この町の冬を守る 岩佐土建 vol.2
(前回の続き)
──除雪の時期になるとお昼の一般土木の工事はストップするのでしょうか。
そうですね。その期間中は午前中で終わったら、当然その日の日中はお休みです。またその日の夜に除雪作業に入って、という流れです。
疲れたら有給で休んでもらいます。眠たいのがなにより本当に辛いですので。
みんな機械に乗っていると時間が分からなくなってくるんだそうです。5時間、6時間はもうあっという間な感覚です。大変だし、本当にみんなよくやってくれているなと思います。
それでずっとやっているとおなかが空くから朝5時過ぎに現場にお弁当を配りに回るんです。
──2018年、2021年の大雪のときは特に大変だったのではないでしょうか。
2018年の時は国道8号線が止まりましたよね。やってもやっても積もってしまう。それが一週間ほど続いたので、あの時は寝てる間がないくらい大変でした。
仕方ないなとは思うんですけど、色々とクレームも入ってくるんですよね。
『うちの玄関先なんも除雪してない』とかね。
効率の都合から、1区画で除雪を始める地点からコースが概ね決まっているので、最初に除雪するところと最後に除雪するところでは全然状態が違うんです。
あとは『家の前に大きい雪の塊をやったやろ』とか、そういうクレームもたまにあります。家の周りを綺麗にする人ほど、雪はそこだけないから自然とごそっとそこに雪が入っちゃうんです。だから皆さんそれぞれの都合があるのでしょうがないとは思うのですが、本当は除雪車が通ってから自分の家の玄関は綺麗にしてほしいなと思います。
逆に屋根雪を下すときは除雪車が通る前のほうがいいですね。その方が屋根裏の雪も一緒に除雪車で持って行くことが出来るので。
──除雪車が通る時に私たちが注意した方が良いことはありますか。
今では少なくなったのですが、駐車場じゃない道路に車を止めないことですね。そこだけ除雪が出来ないので雪がごっそり残ってしまうんです。
あとは、除雪をしている機械の周りは絶対に見に来たり近寄ったりしないことですね。たまに見物で後ろを歩いてきたりする人いるのですが、除雪車はすぐバックするのですごく危ないんです。
ただ、一生懸命やっていれば良いこともいっぱいありますね。先ほども言いましたが、除雪中は睡眠不足にもなりますし、なにより本当に孤独なんですよね。だから、事務所に『いつも除雪ご苦労様です』と書いたハガキが来たり、通りすがりに『ありがとうございます』と言われたり。そういう時はすごくホッとします。あとはコーヒーをくれたりとかする人もいらっしゃるんです。
あとは塩撒きも終わった後に道路を車がスーッと通っているのを見ると、うまいこと撒いたからやなって嬉しくなりますね。
── いつも本当にありがとうございます。安全、体調にお気をつけて、今シーズンもよろしくお願いいたします。
〜執筆後コメント〜
私たちが寝ている時間帯の間に道が除雪され綺麗になっていることは当たり前ではなくて、寝る間も惜しんで除雪作業を行ってくださる方々のお陰であることを改めて感じました。
除雪作業をされる土木業の方々への感謝の気持ちを忘れず、
その他にも、普段から気付かぬうちにお世話になっているエッセンシャルワーカーの方々への敬意も忘れずにいたいです。
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