この町の冬を守る 岩佐土建 vol.1
今回の取材は、東郷地区栃泉町にある岩佐土建さんです。
岩佐土建さんは、これからの雪の季節、東郷地区や福井の県道の除雪作業に携わる会社の1つです。
今回、社長の岩佐昭夫さんにお話を伺いました。
除雪車の種類が色々あることや、除雪作業中のルール、従業員さんのスケジュール、そして除雪の際に私たちが気をつけた方が良いことなど、様々なことをお聞きしました。
──よろしくお願いします。岩佐土建さんは普段はどのようなお仕事をされているのですか?
よろしくお願いします。
普段は一般土木という、道路の新設や舗装工事、河川改修、あとは、災害復旧に関する仕事をしています。福井豪雨の足羽川氾濫の時の災害復旧や最近開通した冠山峠道路近くの池田町のトンネル工事もうちが担当したんですよ。
──福井は降雪地帯でこれからの時期は除雪作業もされているとお聞きします。
除雪の体制には毎年大体いつ頃から入るのでしょうか。
大体12月初旬からです。除雪の機械が貸与されるのが11月20日過ぎぐらいからで、福井市から3台、福井県からが3台貸与されて、あとは会社にある2台の合計8台を15人体制で除雪作業を行います。
市の機械は2月いっぱいで返却して、福井県のは3月いっぱいで返却します。
また凍結防止剤散布車も県から借ります。塩撒きは、今年はもう4回ほど行いました。1回で100kmほどの距離を塩撒きしますね。
──塩撒きを行うのはどのような基準で決めているのですか。
それは福井市や福井県から指示があったら、といった感じです。
冷え込んでからでは遅いので、明日冷え込むようなのでお願いします、と。前日の大体16~17時くらいにメールで言われます。
その日は深夜の0時半~1時ごろに来て、4時くらいまでなので3時間くらいですかね。冷え込みが激しいと夜の17時、21時、1時、3時って4回撒くんです。除雪は雪の降った時だけですけど、塩撒きはシーズン中の100日近くはやるので、その意味では除雪より塩撒きのほうが大変かもしれませんね。
──大体どれくらいの量の塩撒きをするのですか。
1単位が500kgの塩の袋を冷え込むときは6袋ほど使うので、3トンほどです。シーズン通してだと100トン近くは撒いていると思います。
まずは交差点や坂道、堤防、トンネルの出口など、冷えやすかったり事故になりやすいところを優先して塩撒きします。
あとは橋の上も絶対ですね。橋は下が空洞で冷えやすいので。
──除雪のほうも市や県から指示があって、といった流れなのですか?
福井県と福井市とで道の管轄が違って、福井市からの指示は主に東郷地区の市道、福井県のは県道を担当しています。
市役所の場合は、まず待機の命令があって、市役所から今から出てくださいっていう指示があってから出動します。大体、夜の23時から0時ですかね。そこから朝の出勤時まで除雪をお願いしますと指示が来るんです。でも、大概1区画するのに12時間くらいかかるんです。なので、夜の0時に出動したら正午までですね。
──1区画は大体どれぐらいの範囲なんですか。
東郷地区はうちと帰山組さんの2社が担当しています。
うちは上東郷、円成寺、東郷中島、下東郷、それが1区画。上毘沙門、中毘沙門、下毘沙門で1区画。栃泉と赤坂で1区画。南山と小安で1区画。なので合計4区画をうちは担当しています。1区画だけで10~12時間くらいかかるんです。というのも、雪が降ったらまた行く必要があるので、夜11時に除雪は開始して、やっと綺麗になっても、最初に除雪したところにはもう雪が積もっているんです。
県の場合は、 大体、夜の2時から始めて、8時から9時頃までですかね。県道で使う除雪機は市の機械の二倍くらいの大きさがあるんです。県の担当している区画は稲津〜一乗、河和田を抜けるトンネルまでや、戸口トンネルや生部の榎坂トンネルあたりまでが1区画。走行距離は60kmくらいですね。
1つの除雪車に2人乗ったり、交代要員だったりでもう総動員で除雪作業を行っています。
これが県から貸与された除雪車の一つ目です。
前方で柔らかい雪を除雪して、後輪前のヘラで固い雪を集めるんです。
これが県から貸与された除雪車の二つ目です。
主に山道の除雪に使われる仕様です。
うちの除雪車がこの中でも一番大きくて、県道みたいな大きい道の除雪に使われます。プラウ(前方の雪を集めるところ)は小学校低学年の子どもが20人入るくらいの大きさがあるんです。
この右手のレバーで前方のプラウを操って雪を動かしていきます。マニュアル車のレバーみたいにガチャガチャって感じのをイメージする人もいるかもしれませんが、案外操作するところはちっちゃいんです。
除雪車を運転するには第一種大型免許が必要なんですよ。
皆さんも道中で見かけたらどの除雪車かな?って気にかけてみてくださいね。
(vol.2に続く)
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