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【CANNONDALE】のヴィンテージバイクを使って10年先を見据えた夢のプロジェクト!■2024年01月20日更新


広島県広島市にある『動く自転車屋』『自転車の便利屋』サイクルサービストグトのnoteをご覧いただきありがとうございます。

実はマウンテンバイクも好きな『快適長持ち系自転車安全整備士』ノーリー(店長)です。
フルサスモデルもいいですが、長く付き合える愛車にするならハードテイルをオススメします。
リンク(可動)部分が少ない分、フレーム寿命がフルサスモデルより長いからです。

今回はシリーズものということで、バラシ・プレミアム通信!SM400(?)タイムボックス・プロジェクト①として書いていきます。


■ヴィンテージ、つまり超レア車体

今回ご紹介するのはこちらの車体です↓

【CANNONDALE】(キャノンデール)のヴィンテージ・マウンテンバイク『SM』シリーズです。
お預かり時点での写真を記録として残しておきます。

『made in usa』の【CANNONDALE】車、今は見かけなくなってきましたね。

【CANNONDALE】は今でもアメリカが誇る自転車ブランドのひとつです。

車体の注意事項ですね。

アメリカ東海岸にあるコネチカット州の鉄道の駅であるキャノンデール駅が創業時の社屋だったとよく⾔われていますが、実はその駅を線路で挟んだ向かいにある黄色の建物『Yellow Barn』が創業時の社屋だそうです。
この初代ロゴは1983年~1989年まで使われていました。
歴史を感じますね。

昔は職人の手作業でフレームをつくるのが当たり前でした。

当時のステッカー類がフレームに貼られたまま残っているのはとてつもなく珍しいことです。

キズが入っていますが、それも歴史を感じさせますね。

フレームはアルミ製なので茶サビは生じません。

フロントフォークはスチール製なので、どうしても茶サビは生じていました。

塗装が剥がれた部分からがサビが見えてしまいます。

個人的な意見ではありますが、マウンテンバイクはキズが入っている方がむしろカッコいいと思います。
ただ飾られていただけではなく、ちゃんと走ってきたんだということが感じられるからです。

ボトルケージ台座はダウンチューブの上下に1カ所ずつ設けられています。

クイックリリースレバーも

ハブも錆びてしまっています。

シートクランプもサビが深刻で、固着気味でした。

シートポストは茶サビではありませんが、やはり腐食しています。

リア6速(6段変速)で、カセットスプロケットではなくボスフリーです。
現代ならこの代用品は安価で手に入ります。

チェーンは完全にサビで固着して回りません。

これはさすがに廃棄するしかないでしょう。

チェーンリングもサビサビです。

フロントディレイラーも

リアディレイラーもサビが回っています。

ブレーキシューは溝が残っていますが、この状態だと再利用は望めません。

命を預ける、まさに『生命線』となるブレーキワイヤーは、錆びたらすぐに新品に交換するくらいでちょうどいいです。

本体は今となってはレアパーツとなる【SHIMANO】(シマノ)DEORE LXのカンチブレーキです。

フロントブレーキのワイヤールーティングは今となっては面白いです。

このようにステムを貫通するスタイルです。

シフターはもはや諦めるしかありませんが、ブレーキレバーは原型を留めています。

クランクは【SUGINO】MPを採用しています。
キャップは樹脂でできていますので、割れてしまう可能性が高いです。

ペダルも回転が非常に硬くなっています。

街乗り用にも使われていたのでしょう。
この車体もスタンド使いでした。

リアのブレーキワイヤールーティングはこうなっています。

サドルは再利用できそうにありません。

ブレーキ設定は右がフロント、左がリアとなっていました。

シフトインナーワイヤーは要交換です。

シフトアウターケーブルも同様です。

【SUN】LEVANTER L-25は今となっては入手困難なリムです。
スポークホール数は36でした。

タイヤはブロック部分こそ減っていませんが、

サイドはこんな状態です。

こうなると交換が推奨されます。

どこまで磨けるか、どこまでキレイにできるか。
今はまだ想像もつきませんね。

■バラシ・プレミアムとは

レストアやオーバーホールを得意とする当店の整備作業メニューのひとつです。
基本的に分解できるだけ分解し、再利用できそうなものは洗浄・下処理・組み戻しという流れになります。
オーバーホールやレストアのように、自転車(車体)として組み立てる前段階工程まで進めるものです。

バラす(分解する)だけなら、ある程度の知識と設備・道具さえあれば誰でもできます。
問題はそこから組み直すことです。
組み直すためには深い知識と経験・技術が求められます。

■10年先を見据えて…

この案件を当店へご依頼して下さったユーザーさんは、幼いお子さんを持つ父親です。
ご自身が青春を共に過ごした愛車を、ゆくゆくはお子さんに受け継ぎたいという想いをお持ちでした。
お子さんがこのフレームに乗れる体格を手に入れるためには10年はかかるでしょう。
今はその時を待つべく、一旦バラバラに分解して、箱に詰めて眠らせておきます。
タイムカプセルではなく『タイムボックス』。
それが今回のプロジェクトです。

親のエゴと言ってしまえばそれまでですが、このユーザーさんの想いは『自転車の便利屋』として汲みたいと考えました。
私の実弟はすでに他界していて、その息子(私にとっての甥)がいます。
実弟が使っていた自転車を今はバラバラにして保管していて、ゆくゆくは甥に譲るつもりです。
だからこそ、その気持ちがわかるような気もします。
もちろん、お子さんがこのフレームを気に入ってくれるかはわかりません。
ですが、もし気に入ってくれて、
「お父さんが使っていたフレームを使いたい!」
と言ってもらえた時に、ちゃんと復活できる状態に準備しておきます。
作業の記録は小分けにして公開するので、楽しみにお待ち下さい。

バラシ・プレミアム通信!SM400(?)タイムボックス・プロジェクト②に続きます!

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当店は出張修理等が多いため、決まった店休日や営業時間という概念がありません。
他店様が営業していない時間帯でも予約制にてご依頼等を承ります。
また、当店にて自転車の販売(防犯登録含む)も行っておりますが、他店様にてお買い上げの自転車の組立や点検及び調整、修理やカスタマイズ、オーバーホール等のアフターケアも大歓迎です。

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