ドンくさい右脳派

ある日、グループ展を開催中の友人からこんなメールが届いた。

オレは右脳が得意な人を〈右脳派の人〉と呼んでいる。
右脳派の人は「思い」が強い。

オレはよく忘れ物をする。不器用の証拠だ。
「今日は運動会だ!みんなにいいとこたくさん見せられる!」と強く思うあまり、
紅白帽子を忘れて、途中で戻る。毎年だった。
「ジムにナル早で行かないと、さっき食べた炭水化物がもったいない」と強く思うあまり、室内用シューズを忘れて戻る。週一くらいのペースでだ。

〈思い〉が強いと、〈不器用の証拠〉の忘れものをする。

オレの友人はグループ展の為の準備が大変そうだった。
たぶん、その〈不器用〉にも苦しめられたのだろう。

きっと
「みんなに迷惑はかけられないな」とか
「和を乱さないように」とか
「ちゃんと間に合わせなきゃ」とか
「この絵はこうしなきゃ」とか
とても強く思ってしまうのだろう。
しかも彼女はそれが得意な〈女性〉だ

その結果、サクサク効率よく物事が進まないのだろう。

彼女は右脳派の達人のような人なのだ。

その代わり彼女は〈いい事〉も強く思う事が出来る人だ。
「愛とか優しさとか慈しみとか好きとか嬉しいとか」をとても強く思う事が出来る。強く思ってしまう。

だから〈オレの忘れもの〉みたいに、不器用の証拠を残すのだろう。

だから不器用なのはしょうがない。あきらめよう。それしかないからさー。

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