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【モロッコ一人旅】地元のハマム(銭湯)で入浴した話

2024年12月にモロッコ一周してきました。
アラブ地域ではハマムという公衆浴場が町中にたくさんあります。モロッコでは観光客向けのスパやマッサージが着いた高級ハマムが人気ですが、私はそんなお金は無いし地元の人の暮らしを体験したかったのでローカルハマムに入ってきました。

ローカルハマムの情報ってネットで調べてもあまり出てこないんですよね。入り方もわからないし、清潔さや安全面も実際に行くまで不安でした。なのでこの記事がハマムにチャレンジしたい人の助けになったら嬉しいです。

カサブランカのハマム

宿のシャワーが使いにくかったのでハマムを初体験することにしました。Google Mapで「hammam」と検索するとホテルから徒歩2分のところにそれらしき施設がヒットしました。Google Mapでは「詠春拳教室」という謎の施設として登録されていましたが、クチコミにはハマムと書かれているのでとりあえず現地に向かってみます。

メディナ(旧市街)の路地を彷徨っていると、ある建物の煙突から蒸気が出ています。そして大きなバケツを抱えた人が入っていきました。看板はアラビア語なので全く読めませんが恐らく男性と女性で分けられた入口。これだけ条件が揃えばこの建物がハマムで間違いないでしょう。

質素な入り口ですが中は洗練された美しい建物でした

入口の番台にいるおばさんに声をかけると英語を話さない方のようでした。とりあえず「ハマム、ハマム」と連呼したら金を出すようジェスチャーで伝えられたので試しに20DH紙幣を出しました。10DHのお釣りが返ってきました。日本円で150円。とても安いです。

私が入り方がわからずオロオロしていると、番台のおばさんが旦那さんらしき人を呼んでくれました。おじさんに連れられて一つ目の部屋に行きます。ジェスチャーで服を脱ぐよう言われました。パンツ(こういう時のためにトランクスの水着を持っていた)以外すべて脱ぎます。服を袋に入れろと言われ、その袋をおじさんに渡すと袋はカウンターの棚に置かれました。バケツ2個と手桶1個を渡されて次の扉を開けるよう言われました。いよいよ浴室です。

浴室もきれいなタイル張りの部屋で、各所の壁に2つずつ蛇口が付いていてそれぞれから熱湯と冷水が出ます。これをバケツに汲んで自分でちょうどいい温度のお湯を作ります。そしてそのお湯でひたすら身体を洗います。浴室内に浴槽はないですが、熱湯の蒸気で暖かくなっています。サウナのような感覚で身体を温めます。また浴室は3つに分かれていて奥の方に行くほど温度が高くなっています。しばらくの間ぼんやり床に座っていました。

入浴が終わって更衣室に戻ると、さっきのおじさんが服の袋を渡してくれたのでバケツを返却しました。入浴中きちんと荷物を見てくれるので安心でした。

他の利用者は皆地元の人で珍しいアジア人がいるので声をかけてきました。フランス語を話せる人がいたので日本から来たと言うととても歓迎してくれました。あと帰りは髪が濡れているので頭にタオルを巻いて歩くといいよ、とジェスチャーで教えてもらいました。

シャフシャウエンのハマム

シャフシャウエンでもホテルの近くにハマムと書かれた看板を見つけたので入ってみることにしました。こちらは男女に分かれているのではなく、時間ごとの男女入替え制です。私はそれに気づかず女性の時間に行ってしまい、お向かいの店の人に止められて1時間後に出直しました。

青の街シャフシャウエンに相応しい美しい入り口

価格は20DH(300円)で入る手順はカサブランカの時とほぼ一緒でした。更衣室も青を基調とした伝統的なタイル張りの部屋で美しい。入ると地元の中高生が5、6人と中年の方々も何人かいて賑わっていました。こちらは2番目の浴室に冷水の水槽が、3番目(一番奥)の浴室に熱湯の水槽があり、それぞれから専用のバケツで水をすくいます。番台で借りる個人用のバケツを直接水槽に入れてはいけないというルールでした。地元の人たちは、私がそのルールを知らないだろうと考えて私のためにお湯を用意してくれました。こういう気遣いがとてもありがたかったです。身体を洗うときは周りの人に水がかからないようにシャワールームのような仕切りがある空間に行きます。広い浴室では皆床に寝っ転がってゆったり身体を温めていました。

ちなみに係の人に頼めば垢すりをやってくれるみたいでした。隣のおじさんは浴室の床に寝ながら全身の垢すりをしてもらっていました。

帰りはカサブランカで習った通り頭にタオルを巻いてホテルに戻りました。ホテルのお兄さんにすっかりモロッコ人になったね、と褒められました。

ハマムに行くときの持ち物

  • タオル

  • 着替えの下着(下着のまま入浴して濡れるので必須です)

  • 石鹸

  • 小銭(大金やクレジットカードは持って行かない)

  • 袋(脱いだ服を入れて預けます)

サンダルは浴室を裸足で歩くことに抵抗がある人は持っていくとよいでしょう。シャフシャウエンの方では無料で借りられました。しかし皆床にどっかり座って身体を洗っているし、寝っ転がっている人もたくさんいます。それに浴室のタイルは清潔に掃除されていたので、私はサンダルの必要性を全く感じませんでした。

まとめ

モロッコ旅行中、ホテルのシャワーはあまり性能がよくなく、乾燥地域なので夜の冷え込みも激しかったので温かいお湯を好きなだけ使える場所があるのはとてもありがたかったです。普段イギリスにいても寮の風呂は汚くて入っていないので久しぶりにこんなに身体が温まった気がします。

浴室は隅々まで掃除が行き届いているし、荷物も番台の人がしっかり管理してくれるので、心配だった衛生面・安全面も全く問題なく快適に入浴できました。アラビア語が話せない私に、地元の方々が身振り手振りで入浴方法を教えてくれたことにも感謝です。

観光客向けの高級ハマムも憧れるけれど、懐にやさしくて地元の人と交流できるローカルなハマムに冒険してみるのもよい思い出になります。今後モロッコに行く人はぜひチャレンジしてみてください。


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