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当麻の記憶#16 平成初期の昔話

開基100年の年は、全町民対象の大運動会、当麻鐘乳洞・JR当麻駅前と2日間の日程で行われた蟠龍伝説フェスティバル、NHKのど自慢大会など町をあげての催し物が盛大に行われました。その中、メイン行事として行われたのが9月1日にスポーツセンターを会場に行われた「開基100年記念式典」でした。式典では、未来への宣誓書を2人の当麻中学校3年生が読み上げています。
「テレビで見たことのある人もいて緊張したことを覚えています」と話すのは、代表として登壇した一人の波多野麻姫さん(昭和52年4月24日生)。当時、当麻中学校生徒会の副会長だったことから、生徒会長とともに代表に抜擢。用意された宣誓書の内容は覚えていないが、リハーサルで何度も入場の練習をやり直したことだけは覚えていると笑います。波多野さんは中学時代、吹奏楽部に所属。開基100年の年は町内さまざまな場所で記念行事が開催され、演奏のために呼ばれることが多かったと振り返ります。この頃は学校週休2日制が段階的に始まった時代でした。土曜日の過ごし方が大きく変わったのでは?とお聞きしましたが、高校時代を含め、必ず部活動が入っていたので、さほど生活は変わらなかったと話しました。

開基100年記念式典の様子


小学生の時に学んだ校舎は赤レンガ校舎。特徴的だった構造の校舎は、廊下が長く、ジグザグの形をしていたので、教室から隣の教室が見えたことが印象的だったと話します。波多野さんはお父さんが指導者をしていたことからトランポリン少年団に所属。まだオリンピックの正式種目になっていない時代(2000年のシドニーオリンピックから正式種目)で競技人口も少なかったため、大会に出場すると上位に入賞することができ、広報紙「我が郷土」にはよく掲載していただいたと笑います。この頃、男女問わず子どもたちの間で流行していたのが、アニメ「ドラゴンボール」でしたが、放送している時間帯はトランポリンの練習が入っていたため友達と話が合わなかったそうです。また6年生の時に消費税3%が導入され、遠足のおやつ300円分がなかなか計算できなくて、悩みながら購入していたことを覚えていると話していました。
「昔、歴史公園の場所にお弁当屋さんがありましたよね~」と盛り上がる中、タイムカプセルがその場所に埋められているとは知らなかったと驚く波多野さん。しかし、中に納めた作文に何を書いたかは何となくだが記憶があるそうで、その記憶の片鱗を語ってくれました。テーマは30年後の当麻についてだったとのこと。波多野さんは“ドラえもんでの世界観のように、さまざまなものが発達しているだろうが、当麻の自然は残っていてほしい”とメッセージを残したとのことでした。

平成4年タイムカプセル埋設の様子


役場のすぐ近くにある実家から、旭川市に通勤している波多野さん。窓から見える風景で変わったのは新しい役場庁舎になったこと、愛泉苑ができたこと、そして田んぼだった場所にニュータウン当麻団地ができたことと話します。自然の風景は変わりなく、閉店したお店もあるが、新しいお店もできて、うまく昔と今が混ざり合った街並みになっているのではないでしょうかと笑顔を見せました。