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電車にて

仕事帰りの電車の中、赤ちゃんを抱いた若い母娘の方達と隣り合う。

双子ちゃんなのかな、おばあちゃんが抱いている方の赤ちゃんがふと泣き始めた。

必死にあやして落ち着かせようとする姿に、そんなに泣き止ませようとしなくて良いですよ!と言いたい気持ちをグッとこらえる。

その代わりに、意識して笑顔で赤ちゃんを見つめるようにしていた。

そんな私はかなり怪しい感じに見えただろうか。

しばらくして案の定気が付かれ、申し訳なさそうに何度もすみませんと謝られたが、とんでもないと応える。

赤ちゃん可愛いですね
起きちゃいましたか
この時間帯はどうしても泣きぐずりやすい時間ですよね

と話しているうちに

疲れたように窓の外を見ていた娘さん(若いお母さん)がこちらを向いてホッとしたように笑顔になった。

そう、大丈夫。

みんなが赤ちゃんの泣き声をうるさいと思っているわけではないこと、少しで良いから思い出してね。

子供たちが同じくらい小さかった頃のことを思い出して、なんとなく懐かしく癒されている
仕事帰りのおばちゃんだって

同じ車両に
あなたの隣に

いるかもしれないのだから。

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