エスポア譚1 有価証券報告書と大株主、主要株主、議決権 ~エスポアに絡めて~
6/22現在
名証ネクスト市場に上場されている 3260 エスポア 、委任状合戦(プロキシーファイト)が起きるかもしれない状態になっています
その時のために、一般的に「株をたくさん持っている株主とは?」そういったことをまとめておこうとかと思います
有価証券報告書の大株主
株主総会に使用される資料として有価証券報告書があります
この資料の中に大株主の状況の記載があります
これは株の持ち主のうち上から10位程度の法人や個人を記載するようになっているんですよね
財務会計基準機構の『有価証券報告書の作成要領(2024年3月期提出用)』の中に「大株主の状況」の記載要領があったので抜粋しました
※新株予約権について※
新株予約権については『株』ではないので、有価証券報告書の「大株主の状況」欄には記載されません
先日エスポアの有価証券報告書の「大株主の状況」についてまとめていた時にわたしはこの事をわかっていなかった ので、あらためて書かせていただきます(前記事を読んで頭に入れてくださった方、もうしわけありません)
根拠法は会社法第2条第21号、会社法第252条です
EDINET
有価証券報告書で確認が出来た日付以降の株主の移動については、EDINETで大量保有報告書や変更書を見ながら整理していくことになります
☕コーヒータイム
ちなみにEDINETは電子申請の仕組みしかなく、紙で出すことは出来ないです
大量保有報告書とは
大量保有報告については金融商品取引法のなかに定められています
「株券等保有割合が5%を超える場合」に報告義務発生日の翌日から5日以内に報告
そして株券だけでなく新株予約権も含まれます
変更報告書とは
変更報告書は、大量保有報告書の提出後に保有割合が1%以上増減した場合に報告義務発生日の翌日から5日以内に報告、です
訂正報告書とは
人には間違いがある、それはわかる・・・でも大量保有報告書の訂正報告書には提出期限がないんですよね
だからEDINETの書類がワケがわからなくなるんッスよね💢(・д・)チッ
2年前の大量に訂正されても追えんじゃろ…ミッチャン
☕コーヒータイム
ちょっと整理しておくと
○大株主・・・有価証券報告書の作成時に所有株式数の多い順に10名程度
○主要株主・・・発行済株式数のうち10%以上を所有している者
○大量保有報告が必要な者・・・発行済株式数のうち5%以上を保有することになった者でEDINETに電子申請で報告が必要となります
こんなふうになりますね
議決権とプロキシーの関係
会社の株を持っている人であれば議決権があります
現物株を持っている人であれば、株を持っている会社から株主総会の1ヶ月くらい前にお手紙が来ますよね
おおよその皆さんはその議決権をもとに、会社の株主総会の議案に対して賛成か反対かを記して電子申請するかお手紙を返信していると思います
さて
この、あなたの株主総会での議決権、これを他の方にお渡しするためには、議決権行使を委任する必要があります
日本の会社法では、株主は他の者に自分の議決権を代理行使させることができます(根拠法は会社法の第310条第1項、2項、3項)
この手続きは「委任状(プロキシ)による議決権行使」と呼ばれます
そしてプロキシーファイト(委任状争奪戦)とは委任状を争奪する=総会での議決権を争奪する ということになります
議決権保有による株主総会での支配力とは
議決権の量により株主総会の権限がかわります
根拠法は会社法第309条第1項
まず、議決権を過半数以上持っている場合以下のような事項を単独承認できます
取締役や監査役の選任・解任
利益配当の決定
会社の基本方針の決定
おまけ
ちなみにですが、議決権の3分の2以上の賛成があれば以下のようなことが来ます
これらは特別決議という特別重要な事項とされます
もちろん単独で議決権(株)を持っていなくても、2/3以上の賛成があれば可能なことです
定款変更
資本金の減少(資本金の減少や株式の分割・併合)
会社の合併、分割、株式交換、株式移転
会社の解散
3260 エスポアに関して他にもnoteを書いています
よければ御覧ください