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第一弾の試作品ができた!

”お仏壇の代わり”の試作品がこれ!

父のお仏壇探しからはじまって”仏壇の代わり”になる品を作ろうか・・・と考えはじめた私。

まわりの皆さんの協力を得ながら、”直角の達人”に造ってもらった最初の試作品がこちらです。

遠憶
第一弾の試作品

まずは、シンプルな白木、ホワイトアッシュで造りました。
”広辞苑”くらいの大きさで、書籍のように表と裏に扉がある木箱です。

中に遺品を入れるので、自分と遺品を繋ぐために、丸い穴をひとつ開けてもらいました。
これならば、最終的に本棚にしまっても故人と繋がっている感じがすると思ったのです。
でも、この穴から埃が入ってしまうのが気になるなぁ・・・

試作を見た人の意見は?

試作品を持って、あちこちの知人のところへ出かけて行きました。

丸い穴を見て「鳥の巣箱ですか?」という人がいたり、自分は無宗教だからこういう発想はいいね。と言ってくれる人がいたり、我が家は仏壇を大切にしているからいらない。という人がいたり、実にさまざま。

宗教色のないスタイルに共感する人、共感できない人、いろいろでしたが、持ち歩いて見てもらうことで問題点にも気づきました。
この試作を片手で持つことができない・・ということです。この課題を認識しましたので、背幅をもう少し狭くしようということになりました。

ガラスを埋め込んでみる?

鳥の巣箱に間違われた、この丸穴。
ガラスを埋め込みしてみてはどうかと考え、知人のガラス作家さんに相談をしてみました。
すると、手作りの吹きガラスになるので、木枠にはめ込むサイズを作るのは現実的には難しいとの回答でした。
なるほど・・・・
最初の大きさ合わせはもちろん、木とガラスでは収縮率が違うので、長期的に安定した作品に仕上げることは難しいのだそうです。

シノと呼ばれる技術は凄い

”直角の達人”の仕事ぶりは好評でした。
この試作、本体は白木のホワイトアッシュですが、薄くした黒檀を埋め込んでいます。これが”直角の達人”の見せてくれた、昔ながらの手仕事の技です。

無垢の木材は、反ってしまったりする可能性がありますが、このように硬い木の黒檀を薄く削って間に挟み込むことで、強度を高めているのです。

私たちが普通に見ている木製品では、なかなか見かけない仕事です。
徳島の木工職人さんは「シノ」と呼んでいる技。
調べてみると、挽込み留継ぎ(ひきこみとめつぎ)とか、かんざし継ぎと呼ばれる技術のようです。
これがかっこいいのです!

遠憶
薄い黒檀の木を間にはめ込んでいる「シノ」という技

そして、ネーミングは?

さて、試作品を見ながら、商品のネーミングも検討しなければなりません。
”仏壇の代わり”です。
祈る、供養、祈祷、遺品、遺影、しまう、おさめる、美、音、絵・・・など、キーワードをあげながら検討をしはじめました。
外国語で箱を連想させる言葉を調べたり、コフレ、エクラン、ボワット・・・

こういうアイデアって、本を見ながら、あるいはスマホやパソコンの前で考えているときには浮かばないものです。

ある時、車を運転しながら思いついたのが「遠憶」でした。

大切な人を見送って、その人を思う時、遠い記憶にある何かを思い出します。外国語よりも、漢字がしっくりくるような気がしました。
「遠憶」と書いて、「とおく」と読むことにしました。

そうと決まれば、今度はロゴをデザイナーさんにお願いする段階です。

その話は、また次回に・・・。





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