安全を確保する

トラウマの回復に必要な最初のこと、それは安全を確保すること。「心的外傷と回復」などを読んでもそれがよく書かれている。


安全とはなんだろうか?一つ目はやはり物理的な話だ。殴られない、性的な虐待を受けない、暴言がない、そういうところ。その点では自分はいま一人暮らしだし休学しているので大丈夫だろうと思う。

二つ目にあるのが自己効力感というのか、自分には力があるということ。セルフケアをできる、判断できる、自分を守れる、そういうもの。困難があっても助けを求めたりして乗り越えられるという考え、だろうか。

わたしにはこれがない。本当に全然ない。セルフケアにしても最近やっとできるようになってきた。「自信のないセルフ」の記事にも少し書いたけれど、自分を守ることができる、という気持ちについては一切感じられない。

その原因について考えてみる。大きなものは、一人で生きていく力があると思えない、ということだと思う。それなりの歳になってしまったが、大学に長居しているので自活というものをしたことがない。仕送りももらってるし。家事なんかは一人でもできるけれど、全体として一人で生きていけるという気がしない。
これに関してはずっとミスったなと思っており、就職のチャンスもあったのだけれど、色々考えた結果それもやめてしまった。理由のひとつは自分の考えで、もう一つは母親がわたしを依存対象としているからだと思う。


つまりは自活できるという自信が回復に繋がると考えられる。ただこれに関しては本で読んだことと自分の感覚しか根拠がない。心理士や医師はそのことについて触れないからだ。自分がお金や将来の心配について相談したことはあるけれども、卒業して就職したら解決するという程度にしか取り合ってもらえなかった。

さて、ではどうしたらいいのかについて。ここでややこしいのは、さっさと大学を卒業してうまいこと働くことができれば安定した生活が保障されているということだ。なぜなら今の学部が資格を取って卒業できるし、それで就職もほぼ問題ないから。つまり、数年頑張ったらいいじゃないか、と周りの人間が考えるのも一理ある。

しかし、ここにも色々問題がある。そうですね、ということで復学してがんばる。一度はそうしたけれど失敗した。つまり上手くいかなさそうな方法ということだ。原因は色々考えられるけれど、うつ状態やトラウマが回復していない、というのが大きい。そして回復のためには安全の確保が必要で、そうなるとやはり自活の問題に直面する。

それならば休学中に自活の糸口を掴むというのが良さそうだ。それについて考えてみる。
もし大学に居続けるなら、必要なのは学費と生活費である。それをアルバイトで賄うということになる。いきなりそうするのはハードルが高いので、少しずつバイトをして生活費を工面する。そこまでできたら、学費については借金も視野に入れていいかもしれない。時間はかなりかかりそうということ、いきなりバイトをがっつりやると体調を崩しそうという問題は一応ある。
この点で悩ましいのは、先に病院やら福祉やらに繋がるべきか、ということかもしれない。この辺りの機能について、ここ数年でかなり疑わしく思っている。少なくとも全面的にアテにするのはダメだと思う。

さて、もっとラディカルな方法として、大学を辞めるというのがある。つまり就職する。その前に福祉のお世話になる期間も挟まるかもしれない。それについてはどうだろう。かなり損失な気もするけれど、もし回復するなら必要な犠牲とも思えなくもない。というのも、もし回復があまりうまく行かないままに無理に卒業しても、たぶんちゃんと働けないのではと思うからだ。この問題はどちらのパターンでも付きまとう。結局回復と自活が鶏と卵のような関係であり続ける。


アダルトチルドレンだとか複雑性PTSDだとか言って、結局親の金の世話になっているではないか--そういう意見なり、自分で自分を責める考えなりをよく感じてしまう。いいご身分、というやつだ。確かに一面恵まれている。一方で、親から自由になれないという点では面倒くさいものを抱えてもいる。親の無言の期待とか圧力、それによって回復が妨げられている感じ。この点について言及するような本も少ないし、経験談もなかなか見かけない。自分で考えるしかない。でも、ここに書くことによって、もし似たような境遇にいる人のちょっとしたヒントになるといいな、と思う。

というわけで、今月は今の自分にもできそうなアルバイトを探して応募するというところからやってみるつもりです。

いいなと思ったら応援しよう!