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自社肯定感の高い組織へ~ファーストペンギンに聞く、エンジニア組織のつくる・かえる・かわる~
広報担当の髙橋です!
トグルホールディングス(以下トグル)は、まちづくりにDXで革新をもたらす企業です。その独自のビジョンに共感し、多くの優秀な人材が集まっています。
今回は、エンジニア組織を立ち上げ、トグルの歴史をつくってきたCTOの久森さんと新谷さんを迎えて、クロストーク形式でお話し伺っていきます!
トグル入社までの過程
それぞれ簡単に自己紹介をお願いします
久森:トグルホールディングスに参画したのは2023年の4月で、技術だけでなく組織についても担当する役割としてオファーをいただきました。
これまでエンジニアとしてシステムの運用や設計には関わってきましたが、組織作りについては必ずしも成功体験ばかりではありませんでしたが、改めてその役割に挑戦する機会が得られるということでお受けすることにしました。
新谷:僕は久森さんと同じタイミングで入社しました。2日くらい差とかでしょうか。2月末頃に内定を承諾したのですが、ちょうどCTO採用も進行していたタイミングで、入社されれば一緒に組織をつくっていくんだなと思っていました。
僕が転職で大事にしていたのは「社会を抜本的かつ良い方向に変える可能性のある事業に関わりたい」という軸でした。言い換えるならば、「僕らは、世界を変えられる」ですね。そこへの共感は大きいです。
最初にトグルの話を聞いたときは、不動産という業界にあまり良いイメージがなく、正直言って一度断ろうと考えていました。でも、面接で伊藤さんから「情報の非対称性を解消して市場構造を変えたい」という話を聞いて、思っていたのと違うなと感じたんです。「この人たちは本気で不動産業界の透明化に挑んでいるのだ」と思い、興味を持ち始めました。
不動産はオフラインの慣習が多く、AIエンジニアからするとキャリアを広げにくい分野と思われがちです。でも、だからこそ、人が挑戦しづらい分野で抜本的に変革を起こすという挑戦に価値を感じました。人間の思考行動を数理的言語で分解し、業界全体に数理科学的技術をインストールしていくことは、きっと実現できるとも感じました。
繰り返しですが、僕が常に大事にしているのは「なぜ仕事をするのか」という問いに対して、「社会を大きく良い方向に変えるためだ」と答えられることでした。それがトグルを選んだ大きな理由です。入社後もそれだけを思いながら働いています。
お互いの第一印象を教えてください
新谷:正直あまり覚えていません(笑)。入社直後、久森さんとは守備範囲をすり合わせ、久森さんはプロダクト、僕はR&D、という形で、背中合わせでトグルの技術の全容を明らかにしながら、運営をしていきました。背中合わせとはその名の通り、直接一緒に仕事をすることは最初は少なかったですが、パラレルで会社をまわしていく存在として頼もしかったです。
※R&Dとは:Research and Developmentの略称で、日本語では「研究開発」を意味します。 一般的には、自社の事業領域における研究や新技術・サービスの開発を担う部門や、その機能を指すことが多い言葉
久森:そうですね、その役割分担でスタートしました。
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入社後、最初の壁~つくる~
エンジニア組織の変遷について教えてください
久森:トグルは私のキャリアの中で、エンジニア組織が最も未整備な会社でした。しかし、その状況に対する不安はなく、「そういうものだ」という前提で入社したので、自分の手で新たな基盤を構築できる可能性を感じ、前向きに捉えることができました。組織の構築を一任されたことで、やりがいを持ちながら進められたと感じています。また、細かな指示がない分、ミッション達成のために自分で方向性を決めて計画を立てる自由がありました。
最初の課題は何でしたか?
久森:当初、プロダクト開発は業務委託のPMがオフショアエンジニアを管理する形で進められていました。これを内製化することが最初の課題です。まずは自分の伝手で強いエンジニアに数名入ってもらい開発基盤を刷新しました。その後に人材採用を進め、現在の組織になっていきました。
※オフショアエンジニアとは:海外企業や現地法人にシステム開発や運用、保守業務などを委託すること。現在はオフショアや業務委託PMは存在しておらず、内製化されている。
久森:これらの進め方についても、基本的に方針の決定は一任されており、特定のオーダーはなく自由度が高い環境でした。その中で自分が方向性を示し、周囲の協力を得ながら進めることができた点が成果につながったと感じています。
新谷:R&Dを掌握する私が最初に向き合ったのは、市場のユーザーの手前の存在、社内の不動産開発担当者の業務でした。リアルビジネスの現場で起きていることの理解を深めながら、最速最良のバランスを考えつつ、複数のPoCを動かしていました。髙﨑さんや丹音さんには、不動産・建築に関するさまざまなことを教えていただき、感謝しかないです。今となっては私も、不動産・建築に関する知識がかなり身についたと自負していますが、最初は何も知らない手探りな状態でした。
エンジニア組織づくりの躍進~かえる~
エンジニアの受け入れに向けた準備やリソースの確保について、具体的な工夫や努力があったでしょうか?
久森:いろいろありましたが代表的なものはハンドブックの作成です。まずは自分たちが「何者であるのか」を整理する必要があると感じていました。この方向性については、入社前から考えていたものです。
トグルは単なるWebアプリの開発をするにとどまらず、不動産建築の業務をデジタル化することを目的としているので、そのためにどのような専門知識や技術が必要なのか、どの程度の技術レベルが求められるのかといった点を検証しながら人材を探しました。それがかなり大変でした。
新谷:R&Dでは、技術とリアルビジネス、双方への感度が高い方を集める必要がありましたが、なかなか見つかりませんでした。技術に関心が寄ると手段が目的化しやすく、かといって技術も比較的難解なものを扱うので、慎重に進めました。最近は優秀なメンバーにも恵まれ、プロダクトとR&Dの境界はほとんどない状態です。AIエンジニアもフルスタックとなることを推奨していますし、顧客に届けて使われてこそ優れた技術だ、ということは常に伝えています。
エンジニアの採用について教えて下さい。
久森:エンジニアの採用では、当初はスカウトやエージェントの活用が主でした。HRと連携して、媒体を増やしたり、採用説明イベントを開催したりと工夫を重ねた結果、採用は急速に進みました。
採用初期に、原田さんと二人三脚で進められていましたよね。その時の印象はどうでしたか?
久森:原田さんは非常にエネルギッシュな方という印象でした。初期の採用活動では、エンジニア採用の成功体験がない状態でしたが、「絶対取るんだ」と向き合う姿勢を示して、採用においても「サクセスにこだわる」マインドを採用活動においても根付かせることができたと思います。
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チームアップをするうえでの課題は何ですか?
久森:やはり「今どういうことにフォーカスしなければいけないのか」という点で、共通の価値観や考え方を社内で十分に共有することが重要だと思います。
新谷:つくるAI全体を通じて、ユーザー理解が深まらない、つまり問いの質が高まらない状態では、安易にプロダクトを開発しない、ということは大事にしていますね。やるとしてもPRDを書いたり、しっかりと仮説を立ててから、という感じです。
やはりどこまで行っても、独りよがりな技術は受け入れられません。「何を提供すると誰がなぜ嬉しいのか」という目線を全員が持ち続けられる状況をつくるのは、組織が大きくなるにつれて難しくなりますが、これは僕が持ち続けるべき問いでもあります。
その課題を解決するには何が必要だと思いますか?
新谷:「ユーザーに想いを馳せる」ですね。まちをつくる人たちに受け入れられ続けることが、私たちのミッション達成への近道です。とはいえ、想うだけではなかなか現実的に問題は解決しないので、営業同行や、社内での業界勉強会などを開くなど、知見を深める機会を設けています。
プロダクトリリースや外部イベントを通じた影響~かわる~
2024年にはプロダクトもリリースされ堅調に伸びてきました。一方で、エンジニア向けのイベント協賛や、PLATEAU AWARDなどへの参加も進めていますね。
久森:TSKaigiやYAPCなどへの協賛は、採用広報・技術広報の観点で取り組みを始めました。トグルは無名の会社なので、そもそも知ってもらう必要があります。リファラルも頑張っているものの、それだけでたくさんの人を採用できるわけではありません。
イベントへのスポンサードやイベント協賛は、単なる採用文脈にとどまりません。会社が外に出て露出を増やしていく姿を見ることで、社員たちが自分の会社をポジティブに感じられる、自社への肯定感を高めるきっかけにもなると考えています。
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新谷:私は自分のバックグラウンドを活かしながら、アカデミックへの染み出しや、国家関連のプロジェクトへの参加に力を入れています。
2024年は建築情報学会に参加したりしましたし、直近ではおっしゃる通り、国土交通省のPLATEAU AWARD 2024のファイナリストにも選ばれました。デジタル産業インフラの構築を担う存在として、産官学を横断して、トグルが持つ独自の価値を外部にアピールしていければと思います。
入社してから得た経験や学び、教訓
久森:これ、割といろいろありますね。月並みな話かもしれませんが、トグルに入社して良かったと感じたのは、伊藤さんが「カルチャーの強い会社にする」と言っていたことです。
業績が伸びている間は物事がうまくいっているように見えがちですが、そうした課題に取り組むことがないままにしていると、事業が失速した時に慌てて整備することになり、メンバーから見たら急に言い出したように感じられたりします。
トグルでは、最初からそういった「土台づくり」を重要視しています。研修で価値観や目標を共有する場が設けられているのもその一例です。それに、日々のフィードバックやコミュニケーションの中でも、価値観を浸透させる取り組みを作りこんでいっています。
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最後にトグルのエンジニア組織の今後のビジョンについて教えてください
久森:事業拡大に伴って、単純にアプリケーションを開発する人だけではなく、共通基盤を整備する人、クオリティコントロールを担当する人など、多様な役割が必要になってきます。
トグルでは全社員が研修で「マイクロチーム」「マイクロリーダー」という概念を取り入れチームアップすることを学びます。この概念をメンバーが全員理解していることで、再現性をもったチームビルドができるようになっていくと思います。
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新谷:組織としてレベルの高い環境が整いつつあります。「デジタル産業インフラ」の構築は、高みにあるミッションですが、その実現は着実に現実味を帯びてきています。アカデミック領域で成果を出せるような探究心の強い方や、業界を大きく変革することにワクワクするような挑戦心溢れる方などにとっては、魅力的な場だと思います。そのような方に来ていただけるよう、もっと魅力を外部に伝えていきたいですね。
エンジニア組織の立ち上げから、プロダクトの進化まで、トグルのエンジニアチームは、まさに「つくる」「かえる」「かわる」を体現しながら成長してきました。
そしてこれからも、まちづくりの未来を支えるために、さらなる挑戦が続きます。私たちは、技術の力で不動産業界の透明化を進め、より多くの人にとって価値のある仕組みを作り続けていきます。
「自社への肯定感が高まる組織へ」。その言葉通り、トグルのエンジニアチームが誇りを持って進み続ける姿を、これからも発信していきます。お楽しみに!
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