司法試験2回目受験生の生活とやったこと


はじめに

私は令和5年度司法試験を在学中受験し、ギリギリで落ちました。そして、ローを卒業し、令和6年度司法試験を受験し、2回目で合格しました。
1回目受験に落ちた時、複数回受験生のブログなどを見ましたが、あまり2回目に向けてどのように動くべきかという点に触れているものがなかったため、自分の生活や動きを残しておくことにしました。
この記事では、2回目司法試験受験生としてどのように動いたかということやその生活について述べたいと思います。

合格発表~ロー卒業

2023年11月上旬、自宅PCで令和5年度司法試験の結果を見て受験番号がなかった時の絶望感は今でも覚えています。中途半端な自信があっただけに数時間は心ここに在らずといった状態にあったと思います。しばらくして落ち着いてXをみると接点のあった友人たちの合格報告の数々。人生終わったと思いました。

合格発表の次の日は無惨にも一限から授業がありました。「ここで行かなかったら知られる必要のない人にまで落ちたことが知られる」、こんな思いでローに向かいました。
一限を受け、ロー在学中かなりの数の授業を共にした友人と自習室に向かう中、自分が落ちたことを報告しました。友人は受かっていました。ここで親しくしていた友人はその多くが受かっていることがわかりました。
その次の時限は2人とも授業がなかったため、Wordで作っておいた再現答案を急遽みてもらうことにしました。友人は「内容的にも形式的にも一見しておかしいところはなさそう。わからん。」再現答案がWord形式であったこと、出題趣旨を細かく把握していなかったことから、この時点では自分の答案の悪いところに気づけませんでした(友人に全く非はありません)。
その日、もう1人仲良くしてくれていた友人にも再現答案を軽く見てもらいました。

成績通知書がきてからわざわざ友人に時間を取ってもらい、再現答案と勉強方法について相談しました。友人は人格者なので、(少なくとも私から見て)快く引き受けてくれました。
友人は論じるべき論点とそうでもない点の記述メリハリや、答案の書き方、他の人と同じことをすることの重要性、多くの人が使っている演習書等を教えてくれました。また、過去問起案を見てくれることになりました。友人には一生感謝し続けると思います。

司法試験合格発表後もローの授業は続きます。私はローの予習復習に加え、友人に教えてもらい購入した演習書を進め、低かった民法短答を肢別本を使ってコツコツ進めることにしました。また、司法試験の過去問を結構起案し友人にみてもらいました。
さらに、友人の勧めもあり、予備校の答練を受け始めました。これは多くの受験生と同じことをする、ということの一環でした。

振り返ってみると、再現性の高い再現答案を試験直後に作っておいたこと、合格発表の次の日に直近の合格者に頭を下げて教えを乞うたこと、直近の合格者に恥じらいもなく過去問を添削してもらったことは良かった動きだったと思います。この時点で2回目受験に向けた指針が見えました。
2回目受験生の初動としては、上記のことをすると良いのではないかと思います。特に直近の合格者に再現答案をみてもらう、過去問起案を添削してもらう、多くの人が使っている(流行りの?)基本書や演習書、勉強を教えてもらうことは極めて重要であると感じました。


ロー卒業~司法試験直前期

TKC模試を受けました。また他の模試の問題文と解説もフリマで買い、答案構成をしました(今思えばこれもフル起案しておけば本試験であんな思いをせずに済んだ……)。これらも他の多くの受験生が模試を受けているから相対評価で沈まないよう他の人と同じことをするとの考えによるものです。
また、勧められた演習書で起案したり答案構成したりすること、民法短答をコツコツ続けること、司法試験の過去問を起案し友人に添削してもらうということを続けていました。ルーティーンワークというかこの時期は全く面白みもなく、特に言及することもない日々の繰り返しでした。

流石に司法試験受験生とはいえ何も働かないのはダメだ、せめてバイトはしてとの親の言でバイトを始めました。週2くらいのペースで法律関係のバイトをしていました。勉強時間は削られますが、このバイトでも法律知識がついたため、結果的には良かったのだと思います。


司法試験直前期

昨年度は民法短答が悪かったので、肢別本民法をとりあえず計2周し、間違えたところをひたすら解き直しました。解き直しは大体4周くらいしたと思います。
昨年度の短答憲法刑法は悲惨という訳では無かったため、憲法は肢別本を2周ほどして、直近の過去問を解きました。刑法は過去問をあるだけ解き、間違えたところを解き直しました。ある程度定着していればこの程度でも本試験で即4はしないと思います。
また、模試の短答を解き直しました。模試の短答はやたら難易度が高かっため、他の人も解き直してそうだと思い、間違えなくなるまで解き直しました。

論文については、論証集を周回していました。典型事例で出てくる事実・要素から論点抽出→問題提起→論証吐き出し→どういった事実が意味を持ち、どのように論理の流れに影響を及ぼすのか、ということについて、短時間で書き起こしを繰り返しました。逆に、直前期には新しいことに触れないようにしていました。
また、予備校やXでの出題予想を把握し、挙げられている論点については答練の問題を答案構成しました。


全体を通じて

重複するところがありますが、2回目受験生として重要なことは以下の点かと個人的には考えています。
・再現答案を作り、直近の合格者にみてもらう。
・司法試験の過去問を時間を計って起案し、(なるべく直近の)合格者に添削してもらう。
・答練や模試など他の多くの受験生が受けているものを受ける。
・むやみに手を広げすぎず、合格者や周りの受験生から情報を収集し、「皆が書けるところを書ける」ようにする。
・短答の点が低い場合は肢別などを使い毎週コツコツやる。
・ほどよくストレス解消する。

上記ストレス解消については、個人的には結構重要だと思っています。受験生活は孤独だし、毎日黙々と勉強していると、想像以上にストレスがかかっていると思うからです。勉強の妨げにならないのであれば何かストレス解消になる趣味があるといいと思います。私も週末深夜は大体友達と5時間くらいはゲームをしていました。

X等のSNSは依存症レベルでもない限りは辞める必要はないと思います。むしろ受験生が話題にしていることやホットな論点・議論を見逃して本試験に出てしまった場合(そんなことあるか?とも思いますが……)が怖いからです。また、たまに論点についての議論をみかけることもあり、有益なことがあるからです(こちらはありました)。スマホやSNSの使い方は無理ない範囲で自分と相談して管理すべきだと思います。

おわりに

以上長くなりましたが、複数回受験生の動きややって良かったことでした。
また思い出したことがあればここに追記するか、別途記事を作成したいと思います。

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