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それはもう戻らないもの


【時】
①過去から現在へ、さらに未来へと連続してとどまることなく過ぎ行く現象。月日の移りゆき。時間。
②時刻。刻限。
③時候。季節。
④かなり長い時間。おり。ころ。時分。時期。
⑤特定の時期。
⑥時代。年代。世。
⑦時勢。世のなりゆきの時分。
⑧動詞、助動詞の過去・現代・未来の区別。
⑨世人が話題にする時。その時。この時。
⑩次に述べることの条件を示すのに使う。…の場合。


今こんなにも頭の中を占めていることも
あの時あんなにも胸を動かされたことも


もう立ち上がれないかもしれない
と思ったあの日も
こんなに幸せなことがあっていいのか
と感じたその日も


みんなみんな、過ぎ去ってしまった
戻らない「時」だ。

あの日にあの頃に戻れたらなんてことが頭をよぎることもあるけれど、それは決して叶わない

絶対に叶わないから、良いのだ。




節目を迎えるたび折に触れて噛みしめる言葉がある。


「これから先いろいろなことがあると思うけど
一度にできなくても一つずつ乗り越えていこう。
小さな一つ一つを積み上げていったら、気がつけばびっくりするくらい大きくなっていたりして。
いつか振り返った時どんなに大きなものになっているか楽しみにしよう」


初めての子育てに必死になり過ぎ、ノイローゼ気味になっていた時に夫が私にかけてくれた言葉だ。

この言葉に出会って以来、私は目の前の「時」を「積み重ねる」ことにとても意識的になったように思う。


色々なことがあった。

それでもそのたび、この言葉を思い出して呪文のように「今の積み重ね、今の積み重ね」と自分を励ましてきた。

良いことも悪いことも、嬉しいことも悲しいことも、一つ一つをなるべくしっかり感じるようにしてきた。

この瞬間は、この「時」はもう戻らない

それだけを胸に刻んでその瞬間から逃げまいと努力してきた。


「今」という時の積み重ねが「過去」となり
「未来」の礎となる

時が流れれば
あんなに悲しかった別れも少しずつ溶けてゆき
あんなに嬉しかったことも淡い記憶になってゆくけれど

どんなに記憶が薄れても
それが今の私を作っている
そしてこれからの私を支えてくれる

「時」の流れは戻らない
だからこそ振り返った時、確かにそこに積み上がるものになるのだ。




時を経て振り返れば、子どものころから感じていた生き辛さはだいぶ和らいでいた。

あの頃の私が今の私を見たらきっと、信じられないと驚くだろう。

けれどこれは確かにあなたなんだって教えてあげたい。

真面目だ、頭が固い、不器用だといわれても
それがどんなにコンプレックスに思えても

そのコンプレックスと向き合った時間を積み上げたものが今の私だ。

きっと、みんなそうだから


「時」は二度と戻らない。

失ってしまったものは戻らないし
起こってしまったことも戻らない

だからこそ、過ぎてしまった「時」にとらわれる必要はないのだ。




目の前の「時」はどんなことも、いつか大きな流れの一部になる。

そうしていくうちに、後から振り返ったときに
自分が向き合った数だけ「時」が積み重なっていることに気付く


だから、さあ前を向こう。




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