(4)飲食店、もう一つの苦難
酒をめぐって、飲食店や酒販業者があの無能トップたちに振り回されている。ぼくが元の顧客に会ったり電話したりすると、「あのバカ総理が!」とか、「西村の顔(テレビで)出すなタコ!」とか、普段おとなしい人たちまで荒い口調で言ってくる。呑み屋さんたちは、これまでにないほど怒っている。
じっくりタレを作り、一本ずつ串を打ち、店内、入り口、トイレなどを掃除し、客を迎える。自分の利益のためではあるのだが、それだけではない。店には店主の気持ちが込められている。やる気とか、矜持とか、才能の発揮とか、客とのコミュニケーションとか。
それを、取るに足らないことのように扱われている。怒って当然だ。
彼ら呑み屋さんたちの悩みごとで最も深刻なのが、経済面のことだ。商売ができないのに、保証金が滞っている。経済面の悩みが、話をしていて最も多い話題だ。しかし、それだけにとどまらない。このコロナ渦で、呑み屋さんの悩みごとは数多くある。
たとえば、よく嘆かれるのがワクチンだ。彼らは客商売という立場上、接種しないという選択肢を取りづらい。あの政権トップのひょろっこい方の腰ぎんちゃくは、「ネットのカキコミに、その店がコロナ対策をしているか書き込んで」という発言もしている。その後、それ以上の問題発言をしまくってしまったので、あの発言は取り上げられなくなってしまった。しかしちょっと前、風評を使って圧力もかけろと言ってきていたのだ。
そんな状況のなかで、ワクチンを接種しないことはむずかしいという。「あの店ワクチン打ってないぜ」と噂されるかもしれないからだ。
彼らは無能政権の杜撰さを肌で分かっている。あんな連中が主導するワクチン接種が怖いという人も多い。無能政権を信用して、安直に体内に薬液を入れてしまっていいものだろうか。そしてまた、それを従業員や家族、アルバイトたちに押し付けてしまっていいのか。店主たちは真剣に悩んでいる。
ぼく自身は、接種したくないと思っている。しかし先日、息子が製薬会社でワクチン製造に関わっているという知り合いが、
「ワクチンの開発者たちは世の中のためを思って、身を粉にして仕事に従事している。安全はもちろん念頭に入れながらだけど、とにかく不眠不休で急いで開発している。そんな開発者たちの思いや頑張りを無視して、打たないなどという選択肢を取る人たちは許せない」
ということを言っていた。
実際、これほどまでスピーディーに配布され、尚且つ、例外的な副反応しか起きていないという状況を見ると、開発者たちの頑張りに感謝するよりない。ただ、ぼくはなにも、ワクチンそのものが不安だから摂取したくないと言っているわけではないのだ。
車や家電など、機械工場に勤めた人は分かるだろうが、何個かに一つは、どうしても不良品が出る。異常に燃費の悪い車とか、排水口から水漏れする洗濯機とか。こういうことがあるのは仕方のないことだし、防ぎようがない。絶対的な「全品検査」をすれば防げるだろうが、全品を分解して調べ上げれば、売り物がなくなってしまう。一つとして不良品がない、ということは土台無理なのだ。
だから、ワクチンでそういうものが出たとしても、仕方ないと思う。また、先ほども書いたが、仕方ないと納得できるくらいに副反応の例は少ない。
でも副反応は、わずかであっても、ある。完ぺきというわけにはいかない。それはもしかしたら、ワクチンの不具合ではなく、接種した人のその時の体調や、身体の性質かもしれない。
いずれにしても、副反応は100パーセント除去できない。その副反応が万にひとつ起こったとき、現況では、気持ちをどうしても納得させられないことがある。それは、ワクチン開発者ではなく、現無能政権の問題だ。彼らの対応が、ほぼ予想できるからだ。
国家規模のトラブルに巻き込まれたとき、国はそうたやすく救済措置を取ってくれない。水俣病やサリドマイド、薬害エイズ訴訟など、これまでの例を見れば、それは分かる。国は突っぱね、被害者たちは長い年月、その裁判や闘争に時間を取られることになる。不運にもこのワクチン接種で大きな副反応が出た場合も、そうなるだろう。
ましてや、今の政権だ。より、話し合いが困難になるはずだ。
これまでのあの無能トップの話すさまを見ていると、そうなったときの会見でどう話すかが読めてしまう。
あの、たどたどしい口調で、
「副反応によって多大な被害が出るという、正にあってはならないことが起こり、関係省庁と緊密に連絡を取り、迅速に対応していくよう進めているところであります」
などと、原稿を読むだろう。
今、身体が普通だから、あの冴えない演説を笑いながら見ていられる。しかし、もし副反応で身体の一部が利かなくなったときにでもあれを聞かされたら、瘧に全身が包まれ、幻覚すら起こすかもしれない。
そんな事態を避けたいから、できれば摂取したくないのだ。
摂取したくない気持ちが強い自分なので、呑み屋さんたちの気持ちがよく分かってつらいのだ。
まったくもって、ヤク害だ。ヤクは「薬」ではなく、役職の「役」だ。