宮城県における市町村別の大学進学率調査結果 77R&C (株)が2022年度に調査
本記事では、77R&Cが調査研究した、宮城県における市町村別の大学進学率調査結果を共有いたします。
本資料は、Google検索結果でPDFデータをダウンロードしました。
本記事の一番下で、本PDFデータがダウンロードできます。
最大値78.8% (富谷市)、最小値0.0% (川崎町)、政令指定都市の仙台市は61%
１．目 的
少子高齢化や人口減少が進む中、市町村単位の地域経済においても持続可能性を高める ためには、生産性の向上が不可欠となっています。そして、地域の生産性を高めるためには、 地域における大学進学率(以下、「進学率」という)を高めることにより、人的資本の蓄積 を図ることが重要となっています。
一方、宮城県内市町村の進学率にはかなりの格差が存在しており、進学率が低い市町村 の底上げを図ることが課題となっています。進学率格差を是正するためには、格差を生じ させている要因を明らかにする必要があります。
そこで本研究では、県内市町村の進学率 の向上に資する情報を得るため、進学率の市町村間格差の要因について考察しました。
２．宮城県内市町村の進学率の概況
・ 2020年における男女計の進学率をみると、富谷市が78.8％と最も高く、次いで多賀城 市(66.9％)、仙台市(61.0％)、角田市(58.9％)、利府町(52.5％)などとなっています。 最低は川崎町の5.0％であり、最高の富谷市とでは73.8ポイントの差異があります。 男子進学率では、富谷市が88.6％と最も高く、次いで多賀城市(63.7％)、角田市 (60.3％)、仙台市(59.5％)などと続いています。最低は川崎町の0.0％となっています。 女子進学率では、富谷市が72.6％と最も高く、次いで多賀城市(70.1％)、白石市 (69.2％)、仙台市(62.5％)などと続いています。最低は丸森町の5.7％となっています。
・ このように県内市町村の進学率にはかなりの格差が存在しています。また、2010年か ら2020年にかけて市町村の進学率格差は拡大しています。
宮城県における大学進学率別の市町村数（2022年調査データ）
※分母は30
90% ～100%： 0 / 30
80% ～90%： 0 / 30
70% ～80%： 1 / 30 富谷市
60% ～70%： 2 /30 多賀城市、仙台市
50% ～60%： 3 /30 角田市、利府町、白石市
40% ～50%： 4 /30 大崎市、東松島市、塩釜市、名取市
30% ～40%： 7 /30 気仙沼市、柴田町、石巻市、岩沼市、登米市、栗原市、南三陸町
20% ～30%： 2 /30 実里町、加美町
10% ～20%： 6 /30 蔵王町、松島町、涌谷町、大和町、村田町
0% ～10%： 5 /30 亘理町、大河原町、色麻町、丸森町、川崎町
市町村のイメージ（適当です）
富谷市：転勤族が住むところ
多賀城市：遺跡があるところ、住んでいる人はいるの？
仙台市：医師、大学教員、公務員、昔から住んでいる人の生活圏
名取市：転勤族が住むところ。大学進学率が40％台なのが意外
その他：名前だけ知っている（住んでいる方はすみません）
感想
・発表されているデータは、平均値のみで語られることが多いですが、平均値に加えて、生データ、ばらつき、算出された値の計算式についても確認することが、読み手に求められると思います。
・宮城県は、200万人程度の県で、100万人程度の人口がある仙台市があるところです。それでも、仙台市から離れた場所で、かつ他県からの転勤族がいない地域は、大学進学が当たり前ではないようです。大学全入時代と報道されながらも、このような実態も確認されているので、格差を埋める取り組みが求められると思います。
・様々な要因で、大学に進学できない人が一定数いる以上、ボランティアで教育支援したり、通信制大学の制度を利用して働きながら学士号を取得する取り組みが市民レベルで取り組まれるようになれば、人材のレベルアップにつながると思います。
・名取市の大学進学率が低く、多賀城市の大学進学率が高いのは意外でした。
・市町村で、住民数が違うので、進学率だけで見ると分析結果がぼやけてしまいますので、そこは注意が必要です。
以上です。
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