飲食店、時短営業への協力金
緊急事態宣言が発令されて、時短を行った飲食店への協力金が支払われることになった。東京都の場合、1店舗あたり186万円。
その金額が多いか少ないかについては、立場によってさまざまな違いが出ると思う。一律の対応で全員に満足させるなんてことは到底できないから、これは仕方のないことだ。とりあえずは、「支払う」という対応がとられたことはいいことだと思う。
ただ、飲食店に付随する業者たちへのフォローがまったくないことは、大きな問題だと思う。
飲食店には、さまざまな業者が関わっている。飲食店が大幅な時短なり休業なりすれば、当然それらの業者へも影響する。ぼくの耳には、そんな業者の愚痴や悲鳴が聞こえてきている。
飲食店の付随業者はいくつもある。まずは、食材の納入業者だ。肉や魚、野菜など。冷凍食品などの加工品もそうだし、酒屋もそう。彼らの注文は激減することになる。
また、おしぼりや玄関マットなどの備品を扱う業者も売り上げを大きく落とす。ぼくの耳には、串焼き屋に納入している『炭屋』さんからの嘆きが伝わってきた。
おそらく、凌ぎきれない業者も出てくるだろう。1ヶ月にも及ぶ売り上げ減少は、とてもキツい。1軒の飲み屋の店主は納入業者の苦境を慮って、「商売って連鎖してるのが分からないのかよ」と、国や都、県の片手落ちの対応を批判していた。飲み屋にとっても、再開後に付き合いのある業者がなくなっていたのでは困るのだ。長年の付き合いの中で、その飲食店の意向に合わせてもらっている。配達の日時なり、納品する品物の状態や価格なりを。だから、新規の業者では商売がスムーズにいかなくなってしまうのだ。
付随する業者にまで協力金の範囲を広げるわけにはいかない、ということなのだろうが、なにかしらの対策は打ち出してもらいたいものだ。差し当って思いつくのは、税金の免除(あるいは先送り)と速やで簡素な借入金制度だ。一時的に凌げる金を渡さないと、業者たちは本当につぶれてしまう。継続しているのであれば再興はできるが、つぶれてしまえば無理だ。どんな業者だって場所と設備、専門的な業務をこなす社員を保持している。それらを手放したら、再び揃えることはできない。
すでに時短要請の期間に突入しているというのに、それら飲食店の付随業者に向けた発言というのは「お上」側からまったく聞かれてない。来月7日の解除まで、触れない気なのだろうか。触れないんだろうな、おそらく。
駄文ですが、奇特な方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。