南平台の記憶・その9 東横デパートのアドバルーン写真を見つけた
渋谷駅周辺の昭和40年代ごろまでの開発の歴史を知るのに便利なウェブページがまだまだあった。
これらを参考にさせていただき、渋谷駅周辺の、昭和40年代までの主要な商業施設の建物の竣工年代をざっとさらってみたい。ただし、わたしの勘違いなどがあるかもしれず、内容はあくまでも参考までにご覧ください。
名前だけではピンとこないものもあったので、ウェブサイト・「渋谷文化プロジェクト」が作成してくれた、東急東横店のわかりやすい立体図も借用させてもらうことにする。
(取り上げた建物はすべて建て替えられたか、建て替えられることになっている。名称は営業終了時点のもので、【 】内は閉業日。その後の建て替えについては省略した)
・東急東横店東1号館 昭和9(1934)年11月 7階建【〜2013.3.31】
・同東2号館 昭和12(1936)年【同上】
・玉電ビル(のち東横西館になる)昭和13(1938)年12月(2階に玉電ホーム。同月銀座線が開通しS14から3、4階に銀座線。東1号館との間にあった遊具ロープウェイ「ひばり号」の運行時期はS26夏からS28半ば)【〜1953】
・東横東2号館4〜7階部分増築 昭和26(1951)年10月(同月東館1階に東横のれん街オープン)【〜2013.3.31】
・同中央館 昭和29(1954)年10月(着工28年10月)【〜2020】
・同西館 昭和29(1954)年11月(玉電ビルを11階まで建て増し、当初は「東急会館」。当時国内で一番高いビルになる。ひきつづき2階に玉電ホーム【〜S44.5.10玉川線、砧線廃止】。3、4階に銀座線)【〜2020.3.31】
・同東3号館 昭和31(1956)年【〜2013.3.31】
・東急文化会館 昭和31(1956)年12月(プラネタリウムは翌年4月開業)【〜2012.4.26】
・東急プラザ 昭和40(1965)6月【〜2015.3.22】
・東急本店 昭和42(1967)年11月【〜2023.1.31】
・渋谷西武百貨店 昭和43(1968)年4月【建て替え計画中】
・東横南館 昭和45(1970)年【〜2020.3.31】
・渋谷マルイ 昭和46(1971)年【〜2022年8月】
・渋谷パルコPart1 昭和47(1972)年6月【〜2016年】
・渋谷パルコPart2 昭和49(1974)年12月【〜2007年】
なお玉電ビルについては下の記事を参考にさせていただきました。
こうして渋谷のことを調べているうちに、デパートのアドバルーン写真が見つかった!「東急100年の歩み」に掲載されている多数の興味深い写真のうちの一枚だ。
なんと、この日には合計6個もアドバルーンが揚がっているではないか。背の高い「西館」に集中しているが、東館からもひとつあがっているのが、前回のジオラマで見た通りで面白い。文字はよく見えないが、ひとつの下部に「山一證券」と書かれているようにも見える。デパートのアドバルーンというのは、自店大売り出しの景気をつけるために揚げているものとばかり思っていたが、こうしてみると、第三者への宣伝スペースも提供していたのかもしれない。
そして、もう一つ。
このテレビ朝日ニュースの動画は昭和42(1967)年暮れに撮影されたものだそうだが、東急本店から揚がっているらしきアドバルーンが写っていた!
3分9秒のあたりを注意してご覧いただきたい。
このヘリコプターからの撮影動画には廃止直前の玉電の様子や、東横南館建設前の渋谷駅西口の2階建て駅舎、そして何より驚いたことに、わたしの住んでいた南平台社宅アパートまでが写し出されていた!
極私的に、「超」のつく貴重なものだったので、日を改め、細部までじっくり眺めることにしたい。