どこかへ 2003年6月のワシントンDC、ニューヨーク
初めてのアメリカ東海岸への出張。コンタックスT3にT-MAX100を入れて連れて行った。掲載した写真はモノクロネガからデジタル・デュープして反転したもの。20年以上も前の写真だけど、モノクロは古さを感じさせにくいように思う。
6月20日昼頃にワシントンDCのホテルLincoln Suitesにチェックイン、雨。このホテルは今はThe Quincyと言う名前に変わっているらしい。
21日はコンベンションセンターに集合してバスで移動し、近くの国立の研究所を訪問、時折小雨。
22日は事前講義、23日から25日まではバイオテクノロジー関係の講演を聞いた。J.W.Bushの講演はバイオテロと食料問題が中心。その他はバイオインフォマティクス、診断技術、創薬、機能性食品などのテーマ。
ホテルからセンターまでは徒歩、地下鉄で一駅分くらい。公園にはリスがいた。
センターの地下は地下鉄の駅と直結していたように覚えている。
コンベンションセンターは大きかったが、その周辺の建物はこぢんまりしたものが多かった。コンベンションセンターは再開発のきっかけになるように建てられることが多いと聞いたことがある。確かに周囲は少し雰囲気が違った。ポリスの車が目についた。コンベンションセンターの東側には行ってはいけない、と言われたような記憶がある。Googlemapで見てみると、他はずいぶん様変わりしているが、タウンカーの向こうに見える建物は、今も残っているようだ。
空き時間を利用して博物館や美術館を訪れた。この時に初めてマーク ロスコの作品を生で見た。日本では見たことのないマチスの作品もたくさんあった。
ホテルの部屋にはキッチンがついていてガスレンジもあった。それを使うことはなかったんだけど、物珍しさから部屋の中の写真を撮った。
僕には広すぎるキングサイズのベッドは律儀に半分だけ使っている。電話やラジオが懐かしい感じがする。ホテルをチェックアウトする前、僕はこのホテルに戻ってくることはもうないだろうと思い、確かにもう一度行くことはなかったんだけど、ホテルの備品の写真を撮った。水道の蛇口なんか撮ってどうするのか?とも考えたが、記念だからと撮っておいた。モノクロの粒子の荒れた写真だけど、蛇口の写真からでもあのホテルの部屋の空気が僕には思い出される。
今のこのホテル(The Quincyとなっているが)のHPを見てみると、各部屋にキッチンがあるなど基本的な構成は同じだが、とても綺麗にスタイリッシュになっていた。
26日はワシントン事務所を訪問、27日はニューヨークに移動して打ち合わせ。
ホテルはタイムズスクエア近くのシェラトン。バスルームのタオルは日本のビジネスホテルとは違ってフカフカしていた。
アイロンもドライヤーも、バスルームのドアノブにさえアメリカらしさのようなものを感じて写真に収めた。こんなものたちが僕のアメリカの記憶を作っている。壁にはエンパイヤステートビルの写真。窓からは夜の明るい街並みが見えた。
出発前の少しの時間で辺りを散歩。早朝のタイムズスクエアの周辺、まだ人影もまばらで静かだった。鳩に餌をやらないでと書かれているが、確かに鳩はたくさんいた。右手にコダックの広告が見える。この頃のコダックにはまだ元気が残っていて僕もコダックのフィルムを使っていたが、その後のデジタル化の波に飲まれ、2012年に倒産したそうだ。
この時はホテルの近くから直行のバスで空港まで行ったと記憶している。JFKから帰路についた。