労働基準法に守られたい
わたしは大学生なので、ちゃんと労働基準法に守られたことはほぼない。
初めてそれを思ったのは、研究室で指導教員に「明日のプレゼン、やっぱり英語にして」と言われた時である。夕方くらいに。帰宅が夜中になるのが確定した瞬間だった。夜8時くらいに、半分しか終わってないスライドを見ながら守られたいと思った。せっかく余裕を持って資料を仕上げたはずなのに。
もちろん、会社勤めでもこれくらいの理不尽ごまんとあるだろうと思う。もっと大変だとも思う。しかし、これを言うやつは自分の権利を無視しているのだと、法律の根拠を持って怒れるのと、ただ最悪だとしか思えないのは違うと思った。これが続くなら証拠を持って辞めてやると思えるのと、どこに訴えても解決しないと諦めるのは全然違う。
場所によるとは思うけれど、研究ってなぜかブラックで、終電逃しがちである。わたしの計画性のなさなのか?いや、そのパターンもなくはないけど、朝始めてもどう頑張ってもこれ終わらないよなという実験もある。分割もできないし延期もできない。まあやろうと思えばできるんだけど、教員のプレッシャーの前でそれはちょっと難しい。そして長時間労働を咎める人は誰一人いない。月に1日休んだらラッキーという人はそんなに珍しい存在ではないと思う。
いまは精神疾患になって休学しているのだけれど、休学届を出すのにも一悶着あった。届を出すにも親のサイン(いや成人してるのだが)、なのに提出は本人でないとだめ、みたいな。動く気力もないのに。会社なら場合によると思うけど郵送なり産業医を介するなりできるのではないか。
しかも、それに伴う各方面への連絡は個人任せときた。事務から、各教員から、となると寄越される連絡は膨大である。全部処理しろということか。そうらしい(事務の人がめんどくさいという声音で自分でやれと言ってきた)。
いや、でもたぶん、会社もこんなもんだな。けれど、公務員とか大企業とかで、産業医や保健師などがきちんといるところだと、労働者の間に入って取り持ってくれ、仕事の話を直接されないように配慮がある。少なくともある職場が存在する。ない職場の人は怒っていいと思う。
それよりもっと前だと、合理的配慮のお願いもしたことがあるのだけれど、面談が4回くらい、なんか偉い人とも話さなければならず、これも負担がめっちゃ大きかった。一度は頑張ってみたものの、もうやりたくない。配慮の配慮まで必要になっている。確かに平等を担保するために必要な部分もあるだろうけれど、それ以前に配慮を受けさせないためのシステムにすら思える。聞いたところによると途中で挫折する人の方が多いらしい。
そんで、まだありますが、昔バイト先でセクハラにあったことがあるのだけれど、個人経営のところで他に相談先もなく、そのまま辞めたこともある。これに関しては学生というより小さいところで働く人の悩みなのかもしれない。たぶんよくある。
労働基準法を引き合いに出してみたけれど、要するにちゃんと人権を守られたいということだ。いちばん権利として法律が整備されているマシなところが労基法に思えるので、参考になるのかなと思った。労基法守らない事業所もたくさんあるとは思うけれど、それらは明確に法律違反であるので、権利侵害の主張をしやすい。しかし、学生だとかの身分で遭遇する微妙な理不尽には法律がない。だから主張する根拠が難しいと感じる。ただ、書いてみて労基法もカバーしてないところとか、カバーしてたとしても理不尽なところとかはまだまだあるなと思ったので、労働者だけいい思いしやがってなんてことは全然思えない。誰の権利も守られてないのかもしれない。
学生だけでなく、フリーターとか、専業主婦とかニートとか、個人事業主とか、「雇われていてある程度の時間働く労働者」という括りに入らない人間を守れるようなシステムが全然見当たらない。健康診断を義務付けられたりもしてない。労働時間を決められてもない。相談する窓口もあいまいで、最悪窓口なんてない。この世が資本主義過ぎる。働かないと人間じゃないということを言いたそうである。
甘えた学生の言い訳に見える部分もあるのかもしれないけれど、でも権利は誰にでもあるはずだ。それを守るシステムがないのはおかしい。
ほぼ自分の愚痴しか書かなかったけど、もう少しシステム的なところだったり、現状でも使える仕組みを調べてみたいなと思う。それでいつかはもうちょっとマシな社会にすることに貢献したいけれど、それよりは自分を癒すことが先だ。