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会社を辞めるのではく、直属の上司から離れたいから辞める

先月上梓されたギャラップの『まず、ルールを破れ』(日本経済新聞出版)を読んでいます。

この本は私が「Gallup Global Strengths Coaching」の連続4.5日間の講習を受けた時のトレーナーだった大岸良恵さんが翻訳したということで、昨年末に同じ講習を受けた仲間たちとの忘年会で大岸さんにお会いしたときに、強く薦められ早速NTP(ノータイムポチ)して買ったはいいけど、積読してあった本です。
 
この本の第1章には実に面白いことが書かれています。
 
ギャラップは得意の調査力で、2,500の事業部門で働く105,000人にインタビュー調査を行い従業員のパフォーマンス指標について検証し、導き出した多くの項目の一つに以下のような明確な答えがあります。
 
「従業員が会社を辞めるかどうかは、その直属の上司による影響が最も大きい」という事実です。

「従業員は会社を辞めるのではなく、直属の上司から離れたいから辞める」


それに対して会社は、さらに高い報酬や福利厚生、高度なトレーニングなど、優秀な人材を引き留めるために膨大なコストをかけてきましたが、問題はそうしたコストではなく、直属のマネージャーだったというのです。
 
「もし皆さんの会社の定着率が悪いなら、現場のマネージャーに焦点を当てた方がいい。」

毎年「働きたいと思う企業ベスト100」という調査が行われますが、ギャラップはこの調査には片手落ちな部分があると指摘しています。

「社内に託児所はあるか」「年休は何日か」「利益配分のオプションはあるか」「従業員トレーニングは充実しているか」などの項目を調査していますが、社員が働きたいと思う動機となる最大の要因は「直属のマネージャー」にあると言います。

直属のマネージャーが、従業員一人ひとりと期待値を明確に設定し、理解させ、信頼して任せ、成長を後押ししてくれれば、会社の利益配分制度などなくても耐えられます。

逆に直属のマネージャーとの関係が壊れていたら、社内でマッサージを受けられるサービスや格安で美味しい社員食堂のサービスがあろうとも、その会社に居続けてパフォーマンスを発揮し続ける気にはならないでしょう。

先進的で従業員重視の文化を持つ会社の「ひどいマネージャー」のもとで働くのと、昔ながらの会社の「優れたマネージャー」のもとで働くのとでは、どちらがよいか。

答えはわかるはずです。

そのくらい企業にとってマネージャーの良し悪しは重要なのです。
会社内には良いマネージャーと悪いマネージャーのどちらかしか存在しません。

問題はその事実に経営者が気づくかどうかです。

この本は読了していないので、最後まで読んだらまた感想を書きます。

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