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新しい知見を基に開発した歯周病治療剤

歯周病の治療剤として開発いたしました商品「LAVENDER GEL」についてごご紹介いたします。

 2007年に株式会社ビィ・ソニックより発売された歯周病治療薬“渋柿ベールジェル”(医薬部外品)が「LAVENDER GEL」の基剤になっており、当院(東邦歯科診療所)においても長年にわたり臨床実績を上げていた商品です。
 この度、患者の要望も加味し、既存の基剤に薬効を高める素材を加えたものが「LAVENDER GEL」です。多くの研究論文(別紙)と研究会の臨床実験データを参考に厳選した生体のホメオスタシス(恒常性)効果に期待した天然植物抽出エキスで構成されていますので、飲み込んでも安心・安全に使用できます。

※LAVENDER GELは医薬品及び医薬部外品で構成されている治療剤ですが、ラベンダーエキスの配合により、ラベルの記載は国の指定する薬事法の規定の化粧品として表示しています。

この「LAVENDER GEL」を開発したコンセプトは次の通りです。

感染症治療の有力手段である抗生物質の出現は感染の防止や治療に極めて効果的になった反面、それらによる種々の副作用、薬剤耐性菌の増加が世界的な問題になっています。

日本大学歯学部付属病院歯周病科に来院した長期の局所抗菌薬療法歯周病患者の口腔細菌の薬剤耐性菌に関する研究によると、口腔レンサ球菌に関する解析を行った結果、口腔レンサ球菌に対するテトラサイクリン(tet)耐性口腔レンサ細菌が占める割合は14.6%であり、大部分の被験者から多種多様なtet耐性口腔レンサ球菌が検出されました。

 近年、分子生物学の進展によるヒトマイクロバイオームの研究で、ヒトは疾患を引き起こす微生物である病原体を保持していることが明らかになりました。病原体は健康な人に疾患を引き起こすことはなく、単に宿主や人体に生存する微生物の集合体である微生物群ゲノムと共存しています。この集合体のバランスが崩れて集合菌に変動が起こると病原体はヒトに害を与えることが判明したのです。つまり、常在菌の生理作用が発揮される機構は1種類の病原菌が一つの感染症を成立させる機構とは異なっているようです。従来の細菌を悪玉にした殺戮戦から、これからの医療は共生(Symbiosis)に基づいた生体に生存する常在菌のバランスをいかに保つかが求められています。

 口腔フローラにおける歯周病の主たる原因菌であるPg菌や歯周病菌に対しても同じ解釈ができると考えられ、口腔の慢性疾患である歯周病は勿論、Candida症や口内炎にも治療効果が期待できます。

このような知見を基に開発した「LAVENDER GEL」は口臭予防にも有効であり、在宅ならび施設における高齢者の口腔衛生管理に役立ちます。


《ジェルを使用した患者さんの声》

●寝る前につけて朝起きた時、口臭が気にならなくなった。
●口のねばねばが無くなった。
●ハミガキの際に血が出ることがあったが、ジェルを使いはじめてから血が出なくなった。
●口内炎につけたら痛みがなくなり良くなった。
●グラグラしてハミガキしにくい歯が、揺れなくなった気がする。(歯肉のひきしまり)
●虫さされにつけたら痒みがひいた。
●皮フの痒みが無くなった。
●アトピーのため、化粧品が使えず困っていたので助かった。


<商品開発の参考文献>

  1.  米国国立衛生研究所 ヒトマイクロバイオームプロジェクト ヒト微生物群ゲノムデータ

  2.   国立感染症研究所細菌第一部第六室(口腔細菌感染症室)「スパイスを用いた歯周病バイオフィルム制御法に関する研究」中尾龍馬

  3. 東京医科歯科大学口腔外科学教室「歯性化膿性炎症の臨床統計的観察」常葉信雄氏ほか

  4.   国立感染症研究所「歯周病に対する長期の局所抗菌薬療法に伴う口腔細菌の薬剤耐性化に関する研究」

  5. 日本内科学雑誌 「バイオフィルム感染症とクオラムセンシング」 舘田一博氏ほか

  6. 鶴見大学歯学部口腔細菌学教室「植物精油の口腔微生物に対する抗菌性及びバイオフィルム形成抑制効果の検討」

  7. マイクロバイオームの研究成果をいち早く消費者に届けたいスタートアップの挑戦 BiomeのCEO及び共同創設者Nareen Jain

  8. 独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構「ファイトケミカルが今、なぜ注目されているのか」津志田 藤二郎氏

  9.   Natural Medicine Data Base第6版 健康食品サプリ「成分のすべて」

  10.  国立感染症研究所細菌第一部「口腔環境の微生物抑制と全身感染症との関連性について」泉福英信 氏

  11. 九州大学 口腔予防医学分野「口腔常在微生物叢の個性と健康との関連」 竹下 徹 氏ほか

  12. 口腔内細菌叢のコントロール(セミナー,<ミニ特集>口腔衛生と薬学) 河村好章 氏ほか

  13.   岡山県立大学保健福祉学部紀要 第19巻1号2012年「乳酸菌・酵母により発酵熟成させた“植物発酵エキス”の有効性に関する研究」中島伸佳 氏ほか

  14.   歯科材料・器械 Vol.14 No.2「竹エキスの抗菌性と歯科への応用に関する研究」寺岡文雄 氏ほか

  15.   関西医療大学保健医療学部紀要 Vol.6 2012「ヨモギの抗酸化作用についての研究」戸田静男 氏

  16. 資生堂安全性・分析センター「高速液体クロマトグラフィーによる化粧品中のヒノキチオールの定量」花房文人 氏ほか

  17. 北海道医療大学薬学部 薬学雑誌119(4)237-248(1999)「薬用植物中のカフェ酸誘導体について」縣 功 氏

  18. 飯田女子短期大学紀要「甘柿と渋柿のミネラル組成の特徴」平井俊次 氏ほか

  19. 近畿大学農学部食品栄養学科研究小集会第24回「柿ポリフェノールの機能性」米谷 俊 氏ほか

  20. 神奈川歯科大学大学院歯学研究科、東北大学大学院歯学研究科「カキタンニンのポリマイクロバイアルバイオフィルムに対する酸産生抑制効果」富山 潔 氏、向井善晴 氏ほか

  21. 東京医科歯科大学歯学部歯科保存学第2講座「歯周ポケット由来Treponema属の分離・固定に関する研究」小関 健由 氏

  22. 日本歯科医師会雑誌Vol.62 No.9「歯周病に対する経口抗菌薬は有効なのか?」王 宝禮 氏

  23. 日本歯科大学 新潟生命歯学部歯周病学講座「高齢者の歯周病での抗菌療法の位置づけ」佐藤 聡 氏

  24. 抗菌薬適正使用プログラムの実施;米国感染症学会および米国医療疫学学会によるガイドライン

  25. Scientific Reports “Bacterial diversity in saliva and oral health-related conditions”:the Hisayama Study

  26. 東京大学大学院農学生命科学研究科「森林浴とその科学(現代社会に生かしたい大自然のちから)」谷田貝光克 氏

  27. アポロニア21別冊2005(11)-2006(3)連載分「天然素材フィトンチッドの新活用」

  28. 産経ニュース2015.12.21.「ヒューミックシェール(古代植物堆積層)より採取・抽出したフルボ酸、「ヒューミクル(R)HC(フルボ酸パウダー)」が日本で初めて「原材料ハイクオリティ認証」を取得!

  29. An in-vitro evaluation of the efficacy of garlic extract as an antimicrobial agent on periodontal pathogens: A microbiological study.

  30. 東京家政大学生活科学研究所研究報告「第6次産業開発健康食品「黒にんにく」が生体におよぼす影響」市丸雄平 氏ほか

  31. PERSPECTIVE“The Integrative Human Microbiome Project” The Integrative HMP Research network Consortium.

  32. 化粧品成分オンライン「植物エキスの解説と化粧品に使われる植物エキス一覧」

  33. 東京工科大学応用生物学部先端化粧品コース「機能性化粧品の展望」正木 仁 氏

  34. 岡山県立大学保健福祉学部「乳酸菌・酵母により発行熟成させた「植物発酵エキス」の有効性に関する研究」中島伸佳 氏ほか

  35. 東北大学歯学雑誌2002-06-01第21巻「歯垢生態系への生化学的アプローチ」高橋信博 氏

  36. 東北大学大学院歯学研究科口腔生化学分野「歯科生体材料の微生物学的劣化 – 最近の代謝活性の背後にある生化学的メカニズムを考察する –」高橋信博 氏

  37. 聖徳大学人文学部「超微量元素の栄養」横井克彦 氏

  38. 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯周病態学分野「歯周病対策としてのバイオフィルム制御の展望」高柴正悟 氏

  39. 東京大学医学部「生命と微量元素」講座 荒川泰昭 氏

  40. 独立行政法人労働者健康安全機構「生命機能を維持する微量元素」荒川泰昭 氏(日本微量元素学会前理事長)

  41. 久山研究「唾液中の細菌の多様性と口腔の健康の関する状態」竹下 徹 ほか

  42. 科学的報告「唾液中のミクロビオームと宿主防御ペプチドの複合解析は歯科疾患を予測する科学的報告-2019」

  43. 日歯周誌 第28巻2号「歯周ポケット内への薬剤の局所投与が歯肉縁下細菌叢および臨床症状に及ぼす影響」野口俊英 氏ほか

  44. 塩野義製薬株式会社感染症TODAY「バイオフィルム感染症とクオラムセンシング」東邦大学微生物・感染症学教授 舘田一博 氏

  45. 生物工学基礎講座バイオよもやま「Quorum Sensingと菌体増殖」宇都宮大学大学院工学研究科物質環境科学専攻教授 池田 宰 氏

  46. DOI;生物物理58(6)291-296「細胞サイズリポソームのエンジニアリング」神奈川県立産業技術総合研究所 神谷厚輝 氏ほか

  47. Fuqua WC,Winas SD,Greenberg EP: Quorum sensing in bacteria: the LuxR-LuxI family of cell densityresponsive transcriptional regulators, J Bacteriol 176:269-275, 1994

  48. Miller MB, Bassler BL: Quorum sensing in bacteria. Ann Rev Microbiol 55:165-199,2001.

  49. Production of class II bacteriocins by lactic acid bacteria; an example of biological warfare and communication Vincent G.H. Eijsink :Antonie van Leeuwenhoek March 2002, Volume 81, Issue 1–4, pp 639–654| Cite as

  50. 診療と新案 2019,56:694-697「柿渋ジェルの口腔病原生微生物に対する抗菌活性」 王 宝禮 氏ほか

  51. BMC Vet Res 2018:Safety and efficacy of aged garlic extract in dogs:  upregulation of the nuclear factor erythroid 2-related factor 2 (Nrf2) signaling pathway and Nrf2-regulated phase II antioxidant enzymes:鹿児島大学 農学部獣医学科教授 大和修氏ほか

  52. Oral inflammation, tooth loss, risk factors, and association with progression of Alzheimer’s disease. ; Sim K Singhrao

  53. What are the health benefits of lemongrass tea? Medically reviewed by Debra Rose Wilson, Ph.D.

  54. Gum disease may be the cause of Alzheimer’s-here’s how to avoid it.

  55. Periodontal disease bacteria linked to Alzheimer’s disease.

  56. Gum disease bacteria found in Alzheimer’s brains. ほか 


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