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東邦出版/企画会議【お試し版6】

 書籍出版として動き出した企画も、会議で通らなかった企画も。編集部が毎週の企画会議で提案する企画をnoteに掲載。
「出版社ってこんなことしてるんだ」「この企画面白そう」「こんな本が欲しいんだけどーー」
ーーと、そんな声を交わせる場所であったり、企画会議の段階から出版に至るまでの経過をお見せする場所になればと考案中の企画です!
(※まだお試しなので、内容が変わる可能性もあります)

【お試し版】では東邦出版のアルバイターであるnote担当が、企画会議に提出した企画をアップロード! 毎週or隔週の月曜日に更新していきます。
編集部からのコメントもお見せいたしますので、何かしらの参考になれば。

思考実験フロントライン
~日本は安楽死大国になりえるか~

2019/5/13 アルバイト

●企画背景&内容
最近、デスツーリズムのニュースを見ました。
デスツーリズムとはいわゆる安楽死のための旅行ですが、それに関連した思考実験(のようなもの)がとても興味深かったので企画として挙げました。

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思考実験:「日本が安楽死を合法化したら?」

回答(※あくまで一例)
 日本が他の経済大国には無い売り込みを作ろうとしたときに一つ出来ることは、安楽死を合法化して、安楽死大国にすることだ。
 世界では宗教的に自殺が罪であるとして、ほぼ認められていない。現状安楽死は、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、スイス、カナダ、アメリカの一部の州。中でも外国人が安楽死できる国はスイスだけ(200万円くらいあればスイスで安楽死できるそうです。日本人にも利用者がいました)。
 そこで日本の出番である。日本は無宗教という珍しい文化圏である。
 →宗教観念的に、自殺に対する忌避感が薄い国民性を有していると仮定すると、安楽死の合法化によって、日本は理由なく安楽死できる国に。
 自殺大国の汚名も返上できるうえに、安楽死を望む人はお金に糸目を使わないので、安楽死の費用を含め、海外からの安楽死希望者が、日本に来てお金を落としてくれる。
 そんなデスツーリズムの実現が、安楽死の合法化によってもたらされるだろう。
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 と、ざっくりこのような具合の思考実験でした。
 もちろん法的にも倫理的にも上記のようにうまくいくはずもありませんし、極端な仮定の話ばかりにはなりますが、現実に即している分、想像もしやすく、自分の持っている知識を組み合わせて先を予想する論理的思考も鍛えられるうえ、社会問題を考えるキッカケにもなって良いなと思いました。

 トロッコ問題などの現実と切り離された思考実験の本はありますが、こうした現実問題を交えた思考実験はあまり見ません。
 障がい者や要介護の老人、難民、AIによる職業難……etc。
 多くの人が目を背けている話題に、光が当てられていく様は凄く面白いと個人的には思うので、思考実験というカタチで、色々な諸問題をまとめたら面白い一冊になるのではと思いました。

●構成案
・はじめに
・問題&解説×25題?
・終わりに。

類書の『100の思考実験:あなたはどこまで考えられるか』のAmazonのレビューには問題数を減らして解説をきちんと付けてほしい。もっとじっくり考えられるような構成にしてほしい。という声が見えたので、それらを考慮したらこのくらいの問題数と解説がちょうど良い塩梅なのでは、と。

●類書
『100の思考実験:あなたはどこまで考えられるか』2012/03〜

『論理的思考力を鍛える33の思考実験』2017/05〜

ーーー編集部からのコメントーーー

すごく、すごく好きだけど……
「売る」ということだけ考えたらNGでしょうけれど、中身は面白くなるはずです。
思考実験は面白いですが、テーマが安楽死だと暗すぎる…
↑同じく
実際に社会で起こっている問題を取り上げるのはいいですね。ただ重く堅い本にするよりは、気軽に思考する楽しさを味わえるほうが、一般向けなのかと思います。
思考実験は面白いと思います。あらゆる回答があると思うので、それを拾いきれるかどうか。
面白そうです。炎上すると思うので、それに耐えられる著者がいれば◎
思考実験というのは面白そうです。解説が少し難しそうではありますが。

ーーー


 企画は以上になります。
 内容の評価はおおむね良い感じでしたが、話題がアウトスレスレ、きわどい分野ですから、大衆に売るという観点から見ると書籍化は難しいとのこと。

 専門性の高い医学や工学分野の書籍もそうですが、専門性or偏好性をどこまで希釈するか。独自の面白さを保ちつつ大衆向けにするならどの辺りが妥当なラインか。しっかりと考えなければいけませんね。

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