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文化庁の「公用文作成の考え方」は誰にとっても役に立つ

はじめに

文化庁がこんな文書を出してくれた。

「表記、用語、文章の在り方等に関して留意点をまとめたもの」と本文中に書かれているとおり、行政に携わる人たちが文章を書く際気をつけるべきことが記載されている文書だ。ネットで文章を書いている一般人(つまり私)にも参考になる部分が大いにあるのではないかと思って読んでみた。
実際わかりやすかったし腑に落ちた。タイトルの通りである。
しかし、こうも思った。
私の文章がどうにも堅いのって、公用文と同じように書いているからかもしれない、と。

親しみの持てる文章ってどんな文章?

『公用文作成の考え方』にはこうあった。

文書の目的や種類、読み手にふさわしい書き方をする。 親しさを伝える。敬意とのバランスを意識し、読み手との適度な距離感をとる。

2ページ目に書いてある

noteで発表するような文章はフレンドリーなほうがいいよね。文化庁もそう言ってる(と読める)。
そうは思っているのだが、だからといって、口語で書いたり砕けた文章を書くことにはなんだかためらいがある。

私は文章を書くとき、国語事典にまだ載っていない言葉、誤用かどうかまだ議論のある言葉(例:憮然)、ネットミームをあまり使わないようにしたいと思っている。
FFについての話を書くときはFFの言葉だけで、ドラクエについて書くときはドラクエの言葉だけで語りたいと思う。ほかの作品と対照する必要があるときだけほかの作品の言葉を使いたい。そうしないと意味がわからない読者が出てくるのではないかと不安に思っている。
そう考えながら書いていると、ネットの人々にウケる言葉を全部封印する羽目になる。
私自身は人と話すときに忍殺語を使ったり、ブロント語を使ったり、「なんとかなれーッッ」とか「それって……○○ってコト!?」って言ってしまうオタクだ。「流行の○○は嫌いですか?」もすぐ言う。
しかし、こういう言葉が常に周りにも伝わると思ったら大間違いだ。世の中には「だが断る」を知らない人だっているはずなのだ。高橋一生のおかげで知名度は上がったかもしれないが。
友人と話すときは別にこれでいいだろうし、相手が元ネタを知っているかどうか把握した上で話している(はず)。
しかし、ネットで発表する文章は、誰が読むかわからない。読み手にふさわしい書き方とはなにか、読み手との適度な距離感とはなにか、と考え込んでしまう。
そんなことを考えているから四角四面な文章になってしまうんじゃないかと言われたらそれまでだが。

noteでは主にエッセイ、コラム、といったものに分類される文章を発表していこうと思っているのだが、この微妙なお堅さを払拭するように努めるべきなのか、それともこの堅さも自分の文章の味だと思って書き続けていくべきなのか、ちょっと悩んでいる。
そもそも、行政が出す公用文作成のための手引きが自分の役に立つのではないかと考えた時点で、なにかが決定的にずれているような気もしたのだが、それはそれとして、この文書に書いてあることを実践すれば、文章がきれいになるのは間違いない。
難しい言葉は使うな、専門的すぎる言葉を使うな、カギ括弧とはこうして使うものだ、句読点はこう打て、漢数字と算用数字はこう使い分けろ、といった非常に基本的なことが書かれている。
役に立つのは間違いないので、文章を書くのが好きな人は一度読んでみるといいと思う。

🔻お堅い文章を書いてしまいがちな人間が書いた小説はこちら🔻

徹底したハイファンタジー&少年バディ青春ものです。
ナイトでアイドルだからナイドルっていうネーミングは全然お堅くないと思う。


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