
#ヘブライ文字学習記 Qamats "ָ " (U+05B8)
本記事では、ヘブライ文字で使用される記号 "" を紹介していきます。

1. 名前と入力
1.1. 名前
ヘブライ文字で用いられる記号 "ָ " は、英語では "qamats" や "kamatz"、日本語では「カマツ」と呼ばれます。
Unicode における符号位置は "U+05B8"、名前は "Hebrew Point Qamats" です。
なお、似ている記号に「カマツ・カタン」 "Qamats Qatan" と呼ばれる "ׇ " (U+05C7) が存在します。
ただし、ソースによってはこれらの記号が区別されていないこともあり、正確な使い分け方は筆者にも分かりません。
1.2. 入力
" ָ" は原則、カマツを付けたい子音を入力した直後に入力します。
Windows 10 の「ヘブライ語 (標準)」キーボードにおいて、 "ָ " は [Alt Gr] を押しながら [E] を押すことで入力できます。
なお、 [Alt Gr] はキーボードの右側にある [Alt] のことで、 [Ctrl] と同時に左側にある [Alt] を押すことでも代用できます。
また、 Android のヘブライ語入力では、 [ק] を長押ししながら [ָ ] を選択することで、入力できます。
2. 発音と役割
2.1. ヘブライ語
ヘブライ語における "ָ " は、母音記号の一種です。
谷内意咲 著『今日から読めるヘブライ語』では、発音「ア」の長母音として紹介されていますが、現代の発音では長短の区別はあまりないようです。
「オ」の短母音にも似た記号が掲載されていますが、こちらはカマツ・カタンかもしれません。
『Duolingo』では、 "LEARN THE LETTERS" で "a" の "Vowel markings" の 1つ として紹介されています。
"o (rare)" とも記載されていますが、こちらはカマツ・カタンの可能性があります。
また、 "Letters 2" の "Tips" に発音が "bank" の /a/ だと表記されています。
『Wikipedia』のヘルプページでは、名前は "Kamatz"、発音は "father" の /a/ と記載されています。
また、 "Kamatz katan" という名前で、 "story" の /o/ の発音も併記されています。
2.2. イディッシュ
イディッシュにおいては、アレフ "א" と併用した "אָ" のみが使用されています。
『Duolingo』では、"LEARN THE LETTERS" で "אָ" が "u" "ü" "o" として紹介されています。
また、 "Letters 1" の "TIPS" では、 "אָ" の名前は "Kumits alef"、発音は /u/ /ə/ /ɔ/ と表記されています。
『Wikipedia』のヘルプページでは、名前を "komets alef"、発音を "boss" の /ɔ/ と記載されています。