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時ノ栞書店

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ちいさな本屋を開く夢を綴った手帖です。
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#言葉

十月の花嫁へ一冊の絵本を贈る

十月の花嫁へ一冊の絵本を贈る

今、テーブルの花瓶には、
式の帰りにいただいた花束が飾ってあります。
ガーベラとかすみ草と薔薇の花。
あの日、会場を彩っていたお花のたちです。

秋風の心地よい土曜日、
友人は、純白の花嫁になりました。

恥ずかしげに染まった頬と
きらきらと輝く黒い瞳。

私は
美しい花嫁の姿を思い出しながら
手紙を書きました。

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先日は、素敵な結婚式に招待してくれて

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この春に、綺麗な栞をひとつ

この春に、綺麗な栞をひとつ

小説って、編み物みたい

と思います。

かぎ針を
毛糸の、ちいさな輪っかへ通し
ひとつひとつ手を動かして
糸を列へ、列を面へと仕立てていくように

選りすぐった言葉を、重ねて結んで
一行ずつ丁寧に
文章を紡ぎ、物語へと仕立ててゆく。

どちらも本当に時間のかかる作業です。

でもそうやって、手間を惜しまず
細やかに編み込まれた細工が
ひとの心を魅了し、
そのやわらかい布地が
肌をあたたかく包み込

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〒 2022 - 愛読書ゆうびん

〒 2022 - 愛読書ゆうびん

こちらは、白くて大粒の雪が
降っています。
そちらはどうですか。

私はこのところ、
気にかかることが重なって
なんとなく心が落ち着きません。
どうしようと思いつつ家を出て
自然と足が向くのは、
書店や図書館。
本がある場所です。

静かな空間に
行儀よく並べられた本の中から
気になったものを手に取っているうちに
少し心が回復する。

あなたにも、
そんな経験はありますか。

今日は
私のとってお

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