか明確ではなく、緩慢な衰退を辿っている企業です。

個人にたとえるなら「緊急手術は必要ないけれども、慢性疾患に陥っている」状態でしょうか。そんな患者に求められるのは、毎日の健康管理と生活習慣の見直しですね。もっと言えば、「病気とうまく付き合う」暮らしを習慣化することにあります。

それを踏まえてこの本の要約を3行にすると、こんな具合です。

・組織全体が無能になるメカニズムは「断片化」「不全化」「表層化」
・社員の自発性を生み出すには「ストーリーテリング」が有効
・企業変革を支援するとは、「組織をケア」すること

要するにここ読めばよくない?本の重要ポイント

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